🇺🇸トランプ関税と越境EC & Shopeeの関税
アメリカのドナルド・トランプ大統領は、追加関税など保護主義的な政策方針を掲げる一方、減税や規制緩和といったビジネス環境整備にも取り組む意向で、それらの政策が米国関連のビジネス活動にどのような影響を与えるか注目されております。なかでも、関税は二転三転、米中貿易戦争の様相を呈し、世界中が振り回されています。本記事ではトランプ政権の関税が対アメリカへの越境ECに及ぼす影響、そして、東南アジア・台湾最大級のECモール「Shopee」各マーケットの関税・諸税を紹介します。
1. そもそも関税とは?
国が輸入品に対して課す税金で、目的は国内産業を保護したり、政府の収入を増やしたりすることです。関税が課されると、輸入品の価格が上がるため、消費者はより高い価格を支払うことになります。つまり、購入者負担となります。これにより、国内で生産された同様の製品が競争力を持つことができます。また、関税は国・地域、商品カテゴリによって税率は異なります。
2. 世界各国の関税率(World Tariff)
米国FedEx Trade Networks社が有料で提供している世界の関税率情報データベース「World Tariff」ですが、ジェトロと同社との契約で、日本の居住者は誰でも、同社のサイトから無料で「World Tariff」を利用可能です。

3. アメリカ トランプ関税
すべての国・地域同様、一律10%の追加関税が適用され、日本に関しては、国・地域ごとの関税は24%追加、自動車、鉄鋼・アルミニウム等の品目別の関税は25%の追加関税を実施。ただし、4/10~7/9の90日間は相互関税措置は停止となっております。
これらにより、アメリカでは、国内の物価高、節約志向から景気の悪化。また、中国ではアメリカと互いに100%超の関税を課すことにより、世界中でアメリカへの輸出減少、世界中の景気悪化が懸念されております。日本も節約志向から、スーパーマーケット等の売上減少、雇用・採用の減少、ホテル・外食等の訪日観光客の減少、賃上げ・ボーナス抑制等により、業績悪化が懸念されております。
4. アメリカ 関税特例措置(越境EC)
アメリカには「デミニミス(非課税基準額)ルール」という、一定額以下の小口貨物への関税を免除し、輸入申告も簡素化する特例措置があります。「800ドル免税ルール」で、個人輸入として、1回の注文が800ドル以下であれば、関税がかかりません。
本来の目的は、通関手続きにかかる政府の負担軽減にあり、2016年に基準額が200ドルから800ドル(約114,000円)に引き上げられました。しかし、中国からアメリカに向かう小口貨物が数年前から激増し、デミニミスルールが適用された貨物は2015年には1億3900万個でしたが、2024年には13億個を超えました。これらは日本でもプレゼンスを高めている中国の激安EC「TEMU」、「SHEIN」等がアメリカ市場でも急激に業績を伸ばしているためです。
5. アメリカ 関税特例措置(時系列)
こうした背景により、トランプ政権以前のバイデン政権時代から中国に対して、対抗措置を講じていました。中国に対してはデミニミスルールの適用は終了し、2025年5月2日以降、関税が課されることとなっております。本日現在、日本に対してはデミニミスルールの適用は継続されております。
2024/03/29:米税関、繊維・アパレルの少額貨物輸入増加を問題視
2024/09/17:バイデン米政権、デミニミス利用した不公正な輸入に対処する新たな措置発表
2025/01/29:米税関、少額輸入貨物の簡易通関制度を厳格化する規則案を発表、パブコメ募集
2025/04/03:トランプ米大統領、世界共通関税と相互関税課す大統領令を発表
2025/04/04:トランプ米大統領、中国に対するデミニミスルールの適用を終了する大統領令を発表
6. Shopee 各マーケットの関税・諸税
各マーケットの関税・諸税について
日本から各マーケットへ到着した商品について、輸入品に対しては、各国・地域の関税法で定められた輸入手続きが執り行われます。課税される総額は、一回のオーダーのうち、課税対象となる品目の合計金額となります。
輸入関税の課税基礎はCIF価格。Cost=Shopee販売価格、Insurance=保険(実費)、Freight=運賃となり、Shopee販売価格が下回っていても、合計で免税枠を超えた場合は課税になり、CIFの合計金額×税率で課税されます。
