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【🎨展覧会レポ】宮城県美術館「リニューアルオープン 全館 コレクションで魅せます 美術の時代」ほか

【#357、約8,200文字、写真約140枚】
初めて宮城県美術館へ行き「宮城県美術館リニューアルオープン 全館 コレクションで魅せます 美術の時代」などを鑑賞しました。その感想・レビューを書きます。

▶︎ 結論

とてもオススメできる美術館でした!それは主に、1)見応えのあるコレクションと、大ボリュームな展示数、2)価格が安い、3)キッズスタジオなど親しみのあるリニューアルの取り組み、4)念願の佐藤忠良記念館に行けたことによります。コレクション展にもかかわらず、館内にとても多くの人がいて驚きました。宮城県の美術館巡りではマストです!

なお、気になった点は以下です。

  • リニューアル内容を館内でわかりやすく周知すべき

  • 展示室内や、展示室から展示室への動線にチェアを増やすべき

  • コレクションの展示方法に工夫の余地あり

  • 佐藤忠良記念館は、鑑賞者の立場で記載を充実すべき

おすすめ度:★★★★☆
会話できる度:★★★☆☆
混み具合:★★★☆☆
覧会名:宮城県美術館リニューアルオープン 全館 コレクションで魅せます 美術の時代
場所:宮城県美術館
会期:2026年6月20日(土曜日)~8月23日(日曜日)
休館日:月曜日
開館時間:午前9時30分~午後5時
住所:宮城県仙台市青葉区川内元支倉34-1
アクセス:仙台駅からバスで約10分
入場料(一般):700円
事前予約:ー
所要時間:佐藤忠良記念館を含め約2時間半
撮影:9割以上が可能
巡回:ー
URL:こちら


▶︎ 訪問のきっかけ

佐藤忠良《カンカン帽》

訪問の主な理由は、1)土日に1人の時間ができた、2)佐藤忠良に興味があった、3)ちょうどリニューアルオープンのタイミングだったためです。

私が、宮城県美術館を「いつか行きたい美術館リスト」に入れたのは数年前。いろんな美術館に行き出した頃「ここにも佐藤忠良のブロンズ、ここにも…、一体彼は何者なんや?」と思い始めました。

▼ 佐藤忠良のブロンズ像がある例(奈良・中野美術館)

居酒屋で「とりあえずポテサラか刺身から頼むか」的な感覚で、美術館を創設する際「とりあえず佐藤忠良の作品を置くか」と、多くの美術館が収蔵しています(多分)。

しかし「佐藤忠良の作品をたくさん集めました!」という美術館や展覧会に出会ったことがありませんでした。アーティストを深掘りするなら、時系列に整理された個展が一番。調べてみると、宮城県美術館には、佐藤忠良記念館がある!ということで、いつか訪問したいと考えました。

また、宮城県美術館はちょうどリニューアルしたタイミング。「見える収蔵庫」「キッズスタジオ」など、面白そうな取り組みを実施していたため、今回のタイミングで訪問を決めました。

▶︎ アクセス

仙台駅西口のバスターミナル

宮城県美術館へは仙台駅からバスで約10分。私は9番乗り場から乗車し「二高・宮城県美術館前」で下車しました。

9番バス乗り場
下車したバス停
すぐ美術館が見える
歴史を感じる風貌

▶︎ 宮城県美術館とは?

✔️ コレクションの特徴

宮城県美術館は1981年にオープン。コレクションの特色は、近現代美術、宮城県や東北地方にゆかりのある作品、カンディンスキーやクレーなど海外作家の作品、戦後日本の絵本原画などです(詳細)。

ヘンリー・ムア《スピンドル・ピース》
ダニ・カラヴァン《アアヤン》

「なんでカンディンスキーやクレーなんや?」と思いましたが、「ドイツ表現主義は日本の近代美術にも重要な影響を与え」たことが理由のです。宮城県美術館は、クレーの作品数国内美術館トップを誇ります(35点)。

宮城県美術館の自慢の中庭。
グラントワ(島根)みたいな雰囲気を感じる
リーフレットの表紙でも、中庭を最もアピール。
真夏は水を張れば、子どもは大喜びするのでは?
ここでは、まだリニューアル感はない
何度も宣伝を目にしていたため、リニューアルに期待が膨らむ

