【断熱Season 5】※前半必読※「C値0.5」でも家が腐る。営業マンが隠す「気密」の闇【ゴリラ・レポート気密編】
こんにちは、はぐれゴリラです。
今回は断熱編シーズン5、気密編です。
気密性は良いことに越したことはありませんが、実はC値だけでは評価できない、「グレー」な部分があると考えています。
今回はそんなお話です。
■ はじめに:この記事の構成について
本題に入る前に、大切なお知らせがあります。
今回の記事、後半部分は有料とさせていただきました。
しかし、失望しないでください。
あくまで断熱編メインコンテンツは前半部分です。
後半有料部分は僕の情熱が暴走したアドバンスだと思っていただき、「変態施主」以外は読み飛ばしていただいてOKです。
まずは、無料部分の「高気密なのに絶望のシナリオ」だけでも、しっかり読み込んで自衛してください。
さて、これまで4つのシーズン(と番外編)にわたり、断熱材の「素材」について語り尽くしてきました。
シーズン初回はこちら↓
しかし、どんなに高価な断熱材を選ぼうが、今回お話しする「あること」を疎かにすると、家は数年で壁の中から腐り落ちます。
いよいよ断熱シリーズもシーズン5。
断熱の永遠の相棒である「気密・防湿」の深い深い闇について、メスを入れていきます。
■ 気密の本当の目的は「隙間風を防ぐ」ことではない
まず、「気密(C値)」の基本的な概念については、以前の基礎編でお話ししました。↓
多くの人が「高気密=冬の冷たい隙間風が入ってこないから暖かい」と思っています。
間違いではありませんが、それはあくまで副産物。
気密性能を高める真の目的。それは、室内の「水蒸気」を絶対に壁の中に入れないこと(防湿)です。
■ 家を殺すサイレントキラー「内部結露」
また出てきますサイレントキラー。
家の中にはたくさん潜んでいます。
冬の家の中は、加湿器や料理、人間の呼吸などで水蒸気がパンパンです。
もし壁に隙間があったら、水蒸気は壁の中へと侵入します。
そして外壁側の冷たい空気に冷やされ、壁の中で「水滴」に変わる。これが「内部結露(壁体内結露)」です。
壁の中で水浸しになった断熱材は重みでズリ落ち、濡れた柱は腐り、シロアリが押し寄せる。
気づいた時には、壁の中はドロドロの地獄絵図です。

外気で冷えた面材裏で「結露」する。
外壁の裏は通気層で、外気が通る。
■ 袋入りグラスウールの「筋交い」という狂気
ここで、日本の家を腐らせてきた元凶、「袋入りグラスウール」の登場です。
メーカーは「袋が防湿シートの代わりになるから安心です」と言います。
しかし、現場はそんなに甘くありません。
特に「筋交い(斜めの柱)」がある場所。
斜めに走る柱がある壁に、長方形の袋入りグラスウールを入れようとすれば、当然そのままでは入りません。
これを「正しく」施工しようとすれば、
一度グラスウールを袋から出す
筋交いの形に合わせてグラスウールを精密にカットして詰め込む
切り刻んだ防湿層(ビニール)を、気密テープで完璧に貼り直す
……ハッキリ言います。家じゅうの壁、コンセント周りなどでこれを完璧にやるなんて、現場からすれば「狂気の沙汰」です。
一箇所でもテープが甘ければ、そこから水蒸気が侵入してアウト。
大工さんの「腕」と「善意」だけに依存するには、あまりにも無理がある欠陥システムなのです。

表の防湿層の耳をしっかりと柱に
止める必要があります。
■ 施主を惑わす「C値の罠」と気密ラインのねじれ
「でも、うちは実測C値0.5の高気密住宅だから、隙間なんてないし大丈夫ですよね?」
そう思いがちですが、ここからが今回の最もディープな「闇」のお話です。
皆さんは「気密ライン」という言葉を聞いたことがありますか?
家の中で「どこで空気を止めているか」という境界線のことです。
諸説あると思いますが、僕の考え方では理想を言えば、気密ラインは断熱材の「室内側」にあるべきです。
室内側でピタッと空気を止めれば、そもそも水蒸気が壁の中に入るのを防げるからです。
しかし、今の日本の主流は、壁の外側に合板を貼る「合板(面材)気密工法」です。
外側の合板にテープを貼るだけで、誰でも簡単に「C値(隙間の少なさ)」の数字を良くすることができます。
ここで、恐ろしい「ねじれ」が起きます。
外側(合板):テープを貼って、C値を「0.5」などの良い数字にする。
内側(室内):面倒くさいから袋入りグラスウールを適当にホッチキスで留めるだけ。
この状態、営業マンはドヤ顔で言います。「実測C値0.5です!高気密住宅ですよ!」と。
……オイコラ!

