【MATOME】social issue
1、なぜ不正はなくならないのか
今回は「不正」に関する記事になります。
いつの時代も、不当・違法な利益を得ようとする輩はあとが絶ちません。
ある銀行では、行員が貸金庫から顧客の金塊や現金を盗む事件。ある生命保険会社では、社員らが顧客に架空の投資話を持ちかけ、多額の資金を搾取した事件。また、ある中古車販売店では保険金の水増し請求など…
因みに、北海道では新幹線札幌延伸工事が進められていますが、その裏ではやはり談合の疑いがあるようです。
おそらく、人類発展の歴史において不正がなかった時代はないと思います。しかも、不正を犯す人は案外エリートだったりします。頭の良さは善悪の判断とイコールにならないのでしょうか…
米国の犯罪学者ドナルド・クレッシーは、不正の引き金となる3原則(不正のトライアングル)というものを提唱しました。
「動機(プレッシャー)」「機会」「正当化」この3つが揃ったとき、人は不正を行うと考えられています。
今回は上記の3つを中心に「不正」に関するあれこれをまとめています。よければご覧ください(2000字程度)。
1、自分は義務を課しただけ
今から20年ほど前ですが、教育現場で起こった未履修問題というのが物議を醸しました。
本来、高校在学中に履修させるはずの教科・科目(必履修)を別のモノに置き換えて授業していたのです。結果、単位不足の生徒が発生し卒業が危ぶまれる事態になりました。
主に進学校に見られた現象で、全国的に波紋が広がるわけですが、とある高校の学校長が責任を感じ自死してしまう事件まで起こったので、当時の現場はさぞ大変だったと思います。
ところで、私は以前の記事で「仕事とは役割(ロール)を演じること」と書きました。大人になれば、理不尽な業務であっても多少であればやり過ごせますが、違法であってなりません。
動 機:進学実績向上のために致し方ない
機 会:授業の内容は多少変えてもバレやしない
正当化:他校もやっているので問題ない
もし仮に、ロールにおけるタスクが違法であっても、プレッシャーある立場になってしまえば、「皆やっているからOK」という正当化が不正の引き金たる所以です。

2、ミルグラム実験は本当なのか?

つまり、人は権威に従うように求められたとき、その行動が悪と知っていても応じる可能性があります。
これを実証するための有名な実験が上記の著書に記されています。
〈実験概要〉
参加者
・教師役(本当の被験者)
・生徒役(実はサクラ)
内容
教師は、生徒が問題を間違えるたびに電気ショックを与えるよう、研究者から命令を受ける。電気ショックの強さは徐々に上がっていき、やがて致死に至る電圧になる。だが、実際には電気は流れておらず、生徒役は苦しそうな声を出し「やめてください」と演技をする。
それでも、研究者が「実験を続けてください」と指示すると教師役の約6割が最後まで電流を与え続けた。
結論
命令に忠実な人間は時として責任能力を失う。
これは戦争へ向かう兵士の心理と似ています。人殺しは犯罪ですが、戦士(ソルジャー)となれば、それは名誉(オーナー)となります。彼らは機会(チャンス)によって本来正しくない行為を率先してやってのけるのです。
本書では、権威に無自覚であることへの警鐘を鳴らしています。
3、冷めた合理主義者に要注意!
ところで、昨今の不正もすべて上記の3原則に当てはまるのでしょうか?
というのも、先の実験は1960年代の論文であり、道徳の観点からも理解しがたい内容です。
逆説的ですが、一昔前の不正は、責任感が強くノルマに忠実な変に真面目過ぎる昭和型社員による行為に思えてなりません。
時代は令和です。気になった私は、サラリーマンをしている友人に話を聞いてみると、近頃の闇落ち社員の傾向はやはり異なるようです。
1、帰属意識が低い
彼らは会社への熱量が低く、組織を利用して自己利益を追求する方法に長けている。逆に、会社にトラブルがあるとまず自分の不利益を確認する。
2、フレキシブルな働き方の代償
リモートワークやフレックスタイム制によって柔軟な働き方が可能になった反面、かつての職場の教育・研修が弱まっている。よって、無断な副業が増加傾向。
3、離職・転職のタイミング
前社の顧客名簿などをUSBにコピー。次の会社で地位を確約させるために機密情報を文字通りの「手土産」とする。
「要するに、会社のためというブレーキが効かない。かといって、管理のためにルールを増やすと社員の自発性がなくなる。さりとて、飲み会・雑談というインフォーマルな場を設けても彼らは前向きに参加してくれない」
…なるほど、不正がなくならないわけだ。
今回は以上になります。ここまで読んでいただきありがとうございました。これからも、何かの参考になるような記事を投稿していくので、よろしくお願いします。
2、なぜ差別はなくならないのか
今回は「差別」に関する記事になります。
一昔前ですが、グローバル化というワードが流行りました。人や物、お金が国境関係なく活発に動く仕組みは、一見すると理想的な構造ですが、その裏では不当な扱いを受ける人種がいたようです。
現在でも差別的な言動はあります。
米国では保守とリベラルの二極化が加速しており、トランプ政権以降ますます差別的な事件が増えています。かつて、日本でも在日や支那といった言葉は、ネガティブなニュアンスで使用された経緯があります。
ハンス・ロスリング(著)の「ファクトフルネス」によると「差別自体は、法律や教育の発展によって徐々に減っているが、形を変えながら今も存在している」だそうです。