✔️ 佐藤忠良記念館

宮城県美術館の大きな特徴として、佐藤忠良の作品など約2,500点を収蔵する佐藤忠良記念館があることです(1990年オープン)。設立のきっかけは、佐藤忠良から150点の作品寄贈だったそうです。

佐藤忠良《あぐら》
《夏》
《少年の像》
お笑いコンビ「レギュラー」でこんなポーズがあったような…

✔️ 前川國男による設計

美術館の設計は、前川國男建築設計事務所によるもの。前川國男は、日本のモダニズム建築を代表する建築家で、丹下健三の師匠にあたります。前川國男の建築の中で、私が行ったことがあるのは、東京都美術館、福岡市美術館、国立西洋美術館新館など。

福岡市美術館の外観(2020年11月撮影)
かわいいチェア。
館内のチェアはすべて、
家具メーカー「天童木工」によるもの。
リニューアルにより家具も修繕
籐のような温もりのあるライト
リニューアルでLED化
自由に使える創作室

アリスの庭」にはさまざまな彫刻作品が展示されています。当日は一日中雨だったため、館外の探索は十分にできませんでした。

舟越保武《原の城》

庭には、バリー・フラナガンのウサギもいたらしいですが、気づきませんでした。前川國男設計の福岡市美術館にもフラナガンのウサギがいるのは偶然でしょうか?

福岡市美術館にいるウサギ(2020年11月撮影)

▶︎ 何がリニューアルしたの?

今回の目玉は「リニューアル」!老朽化を理由に、もともとは完全移転を計画していたものの、さまざまな団体から反対要望が出たことから、移転計画を撤回、リニューアルに至りました(2023年6月工事開始、2026年6月再オープン)。

主なリニューアルポイントは以下の8つ。

  1. 見える収蔵庫

  2. 新しい展示室

  3. トイレの更新、授乳室やおむつ替台の新設

  4. 県民ギャラリーの移設とアクセスの向上

  5. レストラン・ミュージアムショップのリニューアル

  6. エレベーター更新によるバリアフリー動線の向上

  7. キッズスタジオ

  8. アート・ラウンジ

リニューアルのメインは「見える収蔵庫」「展示室5・6」「キッズスタジオ」だと思います。

キッズスタジオはめっちゃ良かったです。たくさんの絵本、お絵描きなど自由に工作できるスペース、多少は小走りできる広さなど。子どものスキが詰まっていました。今年「エリック・カール展」に行った際も、展示最後の絵本コーナーでは、子どもは喜んでいました。絵本 is kingです。

基本的に、子どもは「美術館が嫌い」。しかし、このようなスペースがあるだけでも「また行きたい」となり、徐々に親しみが湧きます。そして、大人になって、子どもを連れて来館するようになると思います。

新設のアートラウンジ

リニューアルのタイミングで、建築の見どころを紹介するパネルが館内に新しく設置されたそうです。しかし私は、これでは弱いと思いました。

現在、来館している人たちは、私を含めて「何をリニューアルしたんやろう?(ワクワク)」と、期待していたと思います。ハンドアウトを読んだり、館内に散在しているパネルを真面目に読む人は少数です。

せっかく地域に愛され、移転も撤回したのだから、チケット売り場付近の大きなロビーに「リニューアル一覧」のような巨大パネルで紹介すべきだと思いました。

▶︎ 「宮城県美術館リニューアルオープン 全館 コレクションで魅せます 美術の時代」感想

 宮城県美術館は今年、開館45周年を迎えます。開館当初、約700点だったコレクションは、現在では約7,000点となりました。(略)本展覧会では、選りすぐりのコレクションを全館で展示し、時代とともに変化する近現代美術のダイナミズムとその醍醐味をご紹介します。

公式サイトより
展示室1〜6を使う大ボリューム!

コレクション展のため、料金は700円と良心的。展示方式はシンプルで、時系列に作品がズラッと展開されています。ジャンルも何でもあり!9割以上の作品が、撮影可能でした。

撮影可能かどうかが展示室1前で明示されていなかったため、立て札で明示した方が良いと思いました。例えば東京都写真美術館は、毎回立札を立てると同時に、受付で丁寧な説明があることで、鑑賞側も安心できます。

展示室前のパネル@写美(2026年7月撮影)

また、館内では、オールカラーで良質な紙を使い、丁寧な解説が記載されたハンドアウトが配布されていました。宮城県美術館の気合が窺えます。

さらに驚いたのが、館内に人が多いこと!コレクション展は、閑散としていることが多いです。しかし、雨の中、朝一番から入館する人もたくさんがいました。中には、子どもや学生の姿もありました。

宮城県美術館のリニューアルに伴う宣伝出稿は、Xなどのウェブや、屋外広告でたくさん見かけましたが、その成果でしょうか。もしくは、宮城の人はアートにとても造詣が深いのでしょうか?