その評価額に基づき、輸入に伴う関税、税金、VAT(付加価値税)や通関手数料などの諸手数料が課される場合、それらを支払う必要があります。一方、関税対象額以下の場合は、免税枠として取り扱われます。
🇸🇬シンガポール(SG)
1回のオーダー当たりの購入者の購入限度額:適用外
関税対象額:適用外
関税・諸税負担者および支払い方法:
【関税】セラー負担となりますが、基本的に0%。Shopee日本越境で販売対象外であるアルコールなど4品目のみが課税対象のためです。
【諸税】購入者負担となります。全ての商品に対して、9%のGST(物品・サービス税)が購入者へ課税され、商品価格に自動で上乗せされ、精算時に引かれます。
🇹🇼台湾(TW)
1回のオーダー当たりの購入者の購入限度額:
・自宅配送:20,000 TWD(=約94,000円)
・SPX COD:18,000 TWD(=約84,600円)
関税対象額:台湾・ドル 2,000 TWD(=約9,400円)
関税・諸税負担者および支払い方法:
【関税およびVAT】購入者負担となります。購入者がKYC認証をして、税関申告アプリケーション「EZ WAY」を通じて申告。申告金額に基づいて支払います。
🇲🇾マレーシア(MY)
1回のオーダー当たりの購入者の購入限度額:適用外
関税対象額:マレーシア・リンギット RM 500(=約17,000円)
関税・諸税負担者および支払い方法:
【関税】セラー負担となります。発生した場合、数か月の売上金(残高)から精算されます。
【諸税】500 RMを超えない低額商品(Low Value Goods = LVG)は10%の課税で、購入者負担となります。非低額商品(Non Low Value Goods=NLVG)の売上税はセラー負担となります。
🇹🇼タイ(TH)
1回のオーダー当たりの購入者の購入限度額:30,000 THB(=約132,000円)
関税対象額:タイ・バーツ 1,500 THB(=約6,600円)
関税・諸税負担者および支払い方法:
【関税】セラー負担となります。発生した場合、数か月後の売上金(残高)から精算されます。
【諸税】
・1,500 THB 未満の場合、購入者負担。LVG税 : 税関申告価格(CIF)の7%が発生します。
・1,500 THB 以上の場合、関税含めてセラー負担となります。商品カテゴリーに応じて、税関申告価格(CIF)の10%~の関税と、7%のGST(物品・サービス税)が発生します。
🇵🇭フィリピン(PH)
1回のオーダー当たりの購入者の購入限度額:適用外
関税対象額:フィリピン・ペソ 10,000 PHP(=約26,000円)
関税・諸税負担者および支払い方法:
【関税および諸税】購入者負担となります。VATは12%。ただし、10,000 PHP以上の場合のみ発生するので、発生していないケースがほとんどとなります。
🇻🇳ベトナム(VN)
1回のオーダー当たりの購入者の購入限度額:100万 VND(=約6,000円)以上
関税対象額:ベトナム・ドン 100万 VND(=約6,000円)
関税・諸税負担者および支払い方法:
【関税および諸税】セラー負担となります。発生した場合、数か月後の売上金(残高)から精算されます。
🇧🇷ブラジル(BR)
1回のオーダー当たりの購入者の購入限度額:50 BRL(=約14,000円)
関税対象額:ブラジル・レアル 購入金額に関わらずすべて対象
(50 USD(=約7,600円)以下か超えるかで税率は異なる。)
関税・諸税負担者および支払い方法:
【関税およびICMS(商品流通・サービス税)】購入者負担となります。
・購入金額が50 USD以下:20%の関税と17%のICMS
・購入金額が50 USDより大きい:60%の関税と17%のICMS(関税部分に対して20 USDの減免あり)
まとめ
今のところ、日本からアメリカへの越境ECにおいての関税、直接的な影響は小さいと思われますが、間接的には影響が大きく及ぼすものと考えられます。リスクヘッジするうえでも、成長著しい、東南アジア・台湾最大級のECモール「Shopee」への出店をご検討されてはいかがでしょうか。
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