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【シーズン2・第2章】意匠に全振りした猛者たちへ。ロマンと狂気の「超重量級」外壁材

こんにちは、はぐれゴリラです。


最近現実世界のゴリラに不具合がありまして、しばらく更新の頻度が減るかもしれません。
ですが、歯周病治療のようにゆっくり、しかし確実に記事を作成していくつもりですので今後ともよろしくお願いします。



さて、前回は、日本の住宅の大多数を占める「サイディング」と「ガルバリウム鋼板」の裏側をお伝えしました。


これらは比較的「軽い」素材であり、家にかかる負担が少ないという構造上のメリットがありました。

しかし、今回紹介する外壁材は次元が違います。

圧倒的な美しさと引き換えに、家に凄まじい負荷をかける「超重量級」のモンスターたちです。

この章を読む前に、一つだけ絶対的なルールを叫ばせてください。

「重い外壁を採用するなら、絶対に『許容応力度計算(構造計算)』をしろ」ということです。

頭の重い人間が走るとフラフラするように、重い外壁をまとった家は、地震の時にとんでもないエネルギーで揺さぶられます。

地震大国日本において、法律ギリギリのどんぶり勘定(壁量計算)でこれらの外壁を採用するのは、自殺行為に等しいです。

それを踏まえた上で、ロマンと狂気の重量級素材たちを解剖していきましょう。

1. 永遠の憧れ「タイル」

高級住宅の代名詞ですね。土や石を焼き固めたもので、傷にも強く、紫外線による色あせもほぼありません。
よく「メンテナンスフリー」素材として挙げられることが多いですよね。

タイル「自体」はメンテナンスフリーというのは本当です。

しかし、タイルには「重い」「高い」という物理的な暴力が伴います。
家全体にタイルを貼ると、サイディングの数倍の重さが家にのしかかります。

そのため、地震に耐えるためには柱や耐力壁を増やす必要があり、結果的に間取りに制限が出たり、構造体へのコストが跳ね上がったりします。

タイルの家ってカッコいい。
とても邸宅感が出る。


ゴリラの警告:タイルは無敵でも「目地」は死ぬ

「タイルはノーメンテだから元が取れる!」と営業マンは言いますが、騙されてはいけません。

タイル自体は無敵でも、タイルを貼り付けている下地や、窓まわりの「コーキング(目地)」は必ず劣化します。

結局10〜15年スパンで足場を組んで目地のメンテナンスが必要になるため、完全にメンテナンスフリーな外壁など存在しないのです。

2. 職人の芸術「塗り壁・吹付」

継ぎ目(目地)が一切ない、シームレスで美しい仕上がりが最大の魅力です。

コテで模様をつけるか、機械で吹き付けるかの違いはありますが、現場で職人が仕上げる「湿式工法」という本質は同じです。

昔は「モルタル+ラス網」という激重でひび割れしやすい工法でしたが、最近は専用のパネル下地の上に塗る「大壁工法」が普及し、重さもクラック(ひび割れ)のリスクもかなり軽減されました。

ゴリラの警告:汚れと「再塗装の呪縛」

塗り壁最大の闇は、汚れとメンテナンスの宿命です。
実は塗り壁も、素材そのものではなく表面の塗膜(トップコート)で必死に水を弾いています。

表面に細かな凹凸があるため、排気ガスの汚れや砂埃、そして窓枠から垂れる「黒い雨だれ」が信じられないほど目立ちます。
特に真っ白の塗り壁は、数年で涙を流したような黒い筋がつきます。

そして、表面の撥水性が切れると一気に水を吸い始めます。
どんなに下地が進化したとしても、地震で家が揺れればいつかはクラックが入ります。
そこから水が侵入するのを防ぐため、結局10〜15年で上から再塗装(足場代ドーン)という負の連鎖からは逃れられません。

3. 水に溺れるコンクリート「ALC(ヘーベル板)」

都市部の住宅や、ヘーベルハウスでお馴染みの「軽量気泡コンクリート」です。

コンクリートの中に無数の気泡が入っており、断熱性、遮音性、そして何より圧倒的な「耐火性」を誇ります。

隣の家が火事になっても、ALCなら燃え移るのを防いでくれます。

ゴリラの警告:塗装が切れたら「巨大な軽石」

ALCの「軽量」という言葉に騙されてはいけません。
あくまで「普通のコンクリートよりは軽い」だけで、外壁材としてはゴリゴリの重量級です。

だいたい1平米あたり「軽めのおっさん1人分」くらいの重さです。
…わかりにくいですね。60〜70kgくらいと思ってください笑

そして最大の闇は、ALC自体は恐ろしく水に弱いということです。

気泡だらけの構造なので、表面の塗装(防水)が切れた瞬間、「水を無限に吸い込む巨大な軽石」と化します。

雨水を吸い込んで内部の鉄筋がサビて爆裂する前に、絶対に塗装と目地のメンテナンスをし続けなければならない、非常に手のかかるわがままボディ素材です。

4. 重戦車「陶器外壁」

最後に紹介するのは、積水ハウス(シャーウッド)の代名詞「ベルバーン」に代表される、「陶器外壁」です。

性能的にはタイルの一種とも言えますが、なんと「陶器(お茶碗などと同じ焼き物)」でできています。

要は「瓦」を屋根材ではなく外壁材にしたものと思ってください。

意匠性は圧巻の一言。
僕もこれにしたかった…
そして凄まじい耐久性を誇り、経年劣化を寄せ付けません。

ゴリラの警告:究極の防御力と引き換えの「呪い」

この素材の闇は、その「重さ」と「硬さ」にあります。
ただでさえ重いタイルを凌駕する超重量級のため、例えば、積水ハウス(シャーウッド)のような強靭な構造躯体(と莫大なコスト)がなければそもそも支えきれません。

さらに、焼き物ゆえに異常なほど硬く、「後から加工ができない」という呪いがかかっています。

引き渡し後に「ここに防犯カメラを付けたい」「エアコンの配管の穴を開けたい」と思っても、硬すぎる故に町の電気屋さんが穴を開けられず、そもそも断られる可能性もあります。

何かあれば高いお金を払ってハウスメーカーを呼ぶしかない、完全な囲い込み素材でもあります。

ちなみに僕は積水ハウスの家ではないので「ベルバーン」は使えませんが、陶板外壁を扱っているメーカーに工務店を通して問い合わせはしました。

「外壁全面につかう?正気か?」っていうようなリアクションだったので普及はしていないのでしょう笑
僕ももちろん断念しました…


まとめ:重さは「罪」か「ロマン」か

タイル、塗り壁、ALC、ベルバーン。
これらはどれも、初期費用が跳ね上がる高級素材です。

そして、その重さを支えるために、見えない「構造(骨格)」にも莫大なお金をかける必要があります。
(しっかりとした耐震性のある家を作るなら。)

重さを乗り越えて意匠に全振りする猛者たちは、ぜひ「許容応力度計算」という盾を構えた上で、これらの「ヘビー級王者」に挑んでください。

さて、王道から重量級までを解剖してきましたが、次回第3章は「特殊編」です。

「Sto(シュトー、塗り壁の親戚)」「樹脂サイディング」「焼杉」。

いくつかは僕も検討しましたが、普通の家づくりではあまり聞かないような外壁に触れていきます。

震えて待て。


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