こうなると…?
屋根との収まりは複雑なので絵では割愛
■ 「高気密なのに家が腐る」という最悪のシナリオ
たとえC値が「0.1」だろうが「1.0」だろうが、室内側の防湿層(ビニール)がガバガバだったら、室内の大量の水蒸気は、何にも邪魔されずに壁の中へと侵入します。
そして、壁の奥で突き当たるのが、外側で完璧に気密処理された「冷え切った合板」です。
壁の中が「密室」になり、逃げ場のない湿気が合板の内側で爆烈な結露を起こす。
これが今回僕の言いたかった、「C値を良くするだけでは壁体内結露は完全には防げない」と言った本当の理由です。
現代の高気密住宅はこの気密ラインが断熱材の表と裏で入り乱れていて、総合評価で「高気密!」となっていることが多いのではないか?と考えています。

迷い込んだ水蒸気は逃げ場がなくなる。
■ 結論:「別張りシート」が絶対正義である
だからこそ僕は、地獄のような手間をかけて「別張り」を選択しました。
裸のグラスウールを壁にパンパンに詰め込んだ後、部屋の内側から「防湿気密シート(ツルツルのビニール)」を壁一面に張り巡らせる。
(ちなみにシート厚は0.2ミリの厚めのものをお勧めします。触ってみるとわかりますが、頑丈です。)
「断熱材」と「防湿層」の役割を完全に分けることで、筋交いがどう走っていようが、シート1枚で上から覆い隠して水蒸気を遮断するのです。
確かに慣れていない工務店では難しいかもしれません。
グラスウールを正しく詰めるのも技術が必要です。
しかし!
袋入りグラスウールで「正しく」施工する手間と難易度に比べたら遥かにマシじゃないでしょうか?

でも袋入りで同じことをやるよりマシ。
■ 結論:絶望の密室から抜け出す「たった一つの道」
では、この構造的な欠陥から家を守るにはどうすればいいのか?
一つは、先ほど言ったように室内側に「別張りシート」を完璧に施工し、そもそも水蒸気を絶対に入れないこと。
しかし、人間が作る以上「絶対」はありません。
我が家も別張りシートを使ってますが、実際は内外で気密ラインが入り乱れているのは間違いないです。
万が一、地震などでシートが破れたり、わずかな隙間から湿気が入り込んでしまったら?
実は、壁の中に入ってしまった水蒸気を「外へ逃がす(呼吸させる)」という、究極の裏技が存在します。
それが、外側に貼る面材(板)の「素材の変更」です。
標準仕様でよく使われる合板を蹴り、僕は”ある特殊な板”に課金しました。
この板を採用するかどうかで、万が一結露リスクに直面した時の「家の生存確率」が天と地ほど変わります。
ここから先は、本気で「数十年後も腐らない家」を建てたい変態……いや、真剣な施主の方だけに向けた有料エリアとさせていただきます。
僕が今回、あえてこの形を選んだのには理由があります。
僕の目的はまず、「リスクの周知」です。
多くの人が知らない「高気密住宅が中から腐る闇」については、すべての施主に知っておいてほしい話なので、無料エリアで出し惜しみなくぶちまけます。
ここまで読むだけでも、あなたの家づくりリテラシーは爆上がりしたはずです。
「具体的な解決策」は変態を目指す人達へ。
僕が何百時間もかけて勉強し、数千万円の自邸で人体実験(?)をし、ようやく辿り着いた「絶望の結露から抜け出すための具体的な建材名と投資戦略」。
これについては、僕の思考に価値を感じてくれる「変態施主仲間」に、熱く伝えたいと思っています。
ハウスメーカーが絶対に教えてくれない、「透湿抵抗」というマニアックすぎる壁の真実。
何社も回りましたがここまで考えている会社は「無かった」と言っても過言ではありません。
もしあるとしたら数は少ないけれど確かに存在する「変態工務店(いい意味で)」だけでしょう。
しかしそんな変態は都合良く見つかりません。
つまり大半の施主は知識をつけて自分で設計に関わるしかないのです。
ここから先は僕が標準の「構造用合板」を蹴り飛ばし、どうしても採用したかった「最強の呼吸する板」の正体と「内部結露に対する考え」を公開します。
※ちなみにこの記事は、僕の住む地域(5地域などの気候、-6℃〜40℃くらいの気温幅)をベースにした戦略です。
スーパー寒冷地(1、2地域)または沖縄の方はまた少し条件が変わるので注意してください。
では、次回のシーズン6「家の断熱の7割をドブに捨てる穴(窓・サッシ)」の闇で、またお会いしましょう。
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