✔️ 2階:第1・2展示室

展示は2階からスタート。1920年以降の作品が並びます。

高橋由一《宮城県庁門前図》

上記の作品は、宮城県の指定有形文化財。展覧会の冒頭に展示されていることなどから、特に自慢の品であることがわかります。

高橋由一《鮭図》(画像引用

その近くには《鮭図》(山形美術館、撮影不可)もありました。寄って鑑賞すると、結構荒いタッチでした。しかし、離れてみると超リアル。さすが、西洋の写実技法を日本に初めて本格的に持ち込んだ人です。

《鮭図》は日本に3つあります。山形美術館のほか、北九州市立美術館、東京藝術大学大学美術館にそれぞれ違ったデザインがあるようです。

チャールズ・ワーグマン《江戸湾の朝》
ワーグマンは高橋由一の先生
ユトリロ《サン・ヴァンサン通り》

展示作品のジャンルは多種多様でした。

エゴン・シーレ《第49回ウィーン分離派展》
無骨でおしゃれなポスター版画
エゴン・シーレ《妊婦》
パウル・クレー《アフロディテの解剖学》

宮城県美術館はドイツ表現主義の収蔵品が多いです。この会期では特に、クレーの作品がたくさん展示されていました。

パウル・クレー《紫と黄色の運命の響きと二つの球》
ジュール・シェレ《カンキーナ・デュポネ》、ロートレック《ディヴァン・ジャポネ》
ロートレックの作品を初めて間近で鑑賞。
意外とウマヘタだったことが新鮮

なお、この展示付近では常に「ピピピ」という機械音が聞こえて、鑑賞する際にとても気が散りました。

中村彝《自画像(帽子を被る自画像)》

▼ 中村彝のアトリエを保存する茨城県近代美術館

梅原龍三郎《坐裸婦》

梅原龍三郎の近くに、岩手県立美術館からやってきた萬鐵五郎《羅布かづく人》も展示されていました。

展示全体の構成は、メリハリがなく、かなりオーソドックス。大リニューアルした最初の展覧会なので、壁の色や造作を工夫するなど、もっと自由にはっちゃけてもいいと思いました。

反射が気になる

大きなガラスでは、反射が気になりました。せっかくリニューアルしたなら、低反射ガラスを導入した方がいいと思いました。予算取りを考えると、タイミングは今しかないのでは?

▼ リニューアルを機に低反射ガラスを導入した美術館

尾竹竹坡おたけちくは《月の潤い・太陽の熱・星の冷え》

1920年につくられた掛け軸にしては、ずいぶん宗教的。まるで岡本太郎のようなインパクトを感じました。和室にはマッチしなさそうです(笑。

アダムとイブ?
川端龍子《和暖》
長谷川等伯のオマージュを思わせる作品

▼ 川端龍子記念の感想

小室とおる《曙光》
ヘルマン・マックス・ペヒシュタイン《御国は来たれり、みこころが天に行われるとおり地にてもおこなわれますように》
いかにもドイツっぽい無骨なデザイン
ルオー《これがさいごだよ、おやじさん!》《高慢と無信仰のこの暗き時、見守りつづける地の果ての聖母》
パウル・クレー《スポーツ・競技》
どこが「スポーツ」やねん(笑
ルオー《街外れのキリスト》

▼ ルオーの作品を多く収蔵するパナ美

安井曽太郎《少女像》
阿川佐和子に似ている
松本竣介《郊外》
松本竣介《画家の像》

上記の横に、神奈川県立近代美術館から来た、松本竣介《立てる像》も展示されていました(撮影不可)。デザインがほぼ焼き回しだったため、思わず笑いました。

松本竣介《立てる像》(画像引用
翁朝盛おきなちょうせい《退欲》

素人の私がここまで鑑賞しても「宮城県美術館のコレクションの集大成やなぁ」とわかりました。いろんなジャンルのクオリティの高い作品が一挙に見られるので、オススメだと思いました。

