見出し画像

アメリカ生活 ワシントン州 海外赴任:現地の小学校とシアトル日本語補習学校

アメリカ・ワシントン州にある Microsoft 本社のプロダクトマネージャー。日本のマイクロソフトから移籍。Windows OS のユーザーエクスペリエンスを創り出すソフトウェア開発チームに所属。「AI を Windows に融合させる」という野心的なミッションを持つチームでプランニングとソフトウェア開発をリードしている。AI を中心としたソフトウェア開発の最前線で、次世代の体験を世界に届けています。

2023年12月に横浜からアメリカ ワシントン州 レドモンドへ引っ越してきた。家族でアメリカに住むのは初めてだ。そしてもう1年半が経過しようとしている。早いようでゆっくりなようで。でも、とにかく楽しく元気に暮らしているのは良いことだ。

うちの子ども二人は、平日はアメリカの現地の小学校に通い、土曜日には日本語補習校に通っている。

ワシントン州には、アマゾンやマイクロソフトのほか、ボーイングや任天堂アメリカなどの本社があり、現地採用や駐在で来ている日本人家族が多く暮らしている。そのため、現地校でもクラスに数人は日本人の子がいることが多い。そんな “日本人密度” の高さを日々感じている。


アメリカの現地校

学校選び

日本と同じように、アメリカでも住む場所によって通う公立校が決まっている。そのため、学校の評価(School Rating)をチェックして、希望する学校の学区(School District)内に住むというのが一般的なスタイルだ。

そう、評価の高い学区はとても人気がある。

学力レベル、人種構成や多様性(Diversity)、学校設備、生徒と先生の比率、保護者の平均世帯収入など、さまざまな要素をもとに学校のレーティングが決まる。アパートや家を探すときに使う不動産サイトには、「このエリアに住むとどの学校に通うことになるのか」と「その学校の評価」が、ほぼ必ず表示されている。

入学手続き

転校・転入のプロセスは意外とシンプル。まず住む場所が決まったら、そのエリアの School District(学区)の公式サイトでアカウントを作り、登録(Register)を行う。名前・住所・連絡先などの基本情報を入力していく。

このあたり(例:ワシントン州東部)の主なSchool Districtはこちら:

この時点では、まだ学校に直接行く必要はないが、登録が完了すると、学校の校長先生や担当スタッフからメールが届く。質問があれば気軽に返信してみるのが良い。伝えておきたいことや希望がある場合は、このタイミングで連絡するのがスムーズ。

次に必要になるのが、 予防接種証明書(Immunization Records) の提出。
我が家では、アメリカに引っ越す前からこの情報を把握していたので、日本にいる間に横浜市の区役所で英語版の予防接種証明書を発行してもらい、母子手帳と一緒に持参してきた。

アメリカ到着後、それらを持って近くのクリニックへ。必要なワクチンと、すでに接種済みのワクチンを照合し、不足分のワクチンを追加で接種してもらう。そして、Certificate of Immunization Status Form (予防接種証明フォーム)をクリニックで記入してもらって手続き完了。全体的にスムーズに進み、特にトラブルはなかった。

なお、すぐにワクチンを打てない場合でも、接種の予約票などがあれば、一時的に通学を許可(Unblock)してもらえることも多い。

初登校日

初日から黄色いスクールバスで登校することもできたが、我が家は車で子どもたちを学校まで送ることにした。

登校時間は朝9時。学校の駐車場に車を停めて、校舎へ向かう。入口のインターフォンを押して中へ入り、担任の先生と少しだけ話をしてから、子どもたちを見送って学校を後にした。子どもたちは、少し緊張している様子だった。

放課後、「どうだった?」と聞くと、「友達ができたよ」「サッカーした!」と嬉しそうに話してくれた。初日からそう言ってくれて、ほっと一安心。「つまらなかった」「行きたくない」といった言葉は出なかったので、このままうまくやっていけそうな気がした。

生活のリズム

先生もクラスメートも、とても自然に子どもたちを受け入れてくれた。このあたりは転校生が多く、周囲もそういうことに慣れているのだろう。数日で、すっかり学校に馴染んでしまった。

我が家の子どもは日本ではインターナショナルスクールに通っていたので、英語に関しては特に問題はなかった。ただ、英語が母国語でない子ども向けには、ポケトークのような翻訳デバイスの貸し出しや、ELL(English Language Learning)クラスといったサポートも用意されている。海外からの転入生も多いため、全体的にフォロー体制が整っている印象だ。

友達も、学年やクラスを超えて広くできているようだ。アメリカでは休み時間を「Recess(リセス)」と呼び、その時間に校庭でいろいろな学年の子たちが一緒に遊ぶらしい。人種もさまざまで、多様性を自然に体感しているようだ。

