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【外壁編シーズン2・第1章】激突!外壁の王者とダークホース。サイディングとガルバの真実

こんにちは、はぐれゴリラです。

前回「シーズン1.5」では、外壁の裏側に潜む「胴縁(下地)」と「通気層の窒息」という、目に見えない骨格の闇についてお話ししました。

まだ読んでいない方は、必ずそちらを読んでからこの記事に戻ってきてください。

裏側の仕組みを知らずに外壁材を選ぶのは、歯の構造を知らないのに被せ物の素材で迷う歯科医師と同じようなもんです。

さて、裏側の世界を理解していただいたところで、いよいよ今回から「外壁材バトル」を開幕します。

第1章は、日本の住宅の大多数を占める「絶対王者」と、近年爆発的に増えている「スタイリッシュなダークホース」の激突です。

それぞれのメリットはもちろんですが、今回も当然「営業マンが言わないであろう闇と弱点」を洗い出していきます。

1. 絶対王者:窯業系(ようぎょうけい)サイディング

現在、日本の住宅の7〜8割で採用されている外壁材の王様です。

セメントと繊維質を混ぜて板状にしたもので、レンガ調、木目調、石積み調など、とにかくデザインが豊富で初期コストが安いのが最大のメリットです。
迷ったらこれ、という王道ですが、当然ながら致命的な弱点があります。

ちなみに窒素(ちっそ)系サイディングじゃないですよ?
(以前どこかの記事で書きましたが。公的機関の文書にも「窒素系」と記載されていました…笑)

注意点①:板そのものに「防水性」はゼロ

窯業系サイディング最大の問題、それは「板自体には防水効果が全くなく、表面の『塗装』だけで必死に水を弾いている」という事実です。

主成分はセメントです。つまり、経年劣化で表面の塗装が剥がれると、ただの「水を吸うただの巨大なスポンジ」と化します。

雨水を吸って膨張し、晴れて乾燥して収縮し、冬には吸い込んだ水分が凍って爆発する(凍害)。

これを繰り返すと、板そのものが反り返ってボロボロに崩壊します。
(実例は出せないので、サイディングの反りで検索してもらうとたくさんみることができます。)

10年後には塗装が切れてくるので、「定期的な外壁塗装」という逃れられないランニングコストが隠れています。

注意点②:コーキングは絶対に「高耐候」に課金しろ!

実は板本体だけではなく、板と板を繋ぐ「目地(コーキング)」からも死んでいきます。

標準仕様の安いコーキングは、紫外線にやられて約10年でひび割れ、そこから雨水が侵入します。

「10年後に打ち替えればいいじゃん」と思うかもしれませんが、外壁のメンテナンスには「足場代」だけで数十万円が吹っ飛びます。

ここで効いてくるのが高耐久シーリングと高耐候のサイディングです。

ここに課金することで、本来発生するメンテナンスサイクルを引き延ばすことができます。

外壁は面積が大きいので、ちょっとの変更で金額も大きく変動します。

しかしここで初期費用をケチると将来の足場代で爆死します。

窯業系を選ぶなら、耐久性に課金する。
これが結果的にコスパが1番良いのです。

我が家のコーキング。高耐候で少なくとも10年以上持つはず。
しかし外壁の塗装はやってくる…


ゴリラの警告:シーリングレス(四方あいじゃくり)の罠

「コーキングが劣化するなら、最初から目地がないサイディング(四方あいじゃくり)にすれば最強じゃん!」

最近流行りのシーリングレス外壁ですね。

板同士をパズルのように噛み合わせるため、目地が目立たず本当に美しい仕上がりになります。
僕も一時期検討しました。

しかし、工務店を通じて問い合わせてみたところ、なんとメーカー(業者)側から「地震で割れるからやめとけ」と言われたのです(笑)。

目地(コーキング)は、ただの隙間埋めではなく地震の揺れを吸収する「クッション」の役割も果たしています。
(そもそも、目地があって板同士が密着していない、遊びがあるということが大切です。)

クッション(目地)を無くして硬い板同士をガッチリ噛み合わせてしまうと、大地震が来た時に逃げ場を失い、サイディングの板そのものがバキッと割れるリスクが跳ね上がるのです。

2. ダークホース:ガルバリウム鋼板

窯業系サイディングに次いで、最近のオシャレな家で爆発的に増えているのが「ガルバリウム鋼板」です。

金属なのにサビに強く、とにかく「軽い」。

外壁が軽いということは、地震の時に家が揺れにくくなるため、耐震性を考える上では非常に優秀な素材です。

よく、「メンテナンスフリー」なんて言われ方もしますが、当然そんな魔法の素材はこの世に存在しません。

物がぶつかれば簡単に凹みますし、自転車のサビなどが移る「もらいサビ」や海岸沿いでの塩害リスクは金属ならではの弱点です。

しかし、ガルバにおける最大の闇はそこではありません。

ゴリラの警告①:ガルバの「縦張り」は裏側を見ろ!

ガルバを採用する人の多くは、スタイリッシュなストライプ柄になる「縦張り」を選ぶことが多いでしょう。

ここで、前回の「シーズン1.5」を思い出してください。

外壁を「」に張るということは、下地である胴縁は「」に打たなければなりません。

横胴縁……そう、「通気層の窒息リスク」が発動する危険な張り方です。

ガルバの縦張りを採用する場合、見えない壁の中で「二重胴縁」など(最低でも通気胴縁)の確実な通気対策が取られているか。

ここを確認せずにデザインだけで飛びつくと、数十年後に壁の中の釘がサビて外壁ごと崩落する未来が待っているかもしれません。

ゴリラの警告②:家が巨大な「電波シールド」になる

これは金属外壁ならではのマニアックな弱点です。
家全体をすっぽりと金属の板で覆うということは、物理現象として「電波を通しにくくなる(ファラデーケージ効果)」という特性を持ちます。

「家の中のWi-Fiが庭まで届きにくい」
「外の携帯電波が室内に入りにくい」

といった現象が起きる可能性があります。

まあ、実際は「窓ガラス」という巨大な開口部から電波が入ってくるので誤差みたいなものだったりするでしょう(笑)。

とはいえ、理論上は「電波障害」という地味なデメリットがあることは、住宅愛好ゴリラとしては触れておきたいポイントです。

防犯カメラなどは有線式にした方が賢明かもしれません。

まとめ:完璧な外壁など存在しない

王者の窯業系サイディングも、人気のガルバリウム鋼板も、それぞれ素晴らしいメリットがあります。

しかし、「防水ゼロの板とコーキングの劣化」、そして「縦張りによる壁内通気の罠」という弱点から目を背けてはいけません。

メリットだけでなく、その素材が持つ「弱点」をどうカバーする施工(高耐候コーキングや二重胴縁など)になっているか。

それを見極めるのが、真の防衛力です。

さて、第1章では比較的「軽くて扱いやすい」メジャーな2つを解説しました。
しかし、次回は次元が違います。

「タイル」「塗り壁・吹付」「ALC(ヘーベル板)」などなど。

そして、究極の防御力と引き換えに家圧倒的な重量とコストを誇る、積水ハウスの「ベルバーン」に代表される「陶器外壁」

重さとコストが跳ね上がる、ロマンと狂気の「超重量級・外壁材」たちを順番に解剖していきます。

耐震性を犠牲にしてでも意匠に全振りする猛者たちへ。

震えて待て。

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