荒技ショートショート_ 古風
文庫本を、最近はカバンの中に入れなくなった。
本を読む時間が無くなってきたこともある。本を読む以外に、やらねばならぬことが増えて、忙しすぎることもある。
カバンは震災以降、リュックとなり。
最近とは言え、文庫本を持たなくなったのは、正直、かなり前の事ではある。
だが。
リュックを開けたときに、あの、ほんのり薫る本の匂い。
あるが何だか、懐かしい。
そんな日曜日の夕方に、またもや、荒技をやってしまった。
さて、小牧幸助さんの、シロクマ文芸部の最新お題は、毎週木曜日に出る。
そして、今回のお題は、「文庫本」からはじめるnoteを自由に書いてみませんか?
ジャンルは小説・詩歌・エッセイなど何でもOK。はじめての人も自己紹介の代わりとしてお気軽に!ということで。
そして、田原にかさんからのお題は…。
お題が【夜行性の黒板消し】|д゚)チラッ、ということで。
また、山根あきらさんの、青ブラ文学部のお題は…。
「 #青ブラ文学部 」のハッシュタグをつけて、
「ハート都々逸」(はーと・どどいつ)というお題にそって作品を投稿してください。締切は 5/15 (金) 18:00(厳守)。ということで。
今回は、都々逸を、文中で登場人物に詠んでもらおう。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
コジ、「荒技師」だなんて、あんまりおおっぴらに言わないほうがいいよ。
うむ……。そうだな。
3人の企画は両方とも、膨大な数のファンの方、参加希望者を抱えていらっしゃって。お題を出すだけでも、大変だと思うのである。それでもお題を出してくれる。毎週。ほんとうに、ありがたい限りだ。ほんとうに励みになる。
また、今回は、中之人成さんのシロクマ文芸部作品を読んでみた。ちょっとその感想を、シロクマ感想文として書いてみる。
「シロクマ文芸部・文庫本」で検索して飛んで来ました。
コメント欄に、シロクマ感想文を、ほんの少し書かせて頂きます。
文庫本に、泣いたり笑ったりの表情があったとは。
ほとんどが電子ブック化していて。残りわずかな文庫本はきっと、いまの世の中を眺めて複雑でしょうね。
近々、BOOKOFFにでも、文庫本を探しに行ってみたいと思います。
その時は、笑いかけてくる文庫本を、選ぼうと思いました。
今、生きていられることに感謝して。今宵も、月に祈ろう。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
せっかく出していただいたお題を、小牧幸助さんの始まりの言葉(シロクマ文芸部)と、たらはかにさんの表のお題(毎週ショートショートnote)、そして山根あきらさんの青ブラ文学部のお題。3ついっぺんに書く荒技。まして、シロクマ感想文と、全部で4重の荒技。あまりにもやりすぎじゃないかな。
そうだ、今週は4重の荒技だ。
うむ。
これで何週間だろうか。とうとう3年半に突入した。
まあ、続けられるだけ、続けるさ。
心の中の、リトルkojuroが、また、ボソリと、呟いた。
まるで、悪ガキそのものだな。
まあな。
なんのはなしですか。

さて。それでは、本編にまいりましょう。今週の荒技、「ショートショート_ 回収」約410字を、どうぞ。

文庫本を置いた涼は、月を眺めようと腰を上げた。
ブルッ!
ミッションだ。
E(注)を発動して現場に飛ぶ。
大学の夜の研究室だった。
悪の組織は新薬を盗み出そうとしていたのである。
敵を把握し、涼は敢えて名乗りをあげた。
ひとつ、人の世の生き血を啜り!
ふたつ、不埒な悪行三昧!
みっつ醜き浮世の鬼を、退治てくれよう桃太郎!
工作員達は騒然となり、逃げ出したが、涼は瞬時に手刀チョップで斬り捨てた。
最後は、怪人蝙蝠女だった。
彼女は即興で何か書き出した。
夜の静寂の(よるの/しじまの)
学校故に(がっこう/ゆえに)
不義の逢瀬に(ふぎの/おうせに)
猶燃える(なおもえる)
彼女は丁寧に、綺麗な文字を消し終わると、全く抵抗せずに投降した。
翌週、財前の研究所に出向いた涼は、見慣れぬ研究員を見逃さなかった。
声をかけた。
「新人ですか?」
「はい。宵子と申します」
財前に目をやると、笑って言った。
「研究所には、教養人も必要なのだよ」
外は日が沈み、黄昏が広がっていた。
(注) E(イー)— 「空間・時空・瞬間移動装置」のこと。泉の父が設計開発し、財前がツールとして最終形に仕立てた。Eは正式名称ではなく、開発者の頭文字から取られたコード名である。

《余滴》
さて。「毎週ショートショートnote」のお題の解説です。
ショートショートnoteカードゲームでは、お題の言葉そのものを入れ込まないで匂わせるのを流儀としています。
小牧幸助さんの書き出しのお題や、山根あきらさんの青ブラ文学部のお題、私が水曜日に書いている「三題噺」の三つのお題は、その言葉そのものをストレートに文章やタイトルに入れ込むのですが、田原にかさんのお題は、なるべく言葉そのものは入れ込まず、“匂わせる”という流儀に沿い、なるべくそうしていっている“つもり”なんです。
しかし一方で、私のこの「荒技」にお題を探し続ける人もいらっしゃいまして。
田原にかさんのお題については、今日もここに、お節介な解説を入れてみようと思います。
ですが。
この解説についての一切の苦情は受け付けません。なぜならば、これこそが、「荒技」だからです。笑
◆お題が【夜行性の黒板消し】→
不幸にして怪人蝙蝠女にされた彼女は、訳あって学問な触れたかったのに大学に入れなかった人物で。夜の仕事をしつつ昼間は学生に混じってこっそり講義に出て、地道に勉強していたようです。
都々逸を朗詠せずに、綺麗な文字で書き出したところがまた奥ゆかしいです。
蝙蝠で夜行性。書かれた黒板を丁寧に消して、チョーク粉が飛び散らないようにしているのも好感が持てます。
魂を失わない怪人を適材適所で救済する財前。私は、好きです。
何ですと?わからない?理解できない?しっくり来ない?
当然です。全部“荒技”ですから。笑
ちなみに今回のカバー画像は、「蝙蝠」で検索して選びました。
それにしても荒技。やはり難しいです。時間もかかりますし。苦行です。笑
荒技師への道は、まだまだ遠く彼方にあり。欠片も見えてきません。
そんなこんなを家内と語らおうとしてソファーに目をやると、家内が脚を指さしてニッコリと笑っていた。
「今日は久し振りに寝過ぎて疲れたから、マッサー(注1)頼むね、コジくん」
「はぁ…」
マッサージをすると、家内は上機嫌である。
家内が上機嫌だと、我が家は平和である。
だから。
これで、いいのだ。

(注1)マッサーとは、マッサージのことである。家内のさっちゃんがそうやって、略して言うのである。さっちゃんへのマッサーは私の最重要の日課である。

