【展覧会レポ】韓国国立民俗博物館「PARADE」ほか
【約3,900文字、写真約60枚】
ソウル市にある韓国国立民俗博物館に初めて行き、企画展や常設展を鑑賞しました。その感想を書きます。
※ 企画展の会期はすでに終了しています。
▶︎ 結論
当日の思いつきで訪問しましたが、非常に満足感が高かったです。それは主に、1)プロジェクションマッピングを多用するなど、展示方法にセンスがあり、来館者が楽しく鑑賞できる工夫が豊富だったこと、2)無料だったことによります。キャプションは読めなくとも、韓国の文化について、理解を深めることができるため、韓国旅行ビギナーには特にオススメです!
※ 併設する「国立子ども博物館」は事前予約がマストです。
おすすめ度:★★★★☆
会話できる度:★★★☆☆
混み具合:★★★☆☆
場所:韓国国立民俗博物館 국립민속박물관
休館日:1月1日、旧正月、秋夕(旧曆8月15日)
開館時間: 09:00~18:00(月によって異なる)
住所:ソウル市 鍾路区 三清路 37(서울시 종로구 삼청로 37)
アクセス:安国駅から徒歩約15分
入場料(一般):無料
事前予約:不要(子ども博物館は要予約)
展覧所要時間:1時間以上
撮影:全て可能
URL:https://www.nfm.go.kr/japanese/index.do
▶︎ 訪問のきっかけ

国立現代美術館 ソウル館へ行った後、その付近を何気なく検索すると「国立民俗博物館 子ども博物館」という、ワクワクする施設を発見。館内で遊びながら学べる様子だったため、サクッと行くことにしました。
子どもは、国立現代美術館では飽きていました。そのため「子ども博物館」では、子どもも楽しめることに期待しました。
▼ 国立現代美術館 ソウル館の感想
▼ 韓国旅行まとめ
▶︎ アクセス

国立民俗博物館は、安国駅(안국역)から徒歩約15分。駅から出て真っ直ぐ歩き、一度曲がるだけなので、比較的分かりやすいです。景福宮(경복궁)の敷地内、国立現代美術館 ソウル館の目の前にあります。
▶︎ 韓国国立民俗博物館(국립민속박물관)とは?

韓国国立民俗博物館は、1945年、国立民族博物館として開館。その後、何だかんだあって、1993年、現在の建物に移転し、今に至ります。

ここでは、韓国の伝統的な文化や生活について、満遍なく知ることができます。資料の所蔵数は約10万点。年間約200万人が訪れているそうです。
入場料は無料!無料とは思えないクオリティの高い展示方法の数々には驚きました。


韓国国立民俗博物館では「子ども博物館」を併設しています。しかし、予約がないと入れないことは注意が必要です。


▶︎ 常設展・企画展の感想
韓国国立民俗博物館には、常設展示室が3つ:「韓国人の今日」「韓国人の一年」「韓国人の一生」、企画展示室が2つあります。
特に、順路はありません。私は、企画展①→常設展①(←ココで子どもはギブアップ)→常設展②の順番で回りました。常設展③や企画展②も入りたかったものの、時間が足りなかったため、サクッと諦めました。
なお、定期的に多言語で定期解説も実施しています(これも無料!)。

✔️ 企画展①「PARADE」

1つ目の企画展では、さまざまな木彫りの人形「꼭두」が展示されています。鑑賞した当時は、展示や日本語のキャプションを読んでもよく分かりませんでした。




韓国では、人が死んだ時、死んだ人が悲しみを乗り越えられるために、あたらしい世界へ導いてくれる存在がコットゥでした。主に、棺を装飾するために作られました。



展覧会のタイトル「PARADE」は、「色とりどりのコットゥたちと共に、私たちの魂の故郷へと帰る旅路を行進」に関連しています。コットゥは、西洋でいう天使、日本でいう埴輪のような存在なのかな、と思いました。


✔️ 常設展①「韓国人の今日」

1つ目の常設展は「韓国人の今日」と題し、19世紀から現代までの、いわゆる「Kカルチャー」を展示しています。「韓国って言えば⚫︎⚫︎やんなぁ。これは確かに韓国っぽいわぁ」という代表的なものが並んでいました。

