放置しないで。今すぐ予防できるヘッドホン・イヤホン難聴
ヘッドホンやイヤホンは、
今の生活に欠かせない存在です。
仕事中、移動中、家事の合間。
音楽やポッドキャストを聴いている人も多いと思います。
実際、この記事を書いている今も、私はAirPodsで音楽を聴きながら文章を書いています。

イヤホン自体が悪いわけではありません。
問題になるのは、使い方です。
ヘッドホン・イヤホン難聴とは?

ヘッドホン・イヤホン難聴は、
大きな音を長時間聞き続けることで起こる感音難聴です。
特徴は、
急に聞こえなくなるわけではない
両耳で、ゆっくり進む
耳鳴りなど軽微な症状で、本人が気づきにくい
という点です。
「聞こえてはいるけど、言葉がはっきりしない」
「人混みだと聞き取りにくい」
外来では、そんな訴えが増えています。
リスクは「音の大きさ × 時間」で決まる
ヘッドホン・イヤホン難聴のリスクは、
音の大きさ(音圧)と、どれくらいの時間聞いているかで決まります。
**WHO(世界保健機関)**では、
成人:80dBで1週間あたり40時間
若年者(15〜34歳):75dBで1週間あたり40時間
を、難聴にならないための許容基準としています。

ただし、
「40時間未満なら安心」という意味ではありません。
音の大きさ(音圧)が3dB大きくなるごとに、許容される時間はおよそ半分になります。
たとえば成人の場合、
80dB:40時間
83dB:20時間
86dB:10時間
と、許容時間は一気に短くなります。
日耳鼻の啓発資料が示していること
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 では、
ヘッドホン・イヤホン難聴について、
一般向けにわかりやすい啓発資料を公開しています。

そこでは、
音が大きいほど、安全に聞ける時間は短くなる
長時間の使用はリスクが高い
「聞こえている=安全」ではない
という点が、図を使って示されています。
数字で見るとわかりやすいですが、
結論はとてもシンプルです。

できるだけ音量を下げること。
できるだけ連続使用を避けること。
※iPhoneなど一部の機種では今聞いている音量のdB と時間を簡単にチェックできます。一度チェックしてみることをおすすめします。
今すぐできる予防ポイント

① 音量は控えめに
目安は最大音量の6割以下(具体的には60〜70dB未満程度)
周囲の音が完全に消える音量は要注意
② 長時間使い続けない
1時間使ったら、耳を休ませる
耳鳴りや詰まり感を感じたら、その日は中止
③ ノイズキャンセリングは推奨
周囲の騒音を下げることで
無意識に音量を上げるのを防げるただし、音量を上げたままでは意味がない
耳鼻科医として伝えたいこと

一度傷ついた内耳の細胞は、
完全に元に戻すことができません。
でも、
早く気づいて
使い方を見直せば
進行を止めることはできます。
大切なのは、
使わないことではなく、
どう使うかです。
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