名大URA通信 Vol.73 学生の「やってみたい」をどう形にする?
★目次から、読みたい記事にジャンプできます
[1] URAコラム: 学生の「やってみたい」をどう形にする?
名大キャンパスには、Idea Stoa、TOIC、Common Nexus、と共創の拠点が次々に生まれています。そうした場で人と人、人と活動をつなぐのが「コミュニケーター」。Idea Stoaのコミュニケーターは、学生です。
学生がコミュニケーターだと、どんないいことがあるのでしょう?その活動を支える末吉 彩URAに聞きました。

末吉 彩URA
イノベーション・アントレプレナーシップ推進室
学生時代は商学を学び、消費者行動論を研究。新潟県庁で人材育成プログラムの運営に携わり、2024年に名大へ。Idea Stoaの企画・運営を担当。観察とインタビューが得意。「まずは相手に話してもらう」がモットー。
── Idea stoaはいつも誰かがいて、和気あいあいとしていますね。
末吉:はい、学生コミュニケーターたちが盛り上げてくれています。今は5〜6人がコミュニケーターとして活動していて、授業や研究を優先しながら、交代でシフトに入っています。
── 学生コミュニケーターは、どんな仕事をしていますか?
末吉:場の運営やイベント企画など、いろいろなことをやってもらっています。その中でも特に、学生の挑戦を支えることを大切にしています。
── 学生の挑戦とは、具体的に?
末吉:「実験」プロジェクトです。名大の学生たちの「やってみたい!」を形にするIdea Stoa独自の取り組みです。学生コミュニケーターには、そのサポーターとして入ってもらっています。

──「実験」というネーミング、入口を広げる感じでいいですね! 何件くらいの取り組みがありますか?
末吉:2023年に始まって、これまでに32件、そのうち現在進行中のものが8件です。例えば去年、野鳥ボードゲームを制作するプロジェクトがあって、製品化して名大の生協で販売するところまでいきました!

──「やちょうまっぷ」は、URAたちの間でも話題になりましたよね。学生コミュニケーターは、こういった「実験」にどのように関わっていますか?
末吉:プロジェクトによってさまざまですね。学生コミュニケーターは、みんな違う得意分野を持っています。だから、仕事を一律にお願いするのではなくて、「この子なら、ここで力を発揮できそう」という視点で関わってもらっています。野鳥ボードゲームのプロジェクトには、佐藤 舞千代さんにサポーターとして入ってもらいました。

佐藤 舞千代さん 環境学研究科 博士前期課程2年
建築を専攻。もともとIdea Stoaの空間に興味があり、先輩からの声かけがきっかけで、2025年からコミュニケーターに。愛称は、”まちよ”。
佐藤:建築って、使う人の目線で空間や情報を考えることが多くて、その経験をもとに、ボードはこうすると見やすい、ルールはこうすると伝わりやすい、といった提案をしました。でも私は野鳥には詳しくなくて、「まだ野鳥に興味のない人」の視点で、どうしたらこのゲームがもっと魅力的になるか、意見を出したりもしました。
── プロジェクトに入って、一緒につくっていくような関わり方ですね。
佐藤:はい、自分の挑戦や成長にもつながるなぁって思います。
末吉:佐藤さんには、Tongaliのアイデアピッチにも、発表メンバーとして参加してもらったんですよ。入賞して得た賞金を使って、Idea Stoaの機械も活用しながら、製品化して、販売するところまでサポートしてくれましたね。
佐藤:すぐ売り切れましたよね(笑)。建築の授業の課題でレーザーカッターを使っていたので、Idea Stoaのファブ機器にも抵抗がないんです。最近、Idea Stoaの外装サインも作らせてもらいました。

── 佐藤さんならではのスキルや感性が活かせていますね。
末吉:そうなんです。他にも、実験プロジェクトの経験を活かしてコミュニケーターになってもらった例もあります。幅 菜摘さんです。もともと、「15秒で乾くドライヤー」の実験メンバーだったんですが、人の意見を聞けて、自分の意見も言えるところにコミュニケーターの資質を感じて、私からスカウトしました。