確かに、人種や思想による対立ではなく、昨今ではSNSが原因だったりします。本記事では「差別」に関してあらゆる角度から考察していきたいと思います。よければご覧ください(2000字程度)。
1、なぜ差別的な言動が起こるのか?

本テーマを進めるに当たって、見返した作品があるので紹介します。
在日韓国人の高校生・杉原(窪塚洋介)が、国籍やアイデンティティの葛藤を抱えながらも自分らしく「前」に進む姿を描いた作品です。作中では、自分が在日であることが原因で、恋人との喧嘩や友人との別れ、父親との対立など差別的なトラブルがテーマになっています。
作品をご覧になると分かりますが、差別のきっかけは、何を言うかではなく誰が言うかが原因で他人との衝突が起こっています。もちろん、誰かと議論する上で「意見」を批判することはありますが「民族」を批判するのは中傷になり得るので駄目です。
映画が公開されたのは今から25年前です。改めて見返すと日韓関係の見方、考え方は随分変わったと感じられます。
エネルギッシュな青春映画を見たい方は是非。
2、改めて、なぜ差別的な言動が起こるのか?

私たちの中に拭い去ることができない形で発生する、異質性嫌悪の感情に注目しないといけない。
著者によると、この嫌悪感は、初対面でよく分からない相手に対する、ある種の「怯え」に似た感情だとしています。確かに、未知なものに対する危機管理能力は、動物的な生存戦略として有効です。
少しニュアンスが異なりますが、人見知りと捉えて良いでしょう。
自分たちと似たような人間には好意を持ち、見知らぬ人間には敵対心を抱きやすいことは、良い悪いの話ではなく本能的な反応です。
因みに、この現象は凝り固まった人間関係のコミュニティに多い傾向です。地方あるあるですが、行政から出向された地方創生の役人が、住民たちから門前払いされるケースがあります。よそ者を受け付けない田舎というのは、その典型であって、彼らは普段見慣れない風体に悪感情を抱きやすいです。
また、こうしたケースは学校でも起こります。
例えば、転校生がクラスに馴染めない状態がありますが、これは教室内で人間関係がすでに出来上がっているからです。加えて、当人の雰囲気や言動が周りの生徒と違い過ぎると、それこそ異質な人として扱われます。
以上を踏まえると、「自分は差別に加担していない(したことがない)」と、深く考えずに言える人ほど十分にし得るかもしれません。

3、解消するための「なぜ?」の問いかけ
つまり、差別の出発点は、攻撃されるのではないかという不安・危険から沸き起こる感情・気分レベルの話であって、「何となく嫌だ」という人間脳ではなく動物脳、すなわち理性よりも本能的な部分です。
こうした受け入れがたい関係性を解消するためにも、「なぜ」による検証(思考)が必要になってきます。漠然とした嫌悪感について問いてみると、案外単純な理由だったりします。
加えて、彼らの土地の言葉(方言)を知る。相手を理解するところから始まります。相手に自分のことを知ってもらうのも必要ですが、こちら側も相手のことを知らなくてはいけないからです。
当たり前ですが、人間は言葉で自分と他者を繋げていきます。
人間関係の作り方に関しては、以前記事を書いているのでリンクを貼っておきます。
私が思うに、この考え方は子ども頃に教育するべきだと思います。
なぜなら、子どもであれば大人からの言葉のチェックがあり、修正する機会が与えられているからです。
大人になると、他人から言葉遣いを指摘される場面は減っていきます。分別がついているようで、実はズレている認識は、やがて変えることのできないクセになっていくので、「なぜ」による検証は自分自身にも必要かと思います。
今回は以上になります。ここまで読んでいただきありがとうございました。これからも何か参考になるような記事を投稿していきます。
今後もよろしくお願いします。
3、なぜ格差は拡大するのか
今回は【格差】に関する記事になります。
格差といっても、所得格差や教育格差、地域格差など様々ですが、いずれにしてもネガティヴなイメージになりがちです。
子どもの頃の私は、格差のある社会は何だか不平等な気がして良くないと思っていました。モノを買いたくても買えない人、学校に通いたいのに通えない人、世界中を見渡すと貧富の差は当然です。
大人になって気づいたことは、それらは資本主義の土台であり、競争や投資、成長が起こる仕組みであると認識しました。
因みに、ハンス・ロスリング(著)の「ファクトフルネス」によると「世界全体では格差は縮小傾向にあるが、国内格差が広がっている国もある」とのことです。
確かに、インドやベトナム、インドネシアなど、ここ十数年で極度の貧困層は減少傾向ですが、米国や英国、日本などは国内での所得・資産格差が問題視されています。
本記事では格差のあれこれを書いています。よければご覧ください(2100字程度)。
1、格差が生まれる(広がる)仕組み
一昔前ですが、「一億総中流社会」というワードが流行りました。当時の専門家によると、我が国の行く末は、裕福でもなければ、困窮もしていない国民が大半を占めるはずでしたが、現状はそれほど悠長ではありません。
というのも、一世帯あたり所得平均値約536万円に対し、所得中央値約423万円という状況は、もはや中流層がベースではない証左です。

