2026/3/31|ドコモ「FOMA」と「iモード」約25年の歴史に幕|国内最後の3Gサービス終了
●従来型ケータイ(ガラケー)も使えなくなる?
3Gサービスが終了することで、従来型ケータイ(ガラケー)が利用できなくなるとの誤解が一部ありますが、4G対応ケータイ(Android OS)は、2026/04/01以降も従来通りそのまま利用できます。
利用できなくなるのは3Gのみ対応のケータイです。
ただし、ここ数年間は新機種として発売されるケータイの種類も少なく、1年〜2年間で、1.2機種程度しか発売されない事も多くありました。
新規契約や機種変更をお考えの場合、4G対応ケータイが既にHPやカタログに掲載されているか、事前に確認をお勧めいたします。
その上で、購入希望の店舗へ事前に在庫状況の確認、在庫がない場合、取り寄せが可能かを確認してからおでかけになる事をお勧めいたします。
◉音声ジャーナル:進化し続けるモバイル
1.世界初!3Gサービスを開始した日
世界で初めて、第3世代移動通信システム(以下3G)によるサービスをW-CDMA方式で開始したNTTドコモ。
サービス名は「FOMA」として2001年10月1日から商用サービスを開始した。

世界で初めて商用サービスを開始し、約25年続いた3G通信サービス「FOMA」が2026/03/31に終了する。
多くの人に愛された3G通信サービスは、既に多くの人が利用する4G・5Gという超高速モバイル通信へ完全に世代交代しその役割を終える。
2.2Gサービスの限界、世界初3Gサービスへの挑戦
(1)トラフィックの限界に近づいていく2Gサービス
1990年代、第2世代(以下2G)移動通信システム「mova」(デジタルムーバ)が1990年台半ばから後半にかけ、加入者数を大きく増やし、携帯電話の普及が加速した。

アナログmovaのロゴ。デジタルmovaは上にDIGITALの記載がある。
ただ、2G通信サービスであるデジタルmovaは「PDC」(Personal Digital Celler)という日本国内でのみ利用されていた通信規格を採用していた。
元は自動車電話システムとして開始した通信サービスが、機器の小型化と共に従来型ケータイへ姿を変え、もっと自由に場所を縛られることなく利用が可能となった。
基本的には音声通話を主な通信手段と考えて作られた通信規格で、データ通信速度は当時でも低速だが可能ではあった。
音声通話とSMSが主な利用用途であった。
そして、1999年2月22日に携帯電話IP接続サービス「iモード」がサービスを開始する。

iモードがスタートし、公式サイト以外にもウェブサイト(勝手サイト)や着信音のダウンロード、ネットバンキングの様に、様々なサービスの提供が可能となった。
携帯電話単体で様々な情報を取得できるようになり、それまでの携帯電話から大きく進化した。
movaの通信速度の理論値は最大9.6Kbpsしかなく、その後、通信速度の向上が図られだが、28.8Kbpsと、依然として高速通信と言えるほどの速度ではなかった。
そしてiモードは大ヒットする。
ドコモは携帯電話サービス、movaの加入者数を爆発的に増やしていく。

(2)他社も次々とiモード類似サービスを開始する
◆携帯電話サービス

docomo以外は、au、J-PHONE、TU-KAが存在した。
・au→EZweb
・J-PHONE→J-SKY
・TU-KA→EZweb
◆PHSサービス

・NTTパーソナル→パルディオネットサーフィン
・DDIポケット→H"LINK
・ASTEL→MOZIO/ドットi
◆固定電話

・NTT東日本/NTT西日本→Lモード
・日本テレコム→J-web by ODN
他社もiモードに続けと言わんばかりに同様のサービスを提供。
ただ、ドコモはiモード開始時、movaでパケット通信を導入していたが、他社が第二世代通信サービスのPDCで、すぐに真似できるような簡単な技術ではなかった。
(2.5世代技術、auのcdmaOneはサービス開始直後から、パケット通信が可能で、64Kbpsの通信速度だった。)

ただ、iモードの予想を遥かに上回るヒットで加入者数が急増したことで、通信設備の能力を超えるトラフィックにより、movaの通話品質をあえて低下(ハーフレートという技術)させる事で、なんとか乗り切ることができる状態に陥ったり、これ以上は限界と言える状態であった。
J-PHONEは、iモード同等のサービス提供が遅れていた事、加入者数がdocomo、auにつぎ、3位であったことで、比較的回線に余裕があった。
そこで、通話品質を全面に押したキャッチコピーを展開する。