幅 菜摘さん 情報学部2年
実験メンバーとしての活動経験を活かし、2026年よりコミュニケーター。プログラミングの実験プロジェクト「らくがきコード」に携わりながら、イベント企画やサイネージも担当。愛称は、”なっちゃん”。
幅:実験メンバーだったとき、関わった学生コミュニケーターのみなさんが本当にフレンドリーで、いるだけで元気が出るような存在で。こういうステキな人になれたら…という思いがあって、末吉さんに声をかけていただいたとき、「ぜひやりたい!」って思いました。
── 経験者がサポートに入ってくれたら心強いですね。今はどんな活動を?
幅:最近力を入れているのが、学生向けのイベント企画です。学生コミュニケーターが企画した「もやもやランチ」で学生たちと話す中で、「頭の中を整理したい」「もっと自分と向き合う時間がほしい」という声が印象に残りました。そこで、その振り返りをもとに、ジャーナリングの手法を使った「ジャーナル会」を企画してみたんです。末吉さんたちと打ち合わせを重ねて、実施にこぎつけました!

── Idea Stoaに集まる学生たちのリアルをサポートしながら、学生コミュニケーターのみなさん自身も学んでいる感じですね。
幅:ここに来る学生のみなさんと話していると、自分一人では思いつかない考え方に出会えます。イベントを企画するときも、「こういう人にはどう伝わるだろう?」と考えるようになりました。
佐藤:そうそう! みんな何かひとつ、自分の深い興味を持っていますよね。「そんな世界があるんだ」って興味が広がります。野鳥マップも、関わらせてもらってから鳥の鳴き声が気になるようになりましたし(笑)。

── みなさん、いい仕事されてますね。末吉さんは、学生コミュニケーターだからこそ生まれる価値は、どこにあるとお考えですか?
末吉:学生同士だから話せることもあるし、同じ目線で相談できることもあります。コミュニケーターって、何かを教える人というより、人と人をつなぐ人だと思うんですよね。挑戦する人と、それを支える人を固定せずに、挑戦した人が今度は誰かを支える側になる── 私は、Idea Stoaをそんな循環を生む場所にしたいと思っています。
── 一人ひとりの得意を見出したり、挑戦を循環させたり、末吉さんのURAとしての仕事には、多くの支援の現場に通じるヒントがありそうです。お話をありがとうございました。
取材・文:丸山恵(企画・プロジェクト推進部門URA)
[2] 学術研究・産学官連携セミナー「Tongaliビジネスプランコンテスト2026」の実施について
6月20日(土)に開催された「Tongaliビジネスプランコンテスト2026」についてご報告します。毎年、開催している本コンテストは、今年度で10回目を迎え、応募は過去最多114件でした。その一連の内容について振り返ります。
・日時:2026年7月15日(水)8:45~9:15 *オンライン
・話題提供:野原 かほり
(イノベーション・アントレプレナーシップ推進室 URA)
・対象:東海国立大学機構所属の教職員
・申込・詳細:https://www.aip.nagoya-u.ac.jp/headquarters/seminar

[3] 研究者リーダーシップ・プログラム 開催
本プログラムでは、参加者が自分自身と向き合い、自己マネジメントの手法を学ぶことで、リーダーシップを高めます。また、キャリアやライフ・ワーク・バランス、職場における多様性の大切さについて、参加者が共に考えます。同じメンバーで継続してプログラムに参加することにより参加者同士のネットワークが形成されることも期待されています。
・日時:2026年8月~2027年3月(全7回)*各開催日は詳細参照
・対象:東海国立大学機構の研究者、T-GExフェロー、T-GExアソシエート、T-GEx企業アソシエート
・申込・詳細:https://www.aip.nagoya-u.ac.jp/event/31355.html

