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【展覧会レポ】富山県美術館「デザインコレクションⅣ」「没後20年 東野芳明と戦後美術」ほか

【約4,900文字、写真約55枚】
初めて富山県美術館に行き「コレクション展Ⅳ」「没後20年 東野芳明と戦後美術」を鑑賞しました。その感想を書きます。

※ 本展覧会はすでに終了しています。

▼ 事前に訪問した富山市ガラス美術館の感想

▶︎ 結論

富山県美術館に行くために、富山旅行を計画する十分な価値があります!それは主に、1)富岩運河環水公園に隣接する好立地、2)立山連峰を望む、子どもも大人も楽しめる「オノマトペの屋上」、3)土地の良さを引き出す開放感のある建築などによります。特に、子ども連れはオススメ!

注意点:1)クマグッズを持参すると約2割引、2)屋上は閉園期間あり(12月〜3月中旬)、3)飲食店は2つ(1階、3階)。

おすすめ度:★★★★☆
会話できる度:★★★☆☆
混み具合:★★☆☆☆
展覧会名:①「コレクション展Ⅳ」②「没後20年 東野芳明と戦後美術」
場所:富山県美術館
会期:①2025年2月6日 (木) ~4月22日 (火) ②2025年1月25日(土)~4月6日(日)
休館日: 毎週水曜日
開館時間: 9:30~18:00
住所:富山県富山市木場町3−20
アクセス:富山駅から徒歩約20分
入場料(一般):1,100円
事前予約:不要
展覧所要時間:美術館全体で約2時間
撮影:コレクション展は全て可能、企画展は2割くらい可能
URL:①https://tad-toyama.jp/exhibition-event/19062 ②https://tad-toyama.jp/exhibition-event/18872 


▶︎ 訪問のきっかけ

富山城前にて

富山県美術館に行くきっかけは、noteの投稿でした。

▼ sanchiさんの富山県美術館の投稿

子供たちと旅行に行く際「美術館に行きたいけど、できれば子供も楽しめるところを選びたい…」と思っていたため、富山県美術館は、私の希望にぴったりでした。

富山県へ行ったことがなかったし、東京駅から電車1本で行けます。投稿を見た瞬間「次の旅行は富山に決定!」と思い立ちました。

▶︎ アクセス

富岩運河環水公園ふがんうんがかんすいこうえん

富山県美術館(以下、TAD)へは、富山駅から徒歩約15分。美術館の周りには、富岩運河環水公園という、自然豊かな素晴らしい公園があります。是非、公園も立ち寄ることをオススメします。

「環水公園スプリングエール」が開催中
「世界一美しいスタバ」で有名な富山環水公園店
橋から見たTAD(賑やかな屋上が見える)

▶︎ 富山県美術館とは?

✔️ 愛称は「TAD」

富山県美術館は、2017年に開館。英語名称は、Toyama Prefectural Museum of Art and Design、通称:TADタッドです。

「アート&デザイン」は通称

✔️ 移転は大正解

TADの前身:富山県立近代美術館

TADは、20世紀以降の近現代美術作品と、ポスターやイスなどのデザイン作品を中心に約16,000点を所蔵しています。

それらのコレクションは、富山県立近代美術館(1981年〜2016年)のコレクションを引き継いでいます。富山県立近代美術館は、建物の老朽化、耐震基準を満たしていないこと、消火設備がスプリンクラー式だったため、美術品の借受も難しい環境だったことなどから移転が決まりました。

TADに行った翌日、富山市科学博物館に行きました。そこで偶然、富山県立近代美術館の建物を見ました。アクセスが良くなかったため、富山駅近くに移転して大正解だったと思いました。

✔️ 「アートとデザインをつなぐ」

ファサード

美術館のメインコンセプトは「アートとデザインをつなぐ」。ポスターやイスなどをコレクションに据えていることを考慮していると思います。

✔️ 立地を最大限に活かした建築

外観

特徴的な美術館の建築は、内藤廣ないとう ひろしによるもの。

床の間」「子ども」「立山」を組み合わせて提案しました。(略)展示室の外に出ると景色が広がり、心が開放され、また中で美術品を楽しむことが出来るという美術館全体の空間構成を心がけています。

