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【後悔しない家づくり】屋根編 シーズン1:屋根の5大巨塔と「軒の深さ」が家の寿命を決める!?

こんにちは、はぐれゴリラです。

前回までは全16回にわたる「断熱編」(まだ増えるかも…)をお届けしてきました。
読んでいただいた皆さんに感謝いたします。


さて、今回から話の舞台を頭上に移しまして、「屋根」の話をしていこうと思います。

今まで雨仕舞いの記事などで屋根形状の重要性を何度かお話ししてきましたが、より細かく整理していきますのでよろしくお願いします。

家づくりにおいて、間取りや内装にはとことんこだわるけれど、「屋根」はデザインの好みやハウスメーカーの標準仕様でなんとなく決めてしまっていませんか?

実は、屋根のカタチは家の外観を決めるだけでなく、「家の寿命や日々の快適さ、そして将来のメンテナンス費用に直結する超重要ポイント」なんです。

今回は「屋根編 シーズン1」として、日本の住宅を代表する5つの屋根形状と、それとセットで絶対に知っておくべき「軒(のき)」の重要性について熱く語っていきましょう。

1. これだけは知っておきたい!屋根の5大巨塔

まずは、これだけは知らないといけない、よく見かける代表的な5つのカタチ(ゴリラ定義)と、それぞれの裏に潜むメリット・デメリットを押さえましょう。

切妻(きりづま)屋根
【王道にして最強のスタンダード】

本を開いて伏せたような、三角屋根の定番スタイル。

【特徴】
構造がシンプルで雨水が流れやすく、雨漏りリスクが非常に低いです。太陽光パネルも載せやすく、コストと性能のバランスが最も優れた「間違いのない」形状。

【弱点】
妻側(三角の面が見える側)は屋根の恩恵を受けにくく、外壁に雨や紫外線が当たりやすくなります。

お絵描きで左右対称って難しい。


寄棟(よせむね)屋根
【落ち着きと重厚感、全方位ガード】

4つの面から屋根が寄り集まる形状。

【特徴】
建物の4方向すべてに軒(屋根の出っ張り)を出せるため、外壁全体を雨や紫外線から守る能力が最も高いのが最大の特徴です。
外観もどっしりとした落ち着きが出ます。

【弱点】
切妻に比べて構造が複雑になるため、建築コストがやや上がります。面が4つに分かれるため、太陽光パネルを大容量で載せるのには不向きな場合があります。
平屋で採用すると公民館感(通称:公民感)が出てしまいがち。

寄棟は雨漏りしないと思ってないか??
「谷」には気をつけろよ。


片流れ(かたながれ)屋根
【スタイリッシュさの裏に潜む罠】

一方向だけに傾斜がついた、現代的でスタイリッシュな屋根。
非常に人気で僕の家もこの家に囲まれています。

【特徴】
デザイン性が高く、南向きに大きな屋根面を作れば太陽光パネルをドカンと載せることができます。

【弱点】
実は「一番注意が必要(アマモリスク大)な形状の一つ」です。
片側にしか雨水が流れないため、雨樋に凄まじい負担がかかります。
高い方の壁面には軒がないことが多く、外壁が雨や紫外線に直接さらされ、劣化が早まるリスクがあります。
防水処理が難しく、雨漏りを起こしやすい傾向があります。

以前の記事で使用した片流れ注意ポイント。


招き屋根
【知る人ぞ知る、隠れた実力派】

  切妻の片方を長く、もう片方を短くした形状。

【特徴】
これ、めちゃくちゃ理にかなった優秀な屋根なんです。
風に強く、片流れのように太陽光をたっぷり載せつつ、家の南北(東西)へ軒を出すことができ、雨樋への負担は分散できます。

【弱点】
基本的には切妻屋根と同じです。
北側の外壁が高い方は雨があたりやすいかもしれません。

※「差掛け屋根」とは少し違います。
差掛け屋根は、長い屋根と短い屋根を段違いに組み合わせたものです。
構造上、防水の難易度が上がると考えられます。

招き屋根ならではの大屋根もできる。


陸屋根(りくやね/ろくやね)
【現代のロマン大砲。代償は高くつく!?】

  屋上が平らになっている、キューブ型住宅などでよく見る形状。
妙に鉄骨住宅で見る気がする。ハーイ

【特徴】
屋根が平らなので、屋上庭園やバルコニーとして活用できるという、男のロマンが詰まっています。
外観も四角くて非常にモダン。

【弱点】
木造住宅においては「雨漏りリスク最強のヤバいやつ」です。
水が自然に流れ落ちないため、防水層の劣化が即・雨漏りに直結します。10〜15年ごとの高額な防水メンテナンスが「絶対に」必要(そう考えた方がいいです。)で、軒もゼロになるため外壁の劣化も最速で進みます。

アマモリスク最高潮だと思うフラット屋根。


2. 形状選びと同じくらい重要!「軒の出」の深さが家を救う

屋根のカタチを決める際、絶対にセットで考えてほしいのが「軒の出(軒の深さ)」です。
軒とは、外壁よりも外側に出っ張っている屋根の部分のこと。

最近は軒が短い、あるいは全くない「軒ゼロ」のキューブ型住宅なども人気ですが、家の性能と寿命の観点から見ると「軒は出せるなら出した方が絶対に良い」というのが結論です。
理由は大きく2つあります。

1. 日射遮蔽(夏の暑さを防ぎ、冬の暖かさを取り込む)

  深い軒は、夏の高い位置からの強烈な直射日光をパシッと遮ってくれます。
これにより、室内の温度上昇を抑え、エアコンの効きが格段に良くなります。

逆に、冬は太陽の位置が低くなるため、深い軒があっても暖かい日差しを室内の奥まで取り込むことができます。まさに計算し尽くされたパッシブデザインです。

軒はほどほどにあった方がいい。


2. 外壁の保護(雨水と紫外線から家を守る傘)

軒が出ていることで、外壁に直接雨や紫外線が当たるのを大幅に防げます。これだけで、外壁の汚れやコーキング(目地)の劣化スピードは劇的に変わり、将来の何百万円というメンテナンス費用をグッと抑えることにつながるのです。


3. 【結論】複雑なカタチは「アマモリスク」を跳ね上げる!

最後に、今までもう100万回くらい言いましたが、初めての方はこれだけは覚えて帰ってください。

「形状が複雑になればなるほど、雨漏りリスクは増大する」という事実です。

1階と2階の屋根が入り組んでいたり、複数の屋根がぶつかり合うような「谷」ができる複雑なデザインは、見た目は豪華かもしれませんが、自ら雨水の抜け道を塞ぎ、雨漏りの原因を作っているようなものです。

屋根の弱点は「面」ではなく、面と面が合わさる「継ぎ目」に集中します。
(先程の差掛け屋根が構造上難しいというのはこういう理屈があります。)

「屋根はシンプル・イズ・ベスト!」
これが、雨漏りに怯えずに長く安心して暮らすための大原則です。それぞれの形状のメリット・デメリットと、軒の重要性を理解した上で、極力シンプルな屋根を目指しましょう。

次回、「シーズン1.1」です。
法規制のせいで無理やり生み出されてしまった「断熱・気密の超・難所(いっそのこと寄棟にしろよ!と言いたくなる屋根たち)」について、震えながら解説します。

震えて待て。

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