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第十章:キング・オブ・ビーフのオムライスと、松阪の風


小腹を満たしたところで、バスに乗り込み伊勢市駅へと向かう。

そろそろ、旅のメインディッシュである「本気のお昼ごはん」を目指さなければならない。

頭の中に浮かぶ数々の候補の中から、この日僕がチョイスしたのは、言わずと知れたキング・オブ・ビーフ――「松阪牛」だ。

贅沢な響きに胸を躍らせながら、近鉄線に揺られて松阪駅を目指す。


駅に降り立ち、街を歩く。

平日だからだろうか、それともこれが今のリアルなのだろうか。シャッターが閉まった商店街、人通りも少なく目的地に急ぐ車と、ただ風だけが通り抜けていく。この静けさは非常に残念だ。どこか寂しさを覚えてしまう。


駅前の広めの通りを10分ほどトボトボと歩き、お目当ての『銀牛』というお店に到着した。

ここで僕が注文する予定だったのは、松阪牛のお肉の旨味がこれでもかと染み込んだ「特製オムライス」……のはずだった。


――ん? キング・オブ・ビーフを求めてやってきて、オムライス?

なにかズレていないか?(笑)


そんな自分へのツッコミを胸に店に入ったのだが、なんと、そのオムライスはメニューから消えていた。……またしても残念。

だが、ここで引き下がるわけにはいかない。

気を取り直して、僕は「松阪牛ビーフカツカレー」を注文した。


運ばれた一皿をスプーンで運ぶ。

……うん、美味い。やはり地元の味は格別だ。

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はじめからは↓


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