黄泉のツガイを見て『現代和装』の可能性を考えた
和風ファンタジーが始まると思ってた
黄泉のツガイを見始めた時、私はてっきり「和風ファンタジー」が始まるのだと思っていた。
山奥の東村。閉ざされた集落。和装のような衣装。どこか禍々しい村の気配。
こういう世界観、私はかなり好きだ。
特に東村の服の描き方が良かった。
豪華絢爛な“映える和装”ではなく、片田舎の農村のような地味な色味。袖丈も長くなく、筒袖のような実用寄りの形に見える。
「ああ、この人たちはこの服で生活してるんだな」と思える描写だった。
和風作品の服って、時々“コスプレ感”が強すぎる事がある。
でも黄泉のツガイ序盤の東村は、ちゃんと生活感があった。
東村の服に感じた“現代素材”感
その中で気になったのが、ダンジのインナーだ。
着物の下に着ている服が妙に身体に密着して見えた。
最初は「どういう構造なんだこれ?」と思った。
でも見ているうちに、もしかして現代素材なのでは?と思うようになった。
東村は完全に外界から断絶しているわけではなく、デラさんのように下界と行き来している人物もいる。
そう考えると、現代の布地や素材が少しずつ入っていても不自然ではない。
もし伸縮性のあるニット素材が使われているなら、あの身体に沿う感じにも妙に納得がいく。
私はこの辺りを見ながら、
「これ、現代でも違和感なく着られる和装のヒントになるのでは?」
と思っていた。
……思っていたのだ。
なのに。
ユルが下界に行った瞬間にパーカーとジーパンとサンダルである。
おい!!!!!!!
和の世界広がるんじゃなかったのか!!!!!
もっとこう、和装と現代服の融合とかあるだろ!!!!!!
と、ちょっと本気で思った。
もちろん、現代日本で目立たない格好をするなら合理的だ。
合理的なのは分かる。分かるけども。
私はあの東村の服の延長線上にありそうな“現代和装”をもっと見たかった。

犬山城で見た“現代和装”
そんな事を思っていた矢先、先日愛知県の犬山城で「着物でジャック」というイベントに参加した。
着物姿で集まって写真を撮るイベントで、撮影後に城内へ入ったのだけど、並んで待っている時、前にいた参加者の服装に妙に目を奪われた。
黒いニット生地のような着物。
袖はジャージほど細くはないが、脇や袖の振りは塞がっていたが、かなり動きやすそうな構造だった。
袖口はリブニットのようにきゅっと締まっている。
後ろ姿しか見えなかったが、背中には掠れた紋が入っていた。
おそらくステンシルか何かで後付けしたものだと思う。
現代版の黒紋付き、という感じだった。
しかも、それが全然浮いていなかった。
観光客の洋服の人達と並んでいても違和感がない。
でもちゃんと「着物」だった。
私はそれを見て、
「あ、こういう方向なのかもしれない」
と思った。
黄泉のツガイの東村で感じた、現代素材と和装の混ざり方。
あれは案外、現実でも成立する感覚なのかもしれない。
それでも和装キャラを追ってしまう
正直、黄泉のツガイは思ったより早く現代バトルものになってしまったので、今後あまり和装を楽しめない可能性は高い。
それでも左右様や影森家の当主、やまはおばぁなど、わずかに残る和装キャラを楽しみにしながら見ていこうと思う。
そして私は多分これからも、
「布を巻いて着る服」の可能性を、あれこれ考えながら生きていくのだろう。
最後まで読んでくれてありがとう。
和装や布を“着る文化”として見るのが好きなので、ついアニメや漫画でも衣装ばかり見てしまう。
他にも、着物や現代和装、和風作品について綴った記事を書いているので、もし興味を持ってもらえたら他の記事ものぞいてもらえると嬉しい。
これからも、木綿や麻、現代和装や和風ファンタジーなど、「巻いて着る服」の魅力をのんびり語っていこうと思う。