驚いたのは、教科書を家に持って帰ってこないこと。筆記用具も学校が用意してくれていて、家庭学習は主にオンライン。パソコンで使える教材が充実していて、学校のコンテンツに家からもアクセスして学ぶスタイルになっている。そのため、毎日リュックに入れるのは、お弁当・おやつ・水筒だけ。日本の「ランドセルに教科書ぎっしり」な風景とはかなり違っていて、最初は少し戸惑った。

アメリカの学校には、ちょっと驚くような「楽しい仕掛け」もたくさんある。

  • チューインガムOKな日:ガムを噛みながら授業を受ける特別な日。

  • Popcorn Friday:50セントでポップコーンを買って食べられる毎週金曜日のイベント。

  • Soarbuck:良いことをすると先生からカードがもらえ、貯まるとおもちゃなどと交換できる。

子どもたちは毎日何かしら楽しみがあるようで、本当に嬉しそうに話してくれる。

……と、こう書いていると「え、勉強してるの?」と心配になるかもしれない。実際、遊びやイベントが充実している分、親としては定期的に学習の状況を確認する必要がありそうだ。

「楽しさ」と「学び」のバランスが取れているか、家庭でもしっかり見守っていきたいと思う。

日本語補習校

日本語補習校に通うオプション

「日本語をしっかり維持したい」「数年後には日本に帰る予定がある(例:駐在後に帰国)」という場合、日本語補習校はとても役立つ存在だ。

ただし、必須ではない。あくまで「日本語を学びたい人が行く場所」という位置づけで、アメリカの現地校とは別に、**週末に通う“オプション”**のような形になる。このあたり(シアトル近郊)で人気の日本語補習校は、以下の2校:

我が家は、「シアトル日本語補習学校」に通うことにした。ここは基本的に、「文部科学省の学習指導要領に基づき、日本国内と同じ教科書を使用して、日本語による学習指導を行う」という方針のもとで、長年運営されてきた学校だ。

入学手続き

まずは、日本語補習学校へメールを送る。すぐに返信がきて必要な提出書類を用意する。詳細はここへ 入園・入学・編入案内

  • 入学願書

  • 園児・児童・生徒資料.pdf

  • パスポート顔写真の頁コピー、I-94のコピー(ビザがある場合)

  • 出願手数料 $40.00 / 1人の小切手(小切手の宛名:Seattle Japanese School、メモ欄:受験者氏名をローマ字でご記入ください)

入学試験・テスト

補習校への入学時には、**「学年相応の日本語力があり、日本語で授業を受けられるか」**を確認するテストがある。

内容は、簡単な面接と漢字などの筆記試験。あくまで授業についていけるかどうかを見るもので、厳密な合否判定というよりも、本人のレベルを確認する目的に近い。

実際に受けてみた感想としては、「普通に日本語で読み書き・コミュニケーションができれば、多少漢字ができなくても問題なく合格できる」という印象だった。

学校の様子

シアトル日本語補習校は、毎週土曜日の朝8時半から15時まで開かれている。授業は Sammamish High School の校舎を借りて行われており、きれいな施設で、アメリカの高校の雰囲気も垣間見られる。通学は車での送り迎えが基本。お弁当を持参するスタイルだ。

学校に行くたびに感じるのは、日本人の多さ。この補習校を通じて、「本当にワシントン州には日本人が多く住んでいるんだな」と実感する瞬間でもある。

授業内容は、日本の小学校とほぼ同じで、国語・算数・理科・社会といった教科が中心。毎週宿題が出て、さらに漢字のテストもあるため、平日にコツコツ取り組む必要がある。

最初は「土曜日に学校なんて大変で、子どもも嫌がるかも」と思っていたが、リズムができてしまえば意外と平気なようで、むしろ楽しみにしている様子も見られる。クラスで仲の良い友達もでき、補習校ならではの楽しい学校生活を送っている。

アメリカの学校生活を通じて思うこと

アメリカの現地校と日本語補習校の両方に通う生活は、親にとっても子どもにとっても、最初はなかなか大変かもしれない。ただ、数か月たつと、「二つの文化の中で育つ」ということが、思った以上に豊かな経験になると感じている。

現地校では多様な背景をもつ子どもたちと関わり、補習校では日本語を学ぶ中で日本人としてのアイデンティティのようなものも再確認できる機会があるのではないだろうか。この両者があることで、言語的にも、精神的にも「自分の軸」を持つことにつながっているように感じる。

様々な経験が、子どもにとっての「強さ」や「柔軟さ」になっていくのだろう。

それでは、また次回!
Easy Come, Easy Go!




いいなと思ったら応援しよう!