WindyもSCWも「予報」ではない|フォトグラファーが知っておきたい天気シミュレーションの話
WindyとSCW、信じすぎていませんか?
フォトグラファーの間で、すっかり定番になったこの2つのアプリ。でも、その使い方…本当に合っていますか?
私自身、使い始めた頃はWindyに表示される数字をそのまま信じていました。
でも気象を勉強するうちに、WindyもSCWも厳密には「天気予報」ではないことを知りました。
WindyとSCWは何を見せているのか
WindyやSCWで表示されているのは、気象モデルと呼ばれるデータです。
気象モデルは、いわば食材の産地直送便です。
畑で採れた野菜(スパコンの計算データ)がそのまま届いても、そこから何を作るかは料理人(気象予報士)の判断次第。
WindyやSCWは、その「産地直送の食材」を直接見られるサービスです。
つまり、料理人を通さず食材だけ見ている状態なので、「この食材でどんな料理ができるか」を自分で判断する必要があります。
つまり、気象モデル=天気予報ではありません。
モデルごとに「得意な天気」が違う
Windyで見られる予報には5種類あります。
・GFS 22km(アメリカ)
・ECMWF 9km(ヨーロッパ)
・ICON 13km(ドイツ)
・METEOBLUE(スイス)
・MSM 5km(日本気象庁)
数字は格子間隔といって、計算する地形の細かさを表しています。
格子間隔が小さいほど、細かな地形を考慮した計算ができます。
ただし、格子間隔が細かければ正確とは限りません。
モデルごとに使っている計算式が違うため、得意な天気・苦手な天気がそれぞれ異なります。
また、格子間隔の5〜8倍以上の規模の現象しか計算できないという限界もあります。
例えばGFS(22km)だと、110〜176km以上の規模の天気でないと精度が出ません。
局地的な霧や雲海は、その規模をはるかに下回ります。
そもそも、なぜ天気は外れるのか
天気予報が外れる理由のひとつに、カオス現象があります。
大気はわずかな変化が予測不能な結果につながる性質を持っているため、完全に当てることが原理的に難しいのです。
加えて、地球上の空気を隅々まで観測しきることは現時点では不可能です。
これはWindyやSCWのせいではなく、気象そのものの性質です。
撮影地では、さらに話が複雑になる
一般的な天気予報は地上の天気が中心です。
雲海や霧氷を狙う撮影地は、標高が高かったり地形が複雑だったりすることが多く、予報と実際の天気がズレやすい条件が揃っています。
また、風予報も標高や地形が変わるとズレます。
だからこそ、自分が行く場所の地形がどういう特性を持つかを理解した上でツールを使うことが大切です。
WindyやSCWは、使い方次第でとても強力なツールです。
ただ、数字をそのまま正解として読むのではなく、「このモデルはこういう特性がある」と理解した上で複数を見比べるのが、外れたときに自分で原因を考えられるようになる第一歩だと思っています。
まとめ
・WindyもSCWも気象モデルであり、厳密には天気予報ではない
・モデルごとに得意・不得意がある、一概にどれが正しいとは言えない
・撮影地は地形が複雑なため、予報との誤差が出やすい
・ツールの特性を理解した上で、複数を見比べて使うことが大切
個人的なWindyの使用方法はこちらに書いています。
このnoteでは、フォトグラファーの視点から「絶景と気象の関係」を研究しています。
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