第十一章:近鉄電車アクビの余韻
近鉄松阪駅を出発し、次なる目的地・近鉄名古屋駅へ。
ガタゴトと揺れる車内で、気づけば一度、大きなアクビを噛み殺していた。
早朝4時半からの移動と、松阪牛のカツカレーが効いている。
窓の外の景色は、半分夢の中のように流れていく。
アクビは、口元に手を添えるだけで十分だと思っている。
逆に、無防備に大口を開ける人を見ると、少しだけ感心してしまう。
ただ、本当に目を奪われるのはそのどちらでもない。
少し遅れて、慌てて手で隠すあの仕草だ。
近鉄のシートに揺られながら、意識が少しだけ遠のいた。
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