『オンラインの絆』第5章・第6章 5/9
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第5章
4月5日にレッスンしてから、少し間が開いた。尚子の仕事の都合と先生の予約枠の時間が合わなかったせいだ。5日経った10日に、先生からメッセージが来た。
「こんにちは、週末はいかがお過ごしでしたか?お元気ですか?大丈夫かなと思って。
ただ忙しいだけなら安心なんだけど。何か悪いことがあったのかと思いました。元気なら、いいんです。ではまた。」
たった5日ほど、レッスンを取らなかっただけなのに先生は心配してくれるんだ。2日に1回くらいレッスンを取るのが普通になっていた。家族より、先生と話していた。
4月10日、の深夜、思いがけなく先生からメッセージが届いた。
「誕生日おめでとうございます!日本時間では夜中の12時なので、僕が君の誕生日を祝う最初の人間だと思う。そう願います。僕が尚子さんの誕生日を忘れていると思ったでしょうね。残念ながら、その推測は正しくなかったです(笑)今年があなたにとって素晴らしい年になることを心から願っています。1年間、English Lessenを通して、あなたと一緒にたくさんの時間を過ごせてよかった。尚子さんのために考えていることがあるんだ。後で相談しましょう。改めまして、お誕生日おめでとうございます!ちなみに年齢は計算してません、安心して(笑)ではまた!」
尚子は驚いた。「先生が私の誕生日を知っていた? そうだ、先生の誕生日のパーティーをしたときに誕生日はいつか聞かれた。それを覚えていてくれたんだ。」先生が考えてくれた尚子のための何か(something for me)は、zoomレッスンだった。何より、10月から覚えていてくれた事が、サプライズしてくれた事が嬉しくて、叫びそうになった。
その頃、ある高校生の男の子の一人が先生のレッスンを毎日4つも予約した。彼は英検準1級を受けるため、先生のレッスンを取った。羨ましい。親は子供の為には、お金を惜しまない。彼に嫉妬を抱いたのは決して恋愛感情ではない。英検2級のあの3カ月が懐かしく蘇ってきた。あれを彼はするんだと思うと、羨ましいと思った。それほど、尚子にとって、英検2級を目標にしていた3カ月は輝いていた。
4月27日は、先生が“time flies like an arrow”光陰矢の如しというメッセージをくれた。尚子にとって、先生とのレッスンが日常の当たり前になっていた。
第6章
日常のルーティンのように5月に入っても、レッスンを続けていた。ところが、8日のレッスンを最後に、その後、先生のアカウントが消えていた。尚子は驚いて、先生のメールアドレスに連絡した。なぜメールアドレスを知っていたか?これは、尚子の書いていたnoteというプラットフォームのおかげである。noteには、記事のコメント欄で交流する事ができるが、それ以外にも、「このクリエーターに連絡する」というボタンから、個人的に連絡を取ることができる。しかし、相手に自分のメールアドレスも知られてしまう。以前、先生は、noteを通して、一度だけ連絡してくれていた。それで、メールアドレスを知ったのだが、英会話レッスンの生徒として、個人的に連絡を取る事は控えていた。しかし、今回は、他に連絡を取る方法はなかった。
先生の話によると、運営側の誤解のようだが違反事項をしたため、辞めさせられたのだと言う。
それから、尚子は2週間ほど他の講師のレッスンを取ったが、やる気は急激に落ちてしまった。だらだらと毎日を過ごしている感じがして、自分でもこうもダメになるんだと情けなかった。とうとう先生にメールをした。「先生とのレッスンがないと、モチベーションが保てません。もし可能なら、zoomでレッスンしてもらえませんか。」と。
先生は、「モチベーションを保つのは難しいですね。」と尚子の要求に応じてくれた。イージートークの予約金額と同じ料金でレッスンを週に2回してくれることになった。その時、今後の連絡はLINEでしましょうと、初めてLINE交換をした。
8月に先生はメキシコとアフリカへ行った。メキシコではホテルでレッスンが出来た。アフリカは出来なかったが、一度連絡はくれた。アフリカでの写真も送ってくれた。尚子は、アフリカにいる先生に英検準1級を受ける事を告げた。先生は嬉しそうだった。アメリカに戻ったら作戦を練りましょうと言った。また、先生との厳しい英検に向けてのレッスンが待っていると思って、身震いした。
