40kg痩せた食事を、6年後に東洋医学で読み直したら
前回、「ダイエットをやめたら40kg痩せました」という話を書きました。
そのあと聞かれたのが、「何を食べていたんですか」でした。答えはシンプルで、魚、豆腐、海藻、きのこ、玄米、野菜です。特別なものは何もありません。
23歳から24歳にかけての、1年3ヶ月の話です。
正直に言うと、当時の私に東洋医学の知識はありませんでした。ただ、産後に何度も入退院して、横になっていても眩暈がして、「痩せてる場合じゃない、体力をつけないと」と思って、和食に寄せただけです。
その意味がわかったのは、6年後でした。
30歳で、五行に出会った
30歳のとき、東洋医学をベースにしたエステに就職しました。そこでカウンセラーとして9年間、たくさんの方の体を見ることになります。
そこで学んだのが五行論です。
五行とは、この世のものを木・火・土・金・水の5つに分けて考えるという、東洋医学の土台になっている見方です。体で言うと、それぞれに対応する臓腑があります。
木|肝|酸|イライラ、目の疲れ
火|心|苦|不眠、動悸
土|脾|甘|胃もたれ、疲れやすい
金|肺|辛|乾燥、風邪をひきやすい
水|腎|鹹(塩辛い)|冷え、むくみ、白髪
東洋医学では、5つのどれかが弱ると、隣にも影響が出ると考えます。だから悪いところだけを見るのではなく、5つが揃っている状態を目指します。

これを学びながら、私はずっと引っかかっていました。
この表、どこかで見たことがある。
6年前の自分の献立と、答え合わせをした
家に帰って、当時の食事を思い出しながら並べてみました。
海藻・黒い豆 → 水(腎。冷えとむくみ)
きのこ → 火〜水(血の巡り)
玄米・大豆・かぼちゃ → 土(脾胃。エネルギーの土台)
魚 → 金〜水(肺と腎を養う)
梅干し・酢の物 → 木(肝。巡りを整える)
全部、埋まっていました。
眩暈は、東洋医学では肝と腎の話です。私は知らないまま、その2つを毎日養い続けていたことになります。
知識がなくても、体が正しい方に行こうとしていた。それが後から理屈で説明できたとき、正直、鳥肌が立ちました。
そして同時に、大学で学んだ栄養学と、目の前の東洋医学が、私の中でつながりました。別々の引き出しに入っていた2つが、ひとつの話として動き出した瞬間です。
5つの要素は、毎日そろえていました
よく誤解されるので書いておきます。私は続けるために、かなり手を抜きました。
たとえば、レンジを使いました。作り置きをして、3日続くときは味を変えてアレンジしました。野菜はグリルで焼くだけ。
手を抜いたのは作り方。抜かなかったのは中身。
これが1年3ヶ月続いた理由です。
人に渡す方法が、ずっとテーマでした
9年間カウンセリングをして、たくさんの方の食生活を聞いてきました。
そこで見たのは、「体にいいことをしよう」と思っている人ほど、途中でやめてしまうという現実です。
理由はいつも同じでした。仕事があって、子どもがいて、疲れている日がある。私が23歳のときに使えた時間を、みんなが持っているわけではありません。
私にできたやり方を、そのまま渡しても続かない。ではどうやって渡すか。それが私のテーマになりました。
5年前、だしにたどり着いた
独立して、ようやく答えが出ました。
だしなら、五行を一杯に入れられる。
だしに使う素材を、さっきの表に並べてみてください。
梅 → 酸 → 木
焼あご(焼いた香ばしさ、ほろ苦さ) → 苦 → 火
味噌(大豆の発酵、自然な甘み) → 甘 → 土
本枯節 → 金
昆布・椎茸(海と山の黒いもの) → 鹹 → 水
一杯の汁に、5つが入ります。
しかも粉にしておけば、鍋に振るだけです。こさないので、だしがらとして捨てていた食物繊維もミネラルも、そのまま食べられます。
これに気づいてから、周りの人に教えるようになりました。5年になります。
「体が楽になった」「家族がよく食べるようになった」という報告を、たくさんいただいています。
ここから先は、いただいた声をそのまま紹介します。食品なので、効果を保証するものではありません。
中でも忘れられないのが、あるお子さんの話です。
学校で走り回ってしまって、席にいられなかった子でした。それが、座って先生の話を聞けるようになった。お母さんと話すときも、目を見て聞けるようになった。身のまわりのことを、自分でやるようになった。
食べるものが変わっただけで、と思うかもしれません。私も報告を聞いたときは驚きました。ただ、体が整うと心も落ち着くというのは、東洋医学ではずっと前から当たり前に語られてきたことです。
もちろん、すべての子に同じことが起きるとは言えません。それでも、こういう報告が届くたびに、毎日食べるものの力を思い知らされます。
9年間どうしても渡しきれなかったものが、粉というかたちでやっと渡せるようになりました。
しかも、科学的にも理にかなっています
面白いのはここからです。
うま味には有名な3つの成分があります。
イノシン酸 — かつお節、あご
グルタミン酸 — 昆布、味噌
グアニル酸 — 干し椎茸
この3つは、組み合わせると、単体の合計をはるかに超えるうま味になります。相乗効果としてきちんと確かめられている現象です。
つまり、五行を意識して素材を揃えると、結果としてうま味が最大になる。東洋医学のものさしと、食品科学のものさしが、同じ場所を指しています。
30歳のときに私の中でつながった2つは、だしの上でいちばんきれいに重なりました。
うま味が強いと、塩が減ります
もうひとつ大事なことがあります。
うま味がしっかりしていると、塩分が少なくても物足りなさを感じません。
減塩を「がまん」でやると続きませんが、うま味を増やす方向でやると、努力している感じがないまま減っていきます。
家族の健康を守りたいと思っているお母さんにとって、これはかなり大きい話だと思います。
いま作っているもの
そうして、自然の素材から作る「みんなのダシ粉」を開発しています。
子どもからお年寄りまで毎日飲めるように、塩分もヨウ素も何度も計算し直して、配合を組み直しているところです。
母の手料理が、薬になる。
大げさに聞こえるかもしれませんが、私は自分の体で一度それを経験しています。そのあと知識で裏づけを取って、人に渡し続けてきました。
だから、作っています。
できあがったら、ここでお知らせします。
この話の入口になった記事です。
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