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お酒がやめられない人、たくさん食べると下痢をしてしまう人へ。

メンバーシップの質問箱にたくさんの質問をいただいています。ありがとうございます。しっかり書こうとするとどうしても長くなるので、今回も2問ずつお答えしていきます。

Q1:お酒を飲みつつ長生きしたい。休肝日は48時間?72時間?
Q2:痩せ型、筋トレ食を増やすと下痢で続かない。プロバイオティクス飲料でも悪化する

Q1:お酒を飲みつつ長生きしたい。休肝日は48時間か72時間か。

もさり先生、こんにちは。身体にアルコールが悪いことは分かっているんです。でもお酒が飲むのが趣味なんです。大酒飲みが気をつけることについて「酒をやめる」以外で教えてもらうことって可能でしょうか?例えば、昔から、週に2日は休肝日はが良いと言われてますが、これは72時間でしょうか?48時間でしょうか?(と聞きたくなるくらい酒が好きなんです..)できれば100歳まで酒を嗜んでピンピンコロリでいきたいのですが、不健康に楽しく生きる方法があればと思い、ワガママな質問ですが、よろしくお願いしたいです。

知った上で選ぶか、知らずに流されるか。医学的なリスクが同じでも、人生の選び方としては違います。

自分も酒を完全にゼロにはしていません。「飲まないのが一番です」だけでは、この質問への答えにならない。飲む楽しみを残しながら、どこまで害を減らせるかを考えます。

48時間と72時間を比べて、どちらが優れているかを示した根拠はありません。厚生労働省のガイドラインも、連続48時間や72時間という決まりは示していません。

先に確認したいのは、次の三つです。

  • 1週間に純アルコールを何g飲んでいるか

  • 1回に60g以上飲む日がないか

  • 毎日続けて飲んでいないか

少量の酒を「健康のため」に飲む根拠はない

以前は、少量の飲酒者の死亡率が低く見える「Jカーブ」がよく語られていました。

2023年には、107件のコホート研究、約480万人をまとめたメタ解析が出ています。元飲酒者が非飲酒者へ混ざる問題や研究の質を考慮すると、1日25g未満の飲酒による全死亡リスクの有意な低下は確認されませんでした¹⁾。

がんについては、WHOがアルコールによる発がんリスクに安全と確認された量はないとしています。少量でも、一部のがんのリスクは上がります²⁾。

健康のために酒を飲み始める根拠はなく、飲酒量が少ないほど害も小さくなります。

男性40g、女性20gは安全量ではない

厚生労働省のガイドラインでは、男性40g以上、女性20g以上という数字が使われています。生活習慣病のリスクを高める量を飲む人を減らすための目標です³⁾。

個人が毎日そこまで飲んでよいという許容量ではありません。ガイドラインにも明記されています。

純アルコール20gは、アルコール度数5%のビールなら500mLです。

純アルコール量=飲んだ量(mL)×アルコール度数÷100×0.8

ビール500mLなら20g。2本で40g。3本で60gです。

1回の飲酒機会で60g以上は「一時多量飲酒」とされ、避けるよう勧められています。

休肝日を2日作っても、残りの5日でまとめて大量に飲めば帳尻は合いません。

顔が赤くなる人は、同じ量でも条件が違う

酒を飲むと顔が赤くなる。動悸や吐き気が出る。昔は赤くなったけれど、飲み続けるうちに平気になった。

東アジアには、アセトアルデヒドを分解する酵素の働きが弱い人が多く、日本では約41%とされています³⁾。飲み続けて赤くならなくなっても、体質そのものが変わったとは限りません。

厚生労働省も、こうした人が長年飲酒を続けると、口腔がんや食道がんのリスクが非常に高くなると注意しています³⁾。

現在または過去にフラッシング反応があり、飲酒を続けている人は、その事実を健診や診察で伝えてください。内視鏡が必要か、どの間隔で受けるかは、飲酒量、喫煙歴、年齢、症状で変わります。

飲み込みにくい。食べ物がつかえる。意図しない体重減少や貧血もある。その場合は、定期検査を待たず消化器内科へ相談してください。

休肝日は、何時間より週の総量

自分なら、まず週2日を確保します。連続48時間に特別な効果が確認されているからではありません。飲む日を7日から5日へ減らし、週の総量を下げやすくするためです。

週2日休んでも総量が変わらない。1回60g以上の日も続く。その場合は、72時間へ延ばすより飲む日の量を減らします。

休肝日は、飲んだ分を帳消しにする制度ではありません。

飲む日には、始める前に上限を決める

酒量は、酔ってから決められません。

会食へ行く前に「今日はビール1本とワイン1杯まで」のように決めます。飲み放題ではグラスの大きさや濃さがばらつくので、途中から炭酸水やノンアルコール飲料へ替えます。

食事をとりながら飲む。酒の合間に水や炭酸水を入れる。短時間にまとめて飲まない。厚生労働省のガイドラインにも含まれる方法です³⁾。

水を飲めば解毒できるという意味ではありません。飲む速度が落ち、純アルコール量を減らしやすくなります。

寝るために飲まない

酒を飲むと、寝つきは早くなることがあります。ただ、後半の睡眠は浅くなり、中途覚醒や早朝覚醒が増えやすい。

「眠れるから飲む」が続いているなら、飲酒量だけでなく依存の入口としても注意が必要です。厚生労働省も、不安や不眠を解消するための飲酒を避けるよう示しています³⁾。

会食をゼロにできなくても、寝る直前まで飲み続けない。帰宅後の一杯を足さない。この二つは変えやすいと思います。

▼寝酒で睡眠の中身がどう変わるかは、こちらで詳しく書きました。

寝酒は、睡眠じゃない(無料)

飲酒後の運動と入浴で取り返さない

飲んだあとにサウナへ入る。汗をかくために走る。長風呂をする。アルコールが早く抜ける方法ではありません。

脱水や血圧変動、転倒の危険が増えます。厚生労働省のガイドラインでも、飲酒中や飲酒後の運動と入浴は避けるよう示されています³⁾。

翌朝も脱水や動悸が残っているなら、前夜の分を取り返そうと普段以上に追い込まない方がいいです。心肺体力を落とさないための運動は、飲まない日に入れます。

▼酒を飲む人ほど、心肺体力を落としたくない理由

酒を飲む人ほど、VO2maxを捨ててはいけない。(メンバー限定)

会食翌日の血圧と安静時心拍、VO2maxの記録、飲まない日に運動を入れる考え方までまとめています。

検査は、飲酒量と症状に合わせて選ぶ

日常的に飲む人は、AST、ALT、γ-GTPだけでは判断しきれません。血小板やアルブミン、ビリルビン、腹部エコーも合わせ、脂肪肝や線維化の評価が必要かを医師と相談します。フラッシング歴があれば、口腔や食道のリスクも別に考えます。

全員が毎年同じ検査を受ける必要はありません。受診時には飲酒日数だけでなく、1週間の純アルコール量と、1回60g以上になる日が何日あるかを伝えると判断しやすくなります。

100歳まで飲み続けられるか

100歳まで酒を飲みながら元気でいられる人はいます。ただ、遺伝や飲酒量、喫煙、血圧、病気、運が重なった結果です。

誰かが長生きした事実は、自分にも同じことが起きる保証にはなりません。

酒が人生の楽しみなら、惰性で杯を重ねない。一杯ずつ味わい、予定していた量で止める。飲まない日も作る。

自分がこの質問へ渡せる答えは、48時間か72時間かという数字ではありません。週の総量と1回量を減らす。フラッシング歴や離脱症状を見逃さない。酒を続けるなら、まずここです。

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