今から10年以上前に流行った書籍ですが、本書によると所得(資本)格差が広がる仕組みを「r > g」という不等式で説明できるとしていました。
r:資本収益率
g:経済成長率
「資本収益率が経済成長率を上回る」ことを示します。要するに、「働いて得る収入よりも、資産運用で得る利益の方が大きいため、放置すると貧富の差が拡大する」という意味です。
もちろん、世の中これほど単純ではないので、この式だけで格差を完全には説明できません。
そもそも、資本が増えすぎると利回りは低下するので「r」は固定ではありません。また、技術革新を十分考慮していないので、新産業の成長により「g」が急上昇することもしばしばです。
2、子どもも例外ではない
つまり、著者の主張している格差は極めてマクロ的かつ中長期的な視点です。我々は、もっと身近で根本的な問題に向き合う必要があります。

本書では子どもの頃に受けた教育が、大人になってからの就職、収入、昇進、結婚、健康、そして幸福感などに与える影響をビッグデータに基づいて記しています。
・子育てにかかるお金は年々どんどん高くなっている
・小学校の学内順位は最終学歴や将来の収入にまで影響する
・子育ての時間投資の効果は子どもが小さいときの方が大きい など…
エビデンスに基づいた提案なので納得感がありますが、ここで大きな問題になるのは親の経済力です。
話が少しそれますが、私のように田舎の学校に勤めていると、生徒の多くが町でアルバイトをしています。最寄りのスーパーやコンビニ、ガソリンスタンドなどなど…高校生の労働力が町を支えている状態です。
都心の私学からすると信じ難いですが、地方の公立の事情はかなり厳しいものです。
ただ、教師も教師で、現状が当たり前なってくると、違和感を覚えないようです。私自身、地方を渡り歩いて感じることは、国内で潤っているのはほんの一部だけという事実です。
だからと言って、すべてを悲観するものではありません。私が懸念するのは、放課後の使い方が学力・進学機会に大きく影響していることです。
しかも、彼らが率先してバイトしている場合もあれば、不憫にも家計の足しにしている点です。
格差の連鎖とは、親世代の格差が子ども世代にも引き継がれ、世代を超えて繰り返される現象を指します。
いわゆる「格差の再生産」です。
3、本当の、本当に、お金持ちとは…
ところで、莫大な富を手にしている著名人でも、桁違いの報酬を得ている人がいます。私は大学生の頃、お金の稼ぎ方に興味があったので、お金に関する書籍を色々と読み漁った時期があります。当時、若造であるが故、彼らの考え方に愕然としたことを覚えています。

お金持ちのステータスと言えば、語学堪能、MBA取得、名門〇〇大首席卒業、外資系企業勤めなどなど…安直だった私は、そんな能力主義なイメージでしたが、現実はそうでもありません。
皮肉ですが「猛勉強して良い点数を取る」「誠実な仕事をする」という正攻法ではなく、彼らは「事前にテストを入手したり」「事業主を札束で買収したり」しています。
具体的に言えば、自社株買いによる巨額の利益を得たり、公金を横流ししたり、自社に都合の良いように法規制の緩和を政府に働きかけるレントシーキングなどなど…要するに「え、そんなのアリですか?」という、超法規的な発想で巨万の富を手に入れています。
数年前の話ですが、Meta社(旧Facebook)のマーク・ザッカーバーグ氏が仮想通貨リブラを発行しようとした騒動があります(後に名称ディエム変更)。暗号資産とはいえ、自分の通貨を作って金儲けするなんて、恐ろしい発想ですよね…
今回は以上になります。ここまで読んでいただきありがとうございました。これからも何か参考になるような記事を投稿していくのでよろしくお願いします。