なお、作品数が膨大なため、展示室内、もしくは、展示室と展示室の動線の間にチェアを置いた方がいいです。すべてを連続で見ると、ヘトヘトになるためです。

✔️ 1階:第3・4展示室

1階の第2会場では、1930年以降の作品を展示。立体物の展示が増えたため、私はこのフロアが特に楽しかったです。

加藤正衛まさえ《休息》
池田龍雄《椅子》《ボス鳥》
めっちゃ寄生獣…(笑
桂ユキ《夫人の日》
めっちゃ無邪気

▼ 桂ユキの作品も収蔵するSFMoMA

尾藤豊《失われた土地 A》
めっちゃシュルレアリズム

そして、気になる作品を発見。

長谷川潾二郎りんじろう《猫》

かわいすぎる!何度見ても、頬が勝手に緩みました。私の中で、この展覧会は《猫》が圧勝でした。ぬいぐるみなどのグッズ出したら、たくさん売れそうです。

長谷川潔《木製の小鳥と玻璃球のある静物》

▼ パナ美で開催中の展覧会

浜口陽三《2つのさくらんぼ》

▼ 浜口陽三の作品すべてを収蔵するミュゼ浜口陽三

難波田龍起《黒と赤》

▼ 難波田龍起の展覧会@旭川美術館

大きな作品が多い
山脇百合子《ぐりとぐらのおきゃくさま》
突然のぐりぐら

▼ 山脇百合子の展覧会@ジブリ美術館

高松次郎《ビーナスを見る女の影》
白髪一雄《天損星浪裏白跳張順》
英語名は「A WORK」…英訳を諦めた模様
堀内正和《のどちんことはなのあな》
吉原治良《丸》
芹沢銈介《木綿地型絵染二曲屏風「春夏秋冬」》
芹沢作品の中でも「文字絵」が一番好き

宮城県美術館の後、東北福祉大学芹沢銈介美術工芸館、 東北福祉大学ギャラリーミニモリにも行きました(後日、note投稿予定)。

田島征三《青い山羊》
怖っ…
李禹煥《線より》ほか
佐々木正芳《ぬぎたい Ⅱ》
この作品はみな、見入っていました
スプレーブラシで描いているらしい
荒川修作《意味の分裂》

▼ 荒川修作の大作、養老天命反転地

中谷貞彦《苑 Ⅰ》
まるでモネ

展示がさらに地下に続く案内を見て「ひぇ、もうお腹いっぱいやで…」と思いました。おそらく多くの人が同じ考えのため、地下まで行く人は少なかったです。

✔️ 地下1階:見える収蔵庫、第5・6展示室

地下には、1970年以降の作品などが展示されています。

新設された螺旋階段
地下は電波がない
見える収蔵庫!

収蔵庫を見せる取り組みは、少数の美術館が散発的に実施しているようですが、常設は宮城県美術館がほぼ初めてのようです。

「収蔵庫」なので、作品にキャプションはありません。ワクワクして地下に降りたものの、実際は少し期待外れでした。ただ作品を置いているだけ。それ以上のtakeawayはなく、目的も読み取れませんでした。せっかく見せるのであれば、何かヒネリが必要です。

また「ほんまにリアルな収蔵庫なん?きれいすぎへん?」と思いました。私は変に疑ってしまったため、パネルを使って、他の収蔵庫の様子も紹介してはどうでしょうか。私は、雑然とたくさんの作品が所狭しと保存されている「リアル」を見て「へぇ、これが美術館の裏側かぁ」という光景を予想していました。

▼ 小さな美術館の学芸員さんの語る「保存」

宮城県美術館では「見える収蔵庫体験」を不定期で実施しているそうです。興味がある人は是非。

新設された展示室5では、絵本原画コレクションが展示されています。

中谷千代子《しろきちとゆき》
初めて見た器具
取手をスライドすると、
原画が現れる。
展示室6の様子
野見山暁治《ぼくは信じない》

「佐藤忠良記念館へつづきます」と言われても、すでにヘトヘト。休憩を挟んで、再出発しました。順路の案内に、ミュージアムカフェを紹介するPOPなどをつけたら、カフェの集客に寄与すると思います。

