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【日帰り旅】”海の京都”を巡る春の旅 中編|念願の”高梨”バス停と伊根・天橋立の絶景

前編は、こちら


14:40 伊根・舟屋街散策

 昼食を摂った道の駅から伊根の町中に戻ってきて、天橋立に戻るバスの発車時間までは、残りわずか30分。ゆっくり散策したい気持ちをぐっと抑え、目的の場所を目指して足早に回る。

14:45 海蔵寺一本桜

 今回の旅の目的地の一つは、伊根湾と舟屋を一望できる高台にある海蔵寺で咲き誇る一本桜。春の伊根を象徴する絶景スポットとして知られている。対岸から舟屋の街並み越しに眺める桜は、まさにこの時期だけの特別な風景。

 伊根湾の深い蒼と、舟屋の渋い瓦屋根。その落ち着いたトーンの中に、一本の桜が淡い薄紅色の光を放っているようだった。
 背後の山々の新緑が、その色をいっそう鮮やかに引き立て、春の魔法がかかったかのような美しさに息を呑んだ。

 近づいてその足元に立てば、その力強さに驚かされる。繊細な花びらとは対照的に、大地に深く根を張った無骨な幹。

 厳しい冬を越え、この一瞬の輝きのために力を蓄えてきた一本桜の覚悟のようなものが伝わってきて、生命力あふれる姿に圧倒される。

舟屋街と一本桜

15:00 真の目的地

 海蔵寺をあとにし、舟屋の街並みを眺めながら歩くこと約10分。辿り着いたのは、何の変哲もない、地方の路線バスの停留所。

丹海バス”高梨”バス停

 しかし、そこに記された『高梨』という二文字を目にした瞬間、胸が高鳴った。そう、ここはアイドルグループ「ラフ×ラフ」のメンバーで、グリーン担当・高梨結さん(ゆいゆい)と同じ苗字のバス停。
 以前、旅の計画中に偶然見つけ、「ここに行くしかない」と今回の伊根旅を決意させた、私にとっての「聖地」だ。正直、このバス停を訪ねることこそが、今回の旅の最大の目的だったと言っても過言ではない。

 天橋立方面へ戻るバスの発車までは、あと10分。わずかな滞在時間ではあったが、ようやく辿り着けた感慨を、潮風とともに静かに噛み締めていた。


15:45 天へと昇る龍の如く

 “高梨”バス停で乗ったバスは、再び海沿いの道を戻る。"天橋立ケーブルカー下”バス停で降りて、次に向かうのは天橋立傘松公園。

 約7分間のリフトで登った先に広がっていたのは、「昇竜観」と呼ばれる絶景。天橋立が海を割り、天に昇っていく龍のように見えることからその名がついた。南側の文珠山から見る「飛龍観」と並び、天橋立を代表する絶景として知られている。

 天を衝く龍の如く、どこまでも高く昇りゆくその姿。それは、さらなる高みへと駆け上がっていく「ラフ×ラフ」の未来を予感させる。

 力強く、そして美しく飛躍していく姿が、目の前の絶景に重なり、静かな感動が胸いっぱいに広がった。

 この絶景を眺めながら、感傷に浸りつついただくのは「京丹波高原豚コロッケ」。
 ほくほくとしたジャガイモの甘みと、存在感のある豚肉の旨みが口いっぱいに広がる。普段目にするものより一回り大きなそのサイズ感も、旅の気分をいっそう高めてくれた。
 心もお腹も満たされる贅沢なひとときを、この景色とともにじっくりと味わった。

17:00 締めくくりは海の上から

 観光の締めくくりは、天橋立観光船。これまで高台から眺めていた天橋立を、今度は海抜ゼロメートルの高さから、真横に眺めながら進む。

 頬をなでる心地よい海風を感じながら、間近に迫る松並木の力強さを仰ぎ見る。船が進むにつれて少しずつ遠ざかっていく景色を眺めていると、今日一日巡った聖地や絶景の記憶が、ゆっくりと心に溶け込んでいく。
 そう物思いにふけているうちに、船は静かに桟橋へと接岸した。


 日帰り旅も残すところ、帰路に就くのみ。しかし、この旅はまだ終わらない。その道中にも、この旅を締めくくるにふさわしい出会いが待っていた。

(後編に続く)

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