内藤廣のコメント

内藤廣の建築は、ちひろ美術館・東京、とらや 東京ミッドタウン店、みなとみらい線馬車道駅、渋谷駅街区東口二階デッキなどがあります。

▼ とらや 東京ミッドタウンギャラリーの感想

ガラス張りの壁面からは、公園や連峰がよく見える

建築の特徴は、公園や立山連峰がよく見える美しいロケーションを最大限に活かしたガラス張りの壁面、広々した吹き抜け空間、子供も無料で楽しめる「オノマトペの屋上」でした。

来館者の憩いの場
広々した吹き抜け空間

まさに「床の間」「子ども」「立山」を体現していました。中でも「子ども」に焦点を当てている点は、未来の富山を担う人材を育てるという観点から、とても良いと思いました。

マスコットキャラクター「ミルゾー」
キッズルームも完備

美術館のシンボルとして、三沢厚彦による大きなクマの彫刻が館内、館外にありました。

見落としがちな館外のクマ
館外に3匹
館内にも1匹
クマ割あり(22.7%オフ!)

✔️ 館内に飲食店は2つ

館内には、レストランが2つ(3階と1階)あります。

1階からエレベーターに乗った際、エレベーター中に「BiBiBi & JURULi」(3階)のポスターがありました。そのため「オノマトペの屋上」に行った後に行きました。

すると、ウェディングで貸切で、利用できませんでした(館内のポスターなどに、その旨を記載すべき)。レストラン前にあった看板にさえ「営業中!」とあったのは、大変不親切でした。

また、1階にカフェ「Swallow Cafe」があると気づいた頃には、閉館時間でした。私のリサーチ不足でしたが、お腹ペコペコで美術館を後にする結果となってしまいました。

エレベーター内に「BiBiBi & JURULi」と並べて「Swallow Cafe」のポスターを貼るか、美術館入り口付近に、飲食店が2つあることをわかりやすく掲示してほしかったです。

▶︎ 「オノマトペの屋上」

早く行きたい!

「オノマトペの屋上」には、佐藤卓のデザインによるオノマトペをモチーフにしたユニークな遊具が8つ設置してあります。

8つのオノマトペ

もともとこの地にあって子ども達に人気だった「ふわふわドーム」を移し、他にも家族で楽しめる遊具を置いて参加できる遊び場にしたいという相談を受けた時、名前の中に擬態語が入っていることに気付きました。それを活かし、名前を「オノマトペの屋上」にしてはどうだろうかというアイデアに繋がりました。

佐藤卓のコメント

内藤廣は、ちひろ美術館・東京の建築を担当してます。私が初めて、ちひろ美術館・東京に行った時「<いわさきちひろ×佐藤卓=> 展」を見ました。内藤廣 x 佐藤卓の組み合わせには、縁を感じます。

「いわさきちひろ×佐藤卓=」 展(2014年8月撮影)

TADは何と言っても、屋上が最高!屋上のために来る人も多いと思います。特に、子どもは大喜び!しかも、入場は無料

屋上に公園があるため、シャワー効果で、展示室にも行きやすくなります。それにより、美術館が身近な存在に感じることに加え、美術館へ足を運ぶきっかけにもなると思いました。

実物は写真よりも大迫力

立山連峰を望む、大パノラマが気に入りました!実際に見ると、山々が迫ってくる印象を受けたため、感動しました

以下、オノマトペを紹介します。

ぐるぐる
ぼこぼこ
ふわふわ
子どもは「ふわふわ」に大満足!ずっとふわふわしていました

当日、屋上の開園時間は「10時〜16時」と記載がありましたが、当日は、16時以降も遊べたようでした。

うとうと
あれあれ
ぷりぷり
ひそひそ

なお、12/1〜3/15は閉園しているようです。屋上へ行きたい場合は、事前に要確認です。

▶︎ コレクション展 感想

TADでは、主に4つの展示室を使ってコレクション展を行っています。

✔️ デザインコレクションⅣ

TADの特徴は、イス、ポスターを収集していることです。

「椅子コレクション」「ポスターコレクション」

イスは「一つの造形作品であるとともに、私たちの日常生活の道具」でもある。ポスターは「その場所、その時代を映す鏡」である、とTADは説きます。TADは、イスを約170、ポスターを約14,000所蔵しています。