▶︎ 佐藤忠良記念館

佐藤忠良(1912-2011)は、宮城県黒川郡落合村舞野(現・大和町)に生まれ、幼少期を北海道の夕張町(現・夕張市)で過ごしました。(略)ロダンやその弟子達の彫刻に魅せられ、東京美術学校(現・東京藝術大学)の彫刻科に入学します。(略)1944年に従軍、シベリア抑留を経験します。復員後、具象彫刻の道を歩み、戦後の日本彫刻史に大きな足跡を残しました。(略)佐藤忠良の初期から晩年までのブロンズ作品を中心に展示しています。

ハンドアウトより

私の当初の目的は、佐藤忠良記念館でした。「なぜ佐藤忠良の作品が日本中の美術館にあるのか?」「何が評価されているのか?」「なぜ裸の作品が多いのか?」を知りたかったです。

なお、今まで佐藤忠良を「タダヨシ」と読んでいましたが、正しくは「チュウリョウ」でした。

『おおきなかぶ』の挿絵が佐藤忠良とは知らなかった!
(子どもの教科書を撮影)
佐藤忠良《帽子・立像》
《たつろう》
《群馬の人》
評価されるきっかけになった作品
《ボタン(大)》
秋田市立千秋美術館にいた子
《裸のリン》

これらの作品を見て、Wacoal Museum of Beauty(京都)に行った際に「バストは丸くて脇流れしていないことが美しさのポイント」と記載があったことを思い出しました。佐藤忠良がつくる裸婦像のプロポーションは、当時の理想型だったのでしょうか。

《このはずく》
動物もつくっていたのは初めて知った
《蝦夷鹿(エスキース)》
《ブーツの少女》
堂々としていらっしゃる
《二歳(小)》
なぜ下半身だけ脱がすのか
《若い女の像》
なぜ脱がす
《空よ》
どんなポーズやねん
《若い女・シャツ》

中野美術館(奈良)でも、鎮座していた作品。なぜ脱がすのか?彼の作品を見て、それしか思わなくなってきました。

《帽子・夏》
なぜ…(略
ロダン《無題》

最後に、作品《蒼》の制作ドキュメンタリーが上映されていました。佐藤忠良が粘土で原型をつくるのに約2カ月、職人がブロンズ像に仕上げるまで約2カ月かかっていました。型を取って、中に材料を流し込むプロセスを何度も繰り返すことが、よく理解できました。

展示全体を通して、佐藤忠良の作品を概観できたものの、彼の考えまで汲み取れない平板な構成だったため、若干期待外れでした。また、入館する前の私の疑問に対する回答も読み取れませんでした。ただ時系列に作品を設置するだけではなく、QAパネルを設置してはどうでしょうか。

今年、私は『会計と経営の七〇〇年史』(田中靖浩、2022年)を読みました。書内では、会計とアートの歴史をうまく混ぜながら解説しており、読み物としても大変面白かったです。

中でも印象的だったのが、グレコをはじめ、彼らが宗教画を描いた理由は「国の政策として宗教画が求められたから、画家は生活の糧を得るために描いた」点でした。

佐藤忠良は、裸のブロンズ像をつくりたくて仕方なかったのではなく、社会的に求められたから、その需要に応えてつくっただけだったのかな?と思いました。

なお、佐藤忠良は戦中、シベリア抑留を経験しています。戦後の人々は、権威的なアートよりも、日本人の自然な内面にある優しさをアートに求めました。そのため、佐藤忠良もそのような作品(=裸婦)をつくりたかったし、鑑賞側も、そこに共感を覚えたという背景があるようです。

第二次世界大戦を経て、ピカソは過去の作風から一転、ピースフルなセラミックをつくり続けたことと共通点を感じました。

やっと終わり!

▶︎ まとめ

買ったポストカード。
長谷川潾二郎《猫》

いかがだったでしょうか?とにかく大ボリューム約2時間半かかり、疲れました。宮城県美術館が自慢できる収蔵品を一気に見られたことに加え、価格が手頃だったため、誰もが楽しめると思いました。リニューアルした点も興味深かったものの、その点はもっと積極的に伝えるべきです。また、観覧者の多さに驚きました。念願の佐藤忠良記念館も行けて良かったです。

▶︎ 今日の美術館飯

★3.3/マクドナルド 仙台駅東口店 (宮城県/仙台駅) ー エッグマックマフィンセット (¥470)

▶︎ 次回予告

次回は、ラグーナテンボス(愛知県)で遊んだ感想を投稿する予定です。

▶︎ あなたにオススメ3選

1)高橋由一《鮭》を見た展覧会

2)東北にある美術館の展覧会

3)note全投稿リンク集(357件)

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