ドコモがハーフレートで音声通話を提供せざるを得ない状況の時、J-PHONEはエンハンストフルレートという技術により、PDC本来の音声品質でサービスを提供でき、通話品質の良さをアピールした。
そして、当時のIDO/DDIセルラー(後のau)がサービスをスタートさせたばかりのcdmaOne(2.5世代)も、通話品質がいい、通話が切れない事を全面に押し出したCM展開をする。
そして、それまで長年ドコモのイメージキャラクターとして活躍していた織田裕二がdocomoとの契約満了すると同時に、cdmaOneのイメージキャラクターとして起用する。
CMも、それまで利用していた携帯電話(docomo)とIDO/DDIセルラーのcdmaOneを比べ、その差に驚きショップで契約するという挑戦的なものだった。


「買っちゃった」のコピーの前は「変えちゃおっかな」だった。

と通話品質について全面に押し出した。

イメージキャラクターを務めた。
J-PHONEはしばらくすると通話品質が良い事を押し出したマーケティングをやめてしまう。
それはJ-PHONEもdocomoと同じ様にJ-SKYのサービスを提供を開始したところ、回線の混み合いからハーフレートを導入し、通話品質がドコモと同程度に落ちてしまったからだった。
3.選ばれない!3GサービスFOMAサービス開始
2Gは設備の容量や快適な通信サービスを維持するにはすでに限界がきていた。
そこで期待されたのが3Gサービス、「FOMA」である。
その性能差は、2Gのデジタルmovaに比べると、次世代通信FOMAは、おおよそ200倍の通信容量があった。
通信速度もサービススタート当初で384Kbpsと高速だった。
movaに比べて約13倍の高速化を実現。
更にmovaには不可能であった音声通話中のデータ通信が可能になった。
また、2GのPDCに比べて音声品質が向上し、そして切れにくい電波特性など、通信サービスとして大きく進化した。

ただ、FOMAは期待された前評判通りにはいかなかった。
movaはプラチナバンド(800MHz)でエリア構築していた事、1993年第二世代通信サービス(2G)「mova」がサービスを開始して既に8年程度の年月が経ち、他社に比べてエリアの広さには定評があった。
そして、FOMAはプラチナバンドより建物内や障害物に弱い2GHz(のちに800MHzのプラチナバンドをFOMAでも展開し、「FOMAプラスエリア」との名前でサービス展開する。)の電波を利用していた。
更に、1からエリアを作り直す必要があった。
そのため、FOMAは無事にサービス開始したものの、特にサービス開始直後はサービスエリアがとても狭かった。
更にサービス開始と共に発売されたFOMAの機種は、movaの携帯電話より一回り、二回り大きく、そして電池持ちが極端に悪く、予備の電池パックをもう一つ同梱して販売した機種もあった。

4.次々サービス開始となる他社の3Gサービス
(1)苦戦を強いられるFOMA
ドコモのFOMAはエリアの狭さ、電池持ちの悪さから苦戦を強いられた。

しかし、2002/04/01にサービス開始となったauのCDMA 1x(CDMA2000 1x)は、2.5GのcdmaOneとエリアを跨いで利用できたことから、サービス開始直後から広い範囲で利用できた。

FOMAのスポット的なエリアとは対照的だった。

FOMAが次世代通信サービスを全面に押し出したマーケティング戦略で、テレビ電話を全面に押し出した広告などを展開するも、音声通話料金は通常の1.8倍と高額であるとこや、テレビ電話を利用する事への抵抗感からさほど普及しなかった。
auは高速通信を武器に、それまで流行っていた着信メロディを強化する形で着うたをサービスの武器とした。
着うたは実際の楽曲の一部を着信音として利用できるサービスである。EZ着うたは当時の若年層から支持を受ける。

FOMAは独自のサービスを売りにする事ができずに苦戦を強いられた。
そして、当時のJ-PHONE/Vodafoneも2002/12/20に、3Gサービス、「Vodafone Global Standard」(ボーダフォングローバルスタンダード)を開始した事で、FOMA(ドコモ)の優位性は更に弱まった。