限られた面積の中で、文字と写真やイラストなどを組み合わせるポスター制作は、一定のノウハウが必要です。文字のフォントや置き方を少し変えただけで伝わり方も変わるため、奥が深いです。本の表紙デザインを手掛ける装丁家という専門家もいるくらいです。

▼ ポスターなどのデザインの奥深さを知った展覧会@21_21

サイネージはチームラボによるもの。ただのアーカイブも、見せ方を工夫することで、見る人の興味は大きく変わります。こういった業務はチームラボの強みです。

▼ チームラボボーダレスの感想@麻布台

体験型3Dドローイング
遊び方が少し難しかった

✔️ コレクション展Ⅳ

TADでは、16,000点以上のコレクションを所蔵しています。コレクション展の規模は大きくなかったものの、粒揃いの作品群でした。

ピカソ《座る女》
吉澤美香《に-24》
福田美蘭《世界貿易センタービルの展望台》
デルヴォー《夜の汽車》

▶︎ 「没後20年 東野芳明とうの よしあきと戦後美術」感想

企画展入り口

東野芳明(1930-2005)は戦後に活躍した美術評論家です。1950年代末に渡欧・渡米した東野は、そこで目にした欧米の「現代美術」をいち早く国内に紹介することに努め、60年代以降は、「反芸術」と称した同世代の芸術家たちの伴走者として、彼らの活動を後押ししました。(略)当館のコレクション・資料を中心に、東野の美術評論家としての歩みを紹介します。

公式サイトより

東野芳明は、美術評論家であり、多摩美術大学名誉教授、多摩美術大学の芸術学科の創設者でもあります。日本に現代アートを広めた先駆者とのこと。

パウル・クレー

ポロック、フォンタナ、サム・フランシス、ジャスパー・ジョーンズ、工藤哲巳、横尾忠則、ウォーホル、ジャッド…。どの作品も素晴らしかったです。

しかし、事前知識はほぼなく鑑賞していると、キュレーションに若干混乱しました。ストーリーが感じられず、さまざまなジャンルの作品がポンポンと並んでいただけのように感じたためです。

ジャクソン・ポロック

途中、旅に疲れたのか、子どもが2人とも寝てしまいました。ベビーカーは1つ。抱っこ紐は持ってきていない。しばらくベンチで休憩することになりました(結局、展覧会の3割くらいで離脱)。今後の旅行では「可能なら抱っこ紐も持参する」「美術館は1日1つ」を意識しようと思いました。

なお、屋上にはたくさんの人がいたにもかかわらず、企画展にはほぼ人がいませんでした。また、看視員の方は比較的子どもに厳しかったことも気になりました。

看視員には「美術館はつまらない場所」とならない程度に対応してほしいです。長い目で見て、アートに興味をもつ子どもが増えてほしいからです。屋上で遊ぶためだけにTADへ来るのでは、本末転倒です。

ステキな屋上やキッズルームがあっても、せっかくの鑑賞が面白くないのでは、子どもは楽しくありません。「子どもフレンドリー」はハード面とともに、ソフト面においても、推進してほしいと思いました。

何だかんだありつつ、コレクション展、企画展、屋上、建物全体(+飲食店)を楽しむと、3〜4時間かかる大ボリュームな美術館でした。TADへ行く際は、是非、時間に余裕をもって訪問することをオススメします。

▶︎ まとめ

買ったポストカード。
三沢厚彦《Animal 2017-01-B》

いかがだったでしょうか?TADのために富山旅行へ出かける価値があると思いました。自然に恵まれた立地、開放感のある美術館の設計、特徴のあるコレクション、十分なスペースのある企画展示室。細かい課題は感じたものの、特に子ども連れの方、アートに興味がない方にもオススメしたい美術館でした!

▶︎ 今日の美術館飯

★3.4/まるたかや 牛島本店 (富山県/オークスカナルパークホテル富山前駅) - おでんセット 牛すじ、ブラックラーメン (¥1,620)

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