【Advent企画】12/8:プレゼントの包み【410字小説】
自分宛だとわかりきっているプレゼントの包みを勝手に開けて、ひどく叱られたことがある。
大人達の段取りを、子供の自分が台無しにしたのだろう。
いつのことかも覚えていないような、誰にでもある小さな子供時代の失敗談。
トラウマと呼ぶほどでもない。
それをーー
「なんで、思い出すかな」
昔の恋人が、手の届くところに急に現れた。
嫌いで別れたわけじゃない。
振られたのは自分だけれど、振らせたのもまた、自分なのだとわかっている。
誰よりも遠くまで行くだろう美吉に、先へ行って邪魔だと思われるのが怖かった。
美吉にとって一番大切なものはバレエで、いつか彼は、バレエ以外のものを振り捨てる。
そう思って、先に手を離したのは自分のほう。
美吉は帰ってきて、俺の選択が正しかったのか、答え合わせはできないまま。
聞けばいいのに。答えは多分、そこにあるのに。
手を伸ばすのが怖い、なんてーー
「言ったらぶん殴られそうだなぁ」
誰もいない夜道。空に向かって白い息を吐いた。
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本文410字。
#いつきちゃんのアドベントカレンダー
妹尾ポエミー回。
子供時代の体験はトラウマになってないけど、美吉に振られたのはトラウマになってそうです。
この二人の話です。
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