【読書記録】本なら売るほど / 児島青
本のこと
ここは、本と人とがもう一度出会い直す場所。
ひっつめ髪の気だるげな青年が営む古本屋「十月堂」。
店主の人柄と素敵な品ぞろえに惹かれて、今日もいろんなお客が訪れる。
本好きの常連さん、背伸びしたい年頃の女子高生、
不要な本を捨てに来る男、夫の蔵書を売りに来た未亡人。
ふと手にした一冊の本が、思わぬ縁をつないでいく――。
本を愛し、本に人生を変えられたすべての人へ贈る、珠玉のヒューマンドラマ!
漫画誌「ハルタ」連載時から大きな反響を呼んだ話題作が、待望のコミックス1巻発売です。
感想
「本を買って読む」という行為は、ここ数年で大きく変わった。
電子書籍が現れた時には「紙の本が売れなくなる!」と叫ばれ、更には動画で本を要約して紹介するコンテンツが現れて、それで読んだ気になって本を読まない人もいる。
本に書かれてあることを単なる「情報」と捉えるなら、読まなくても要約された短い文章だけ読めばいいのかもしれない。
言ってしまえば本に書かれている文字は、「紙にインクで印字したもの」なのだが、そんなものを読んで頭のなかで想像して、心を動かされたりする。
本を読んだ時の面白さは、読んでいるときは本の中にのめりこんで、読んだ後では「読む前の自分と何か変わった気がする」と思えることだと私は考えている。
この『本なら売るほど』は、本好きな人にとってたまらない漫画だと好評判で、前から読んでみたかった。
本が人生を劇的に変えることは少ないかもしれないけど、背中を押してくれて、「気が付いたらあの本がきっかけだったな」と思うことはある。
『本なら売るほど』のエピソードもまさにそんな感じで、本にまつわる様々な人生が描かれる。
「紙の本ってやっぱりいいな」
「街の本屋さん無くなってほしくないな」
本当にそう思える。
主人公が買取に行く際、その故人の本棚を見ながら「この人に会ってみたかった」と言うシーンが印象的だった。
本棚は、何を読んだかは、人の内面を映している。
