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Road to Aurora land オーロラに導かれし者 1

     1 彼の名はレオン



あらすじ 

 広大な砂漠でひとり生き抜いてきたレオンは、旅の途中で年老いた旅人と出会い、冒険者としての魂が宿る不思議なカーボーイハットを託される。それは、彼の運命を大きく動かす出会いだった。心の奥に眠っていた探求の衝動に突き動かされるように、レオンは新たな旅へと踏み出す。やがて彼は、空に浮かぶ神秘の大地「オーロラランド」の存在を知る。そこには、失われた調和と生命の秘密が眠っているという――。彼の名はレオン。孤独と希望を背負い、まだ見ぬ光の世界へと向かう、壮大な冒険の幕が上がった。



 乾いた土の匂いがした…



ヒョウモントカゲモドキのレオンは、生まれたばかりのその小さな体で本能的に地を這った。

故郷は、見渡す限りの砂と岩に囲まれた、厳しくも美しい砂漠のオアシスに近い場所だった。
太陽は容赦なく照りつけ、夜は身を切るような冷気が全てを覆う。
生命が芽吹き、生き残ることが、何よりも優先される世界。
レオンは、他の兄弟たちと同じように、岩の隙間に身を隠し、夜の帳が降りるのを待った。
家族や仲間たちは、みな地面ばかりを見つめていた。
小さな虫の這う音に耳を澄まし、獲物を探すことに全神経を集中させていた。
それが、彼らが何世代にもわたって培ってきた、生きる術だった。

しかし、レオンは少し違った。
幼い頃から、彼の視線はしばしば、地平線の彼方、そしてその上の広大な空へと吸い寄せられた。

漆黒の夜空に瞬く無数の星々は、幼いレオンの好奇心を刺激してやまなかった。

砂漠の彼方には、一体何が広がっているのだろう?



この星空の下に、どれほどの秘密が隠されているのだろう?

そんな漠然とした疑問が、彼の心に常に存在していた。
特に彼の心を掴んで離さなかったのは、ごく稀に、遥か北の空に現れる、淡く揺らめく光の帯だった。
それはまるで、夢か幻のように頼りない光だったが、レオンの心には強く焼き付いていた。

「あれはなんだろう?あの光の元には、どんな場所があるのだろう?」

成長するにつれて、レオンは仲間たちとの間に、言葉にならない隔たりを感じるようになった…
彼らは現実的で、日々の生存にしか興味がないようだった。
レオンが星や、あの謎の光について語ろうとしても、彼らは

「そんなことより、今日の獲物だ」

「夢を見ている暇はない」

と、諭すように言うだけだった。
孤独を感じることもあったが、それでもレオンの心の中には、あの光への憧れと、未知への探求心が静かに燃え続けていた。
砂漠での生活は、常に危険と隣り合わせだった。
飢え、乾き、そして捕食者。
何度か死の淵を彷徨ったこともあった。
しかし、そんな困難を乗り越えるたび、レオンは不思議と、自分の中に強靭な意志と、何かに導かれているような感覚を覚えるようになった。
それは、彼の内なる声であり、あの光が彼を呼んでいるのだと、漠然と感じ始めていた。


 ある満月の夜のことだった。
レオンはいつものように岩の上で夜空を見上げていた。

その時、彼の目に飛び込んできたのは、これまで見たこともないほど強く、鮮やかに輝く、あの光の帯だった。
緑と紫の光が、天空で踊るように揺らめき、まるで自分を手招きしているかのようだ。
そして、その光の中から、レオンの心に直接響くような、しかし言葉にはならない

    「来い!」

という声が聞こえた気がした。
それは、幼い頃から彼の心を捕らえていた疑問全てに対する、明確な答えのように思えた。

    「行こう!」

レオンは決意した。
故郷を離れ、この砂漠の全てを捨ててでも、あの光の源へと向かおうと。彼はその夜、ほとんど眠らなかった。
翌朝、まだ薄明かりの中、仲間たちが深い眠りについている間に、レオンは静かに、しかし確かな足取りで巣穴を出た。
背後には、見慣れた岩陰の巣穴と、彼が生まれ育った砂漠が広がっていた。
しかし、レオンの視線はすでに、遥か北の空で微かに輝く、オーロラの残光へと向けられていた。

彼の新たな旅が、今、まさに始まろうとしていた。

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