ちなみにツーカーは総務省が3社のみ3Gサービスの免許を与えるという方針や、関東、東海、関西でのみサービスを行う地域限定的なサービスだったため、2Gサービスで生き残る道を選んだ。
(2)最大の弱点!エリアの弱点を補う
FOMA単体ではサービスエリアの弱点をすぐにカバーするのは難しかった。
そこでドコモはmovaの広いエリアと、FOMAの3Gサービスを切り替えて利用できる「デュアルネットワークサービス」を開始した。
エリア面での弱点は克服できるが、常にmova端末とFOMA端末の2台持ちをしなければならなかった。
2003年6月、FOMAとmova、両方の通信サービスに対応した携帯電話「N2701」を発売した。
N2701の最大のメリットは一台の携帯電話で、FOMA/mova両方の通信サービスを利用できる事で、同時期に発売されたmovaのハイエンド端末「505i」シリーズの方が端末性能が高く、iアプリDXに対応するなどサービス面でも進んでいた。
N2701は下記の様な特徴があった。
①mova利用時、「iモードメール」の自動受信不可。
movaエリアではiモードメールはWebメールとなる。
②FOMAエリアでもテレビ電話の利用ができない。
③ベースとなった端末は旧世代機の「N2051」である。
これらのデメリットもあり、FOMAの普及を強力に推し進める程の魅力的な端末とは言えなかった。

FOMAの安いパケット通信料と、movaの広いエリアの両方の通信サービスを一台で利用できる。
しかし、FOMAとmovaで利用料金が違う事や、movaエリアではiモードメールはWebメールでの利用になるなど、「FOMAと movaの両方のいいとこ取り」というより、FOMA端末にオマケでmovaエリアでも利用できる端末だった。
5.「au買うのはちょっと待って」ドコモ榎氏
「最近ちょっとauさんに押され気味で調子が悪いが、がんばるので引き続きご契約いただきたい。auやボーダフォンの方は、ぜひドコモに変えていただければと思っている」
OracleWorld Tokyoの特別公演で開口一番こう口にした。
「(次期)FOMAは明日、記者発表する。来年早々に新製品を出すことを考えて、最後の仕上げをしている段階。面白いサービスも出る。もしも“ドコモ面白くないからauに行こうかな”という方がいたら一瞬止まって、来年の2月頃に出る予定のFOMAを見てからご判断いただきたい。」
movaからFOMAへ本格的に移行が始まった2003年12月にこう発言した。
ドコモはそれまでの4桁型番の機種(例:P2102V等)から3桁型番(例:P900i等)へそれまでの機種名につけていたルールを刷新し、イメージ戦略を変更し機能のテコ入れを行った。
900iシリーズはmova505iシリーズなどに見劣りする部分もあったFOMAを、同等以上の性能に押し上げ、それまで低調だったFOMAの大きな転換点となった。



6.さいごに
サービススタート前から大きな期待を背負って登場したFOMA。
多くのユーザーが2Gサービスから利用を開始し、次世代通信サービスとして初めて世代交代を経験する事になり、大きな期待を背負い登場するも、サービス開始から順風満帆とは言えない船出だった。
しかし、紆余曲折経てドコモの通信サービスを支えるサービスへと成長してきた。
そんな次世代通信サービスだったFOMAが今日、2026/03/31をもってサービスを終了する。

7.おまけ|FOMA独自のサービス
(1)2in1(ツーインワン)

1つの携帯電話で、2つの電話番号と、2つのメールアドレスを利用できた。
土日は2つ目の電話番号を留守番電話にするなど、細かく利用方法を設定できたが、操作性の複雑さなどもあり、そこまで普及することはなかった。
(2)着もじ

相手に電話をかけるときに、着信と同時にメッセージを表示する事ができるサービス。
電話番号を変えたときや、初めて電話する人に自分の名前を表示する事もできるので、便利なサービスだと思うけど、ドコモ同士でしか利用できなかった事もあり、これもあまり普及したとは言えなかった。

(3)マルチナンバー

最大2つまで電話番号を増やす事ができるサービス。
当時、MNPの特典を利用するために、マルチナンバーを契約してすぐに他社に移行するために使われ、本来の目的とは違った使い方が流行った。
(4)NOTTV(ノッティービー)

スマホ向けの放送局。エリアが限定的であった事、室内などでは試聴が難しかった事、ドコモ端末にしか対応しなかった為、本格的な普及を見せる事なくサービスが終了した。
他社スマホや、NOTTV単体で視聴できるチューナーや機器が発売されていたらどうなっていただろうか。
(5)絵文字(iモードメール)
※movaのiモードからサービス開始

iモードメールの終了と共にサービスが終了した絵文字。
メールを作成する時によくお世話になりました。
思い出深いFOMA。
今までありがとうございました。
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