Loveless / My Bloody Valentine (1991)
シューゲイザーの金字塔と言われることが多いが、ぼくはロックの、いや音楽史に残る金字塔だと思ってる。
初めて聴いたのは、大学2年生の19才だったと思う。轟音ギターが気持ちいいなぁが第一印象だったが、そのうち何か特殊な快楽物質でも出ているかのような気分になってきて、何度繰り返したか分からないぐらい聴いた。

@新木場stadio coast 2013/2/8

@新木場stadio coast 2013/2/8
19の夏にlovelessを初めて聴いてから約12年、この日をどれだけ待ってたことか。新譜(22年ぶり!)もサイコーだったし、ボク生きててよかったデス(笑)
めくるめく官能の轟音ギターを楽しんできます(耳栓持参)
ライブが終わって帰る途中だけど、耳鳴りが凄い。轟音でシャツの襟が揺れてた笑。なにかがデトックスされた気分。マジでちょっと泣いた。
・まずはこの轟音のギターとノイズ。どんなに爆音で音を出してもうるさいと感じないことに驚く。空間系のエフェクター(ディレイ、リバーブ)を多用してるんだろうけど、それだけじゃない色んな音響処理がされているらしく、微妙に違う演奏やチューニングを多重録音したりしてるらしい。
・音がぐわんぐわんしてて脳みそを揺らされる感覚がする。これはトレモロアームを多用しているせいだと思うが、KID A / RADIOHEAD (2000) でも似た感覚を感じた。
普通の楽器なら音階がド、レ、と離散的に変わるのが、ド→レと連続的に変わるからだと思う。
それをKID Aではパソコンで、マイブラはトレモロアームで実現していると思う。
・歌は聞こえるけど、歌詞はほとんど聞き取れない。けれど、メロディがいいから耳に残る。歌詞を読んでも抽象的な言葉ばかりで何か思想性や社会的なメッセージがあるようなものではないな、と。まぁこれだけ音の主張が強いので、歌詞まで哲学的だったらお腹いっぱいになりそう。
・このアルバム制作に約2年、約20万ポンド(現在価値で数千万円)の時間とお金がかかったらしく、インディーズレーベルとしては破格だったそう。所属してたクリエーションレコードは経営が傾くほどで、大手と提携をしつつなんとか生き延びた。その後オアシスを発掘して復活することになるのも胸熱。
ちなみに結婚してからウチのスピーカーでは流せてないです。触りだけかけたことあるが、嫁さんも子供もノイズの拒否反応が凄かった。まぁしょうがないかなと思いつつ、いつかこの感動が分かち合えたらなぁ。
・4曲目 To Here Knows When
この曲を初めて聴いた時は衝撃的だった。後ろで鳴っているのはフィードバックノイズ。このノイズって簡単に言うと、
①アンプから音が出る。②その音が弦を振動させる。③振動がピックアップへ。④ピックアップで拾った音は増幅されアンプから出力。①に戻る
と言った具合の文字通りノイズで、普通はこれを無くすためにどうするか考えるものなのだが、このフィードバックノイズの音の高低をコントロールして曲の伴奏にしている。これって狂気の沙汰としか思えない。
ぼくが思いつくだけでも、
→どんなアンプにするか
→ギターの弦のチューニングをどうするか
→ピックアップの種類は
→ギターとアンプの間にどんなエフェクターを咬ますか
→どんな空間で音を鳴らすか(周囲からの反響をどうするか)
→ギターとアンプの距離や角度を数cmレベルで調整
などなど。ぼくが知らない変数もあるだろうし。
そして何よりも、物凄く美しい曲になっているのがすごい。アンビエントミュージックの創始者と言ってもいいBrian Eno が絶賛したそうだが、それも納得の環境音楽の傑作だと思う。
・8曲目 Sometimes
このアルバムのなかでは比較的歌モノ。でも、歌の後ろでゴォーーと鳴っているギターに注目すると、普通の曲ではないことがよく分かる。
Lost in Translation (2003)にて印象的な場面で使われていて、それからというもの、あの夜の東京のネオンにピッタリと重なってしまって、あの映画見る前はどんな印象だったのか忘れてしまったぐらい。
・10曲目 What You Want
この曲はギターが比較的シンプルなリフを弾いてるのと、キーボードがちょっと哀しい感じなのが印象的。一番好きな曲です。
・11曲目 Soon
一聴してダンスミュージック。ドラムもシーケンスもループしているからだと思う。でもギターはダンスミュージックにはない特徴で、トレモロアームを使ってぐわーーんって感じがとてもいい。いつまでも続けって思う。