[4] PI育成セミナー「大学発ベンチャーの創り方〜研究を社会につなぐ、最初の一歩とその先のリアル〜」
「起業」は研究成果を社会に役立てる手段の1つです。ここ数年、大学発ベンチャーの起業数は増加していますが、実際にどのように大学発ベンチャーが起業・成長していき、どのような支援プログラムがあるのでしょうか。本セミナーでは、Tongali GAPファンド採択経験者より体験談をお話しいただき、起業支援担当者が疑問に答えます。
・日時:2026年7月7日(火)14:00~15:30 *オンライン
・講師:加藤 晃代(生命農学研究科 准教授)、藤田 涼平(工学研究科 特任講師)
・対象:研究成果の事業化に関心のある研究者および関係者(詳細ページをご確認下さい)
・詳細・申込:https://www.aip.nagoya-u.ac.jp/event/30539.html

[5] 異分野融合推進セミナー(9)
「PTSD概念の再考へ:原爆被爆者の事例を通して」
1980年に誕生したPTSD概念には、一体どのような前提が潜んでいるのだろうか。本講義では、現在広く普及しているPTSD概念がどのような前提をもとに成り立っているのかを概観したうえで、講師がこれまで研究してきた原爆被爆者の事例を通して、その前提を問い直す必要性を示します。
・日時:2026年7月7日(火)16:30~18:00 *オンライン
・講師:愛葉 由依 (人文学研究科附属超域文化社会センター 助教)
・対象:東海国立大学機構の教職員・学生
・詳細・申込:詳細はこちら

[6] 名大発アカデミックフラッシュ 第59報
若手研究者による若手研究者のための「アカデミックフラッシュ」第59弾!
・日時:2026年7月22日(水)12:00~13:00 *オンライン
・発表:井上 健一(名古屋大学 低温プラズマ科学研究センター 助教)
羽根 正弥(名古屋大学 糖鎖生命コア研究所 助教)
横山 達彦(岐阜大学 大学院医学系研究科 助教)
・対象:東海国立⼤学機構にご所属の方であればどなたでも参加可能です
・申込・詳細:https://www.aip.nagoya-u.ac.jp/event/31069.html

[7] 第130回 名大カフェ「透析と共に生きる〜長時間透析・在宅透析という選択肢〜」
透析になったら、もう終わりだ——。世界有数の透析大国である日本で、そう感じている透析患者さんは少なくないかもしれません。でも、本当にそうでしょうか? 今回は、研究者、医師、患者さん、それぞれの視点から、長時間透析・在宅血液透析という選択肢を考えます。透析や病気と共に生きる中での“幸せ”とは何か。透析に関わる方も、初めて知る方も、どなたでもお気軽にご参加ください。
・日時:2026年7月3日(金)18:00~19:30
・会場:名古屋大学 NIC 1階 Idea Stoa(東山キャンパス)
・ゲスト:今泉 貴広(医学系研究科 講師)、他
・詳細・申込:https://www.aip.nagoya-u.ac.jp/research-information/mcafe/event130

[8] 名大研究フロントライン|最新研究&イベントレポート
■ 最新研究紹介
・孟 憲巍(情報学研究科 准教授)、水野 佑佳(同 博士前期課程)
・八谷 寛(医学系研究科 教授)、髙田 碧(同 講師)、宋 澤安(同 特任助教)、他
■ 第129回名大カフェ レポート
・井上 貴斗(生命農学研究科 助教)
[9] 夏休みあいちサイエンスフェスティバル2026 開催
子どもたちの夏休み期間中、サイエンスとものづくりを楽しむイベントを、愛知県を中心に各所で開催します。ぜひお出かけください。
・期間:2026年7月18日(土)~8月31日(月)
・会場:愛知県を中心に大学・科学館・博物館など各所
・対象:どなたでも
・詳細:https://aichi-science.jp/about/index.html?id=34

最後までお目通しいただきまして、ありがとうございました!
■発 行:名古屋大学 学術研究・産学官連携推進本部
■問合せ:企画・プロジェクト推進部門
■メール:outreach@t.mail.nagoya-u.ac.jp 電話:(747)6527