お盆が地面に近いと、埃が気にならないのかな




韓国の紙「韓紙」で作られた傘


儒教では、節度・清廉・端正などが重要だったため、白磁が人気だったらしい


韓国の歴史ドラマで官僚が被っているイメージ








韓国国立民族博物館は、モノをただ置くだけではなく、来館者の立場に立った見せ方を工夫していると感じました。什器もおしゃれでセンスがあります。ハングルは分からなくとも「見ていて楽しい」「為になる」と感じたため、韓国旅行にもってこいの場所だと思いました。
なお、子どもはここでギブアップでした😅
✔️ 常設展②「韓国人の一年」

2つ目の常設展では「韓国人の一年」と題して、四季でセクション分けして、イベント、食べ物、着るもの、身の回りの品々が展示されています。地理的にも近く、一時期は日本の文化も流入したことで、身近に感じる品物も多くありました。










中央の青い箱はアイスを入れる箱(?








展示室2においても、モノをただ置くだけでなく、動画、プロジェクションマッピング、触れる、模型、大きい展示物など、理解しやすく、メリハリが利いた展示方法になっている点に関心しました。
私は日本でも博物館に行きます。そこではキャプションがドワーっと書かれて、モノが置いてあるだけ。映像があってもブラウン管時代に作ったと思われる動画を流しているだけ。そのような旧態依然とした運営をよく見ます。
モノを置くだけではお客さんは来ません。博物館では「何を置くか」以上に「どう見せるか」が重要だと思います。博物館で、教科書を読むように「お勉強」しても苦痛です。私は、興味をもって知識を増やし、その土地のことを理解したいです。
▼ 展示方法に意識の高さを感じた群馬県立歴史博物館
これは「ちいさな美術館の学芸員」さんの言う「内向き学芸員」「外向け学芸員」の違いだと思いました。
博物館や美術館も、マーケティング思考をもちつつ、現代に合わせた展示方法にアップデートしないとお客さんは来なくなります。お客さんが来なければ、存在意義はありません。日本の旧態依然とした「内向き学芸員」は、「外向き学芸員」である韓国国立民族博物館を視察すべきだと思いました。
ところで昨今、東博が「イマーシブシアター」を始めたことが物議を醸しました。その反応の中では、ネガティブな意見が目立つ印象でした。
【東博に「イマーシブシアター」】https://t.co/A8cz6oEJoV
— 美術手帖 ウェブ版 (@bijutsutecho_) March 24, 2025
「イマーシブ」という没入型の展覧会が人気を集めるいま、日本最古の博物館である東京国立博物館が、明日から同館本館の特別5室においてイマーシブシアターをスタートさせます。 pic.twitter.com/HAhbkYRMBI
(私は、モネやゴッホ、浮世絵などのイマーシブ展覧会は嫌いですが)東博がチャレンジとして、補完的に試みる「イマーシブシアター」は「もっとやれ」と思いました。日本の博物館や美術館はどんどん外に向き、新しいことに挑戦すべきだと思います(失敗してもそこから学べばいいだけです)。
また、韓国国立民族博物館では、些細なことですっ飛んでくる、日本のような看視員がいなかったことも、快適に鑑賞できた要因の1つと感じました。
旅行のスケジュール上、鑑賞はココまでにしました。
✔️ 常設展③「韓国人の一生」

3つ目の常設展では「韓国人の一生」と題し、朝鮮時代から現代に至り、生まれてから死ぬまでに経験する文化的なイベントなどが展示されています。
(私は見ていないですが)韓国では儒教文化の影響から、息子中心の家系の継承が最も重要だったこと、男性は20歳、女性は15歳に成人したこと、現在では男女の固定的役割も消えつつあることなどが説明されているそうです。
✔️ 企画展②「千の顔を持つ蛇」

2つ目の企画展では、2025年は巳年にちなんで、蛇に関する展示がなされていました(私は見ていません)。
韓国にも干支があるのは知りませんでした。調べてみると、干支は、中国(殷〜周時代、BC1300〜1000年頃)に生まれた「順番を表す記号」でした。それぞれの数字に動物が割り当てられたのは、より親しみやすく、覚えやすくするためだったそうです。
その考えが、韓国やベトナム、モンゴルなどにも伝わりました。日本には4~5世紀頃(古墳時代)、韓国経由で伝わったらしいです。
▶︎ まとめ

いかがだったでしょうか?飛び入りで鑑賞しましたが、非常に満足度が高かったです。それは主に、センスがある展示方法に加え、来館者が興味をもって鑑賞できる工夫が随所にあったためです。しかも無料!キャプションは読めなくとも、韓国について勉強になったため、韓国観光ではオススメのスポットだと思いました。
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