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ドイツでの職業訓練を振り返る(4) 算式より文章、アメリカの見方

職業訓練の学校で、授業や試験の内容でへえ、と思って記憶に残っている点を二つ。

まず、会計に関連した算数の科目。計算内容としては簡単、数学とは言えず算数なのだが、テストが作文だった。計算結果が合ってても、どうしてこの加減乗除をするのか、という説明の文章がないとだめ。電卓の計算間違いがあっても、理論づけ、説明の文章が合っていれば点がつく。初め私はxを使って解き、数値は合っていたのだが、先生に、これではわからん、文章にしろ、と言われてしまった。ちなみに、大学の数学の試験でも、あくまで作文らしい。ドイツ税理士の筆記試験でも、まず計算を始める前に、これは所得税法何条何項に基づく、長期的に業務に供する有形固定資産で云々、という説明文を、くどいくらい、書く必要がある。日本の税理士試験みたいに、電卓が命ではない。
 
二つ目は、社会保険の授業で、ビスマルクが始めた歴史から始まったのだが、すぐに、アメリカが悪い例として挙げられたこと。みんなが入れる健康保険がいまだにない。ドイツ人は自国の社会福祉には誇りをもっているのだ。そして、アメリカに対する見方が日本とはかなり違う。

学校の外、ドイツの雑誌でも、90年代後半は、しばしば、アメリカの健康保険の悪い例、治療代が払えないために病院から追い出される患者や、病院の待合室で死んでしまった黒人女性のケースが記事になっていた。

アメリカに対する厳しい見方は、他でもよく聞く。驚いたのは、アメリカ式のインターナショナルスクールが、通常のドイツの学校であまり出来ない金持ちの子供が行くところ、という見方をされていること。ドイツ人は自分達の学校教育制度に誇りをもっている、とも言える。公立の学校は、職業訓練校や大学まで、原則として学費は無料だが、教育内容を考えれば、無料で提供されるのは確かにすごいと思う。その分、ドイツの税金や社会保険料は高く、日本のほうがまだまだ安い。ドイツの学校の教育内容はいいとしても、ハードの設備がイマイチ(トイレが古いとか)と言う状況はずっと続いており、今でも問題になっている。
 
 

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