【成瀬 日本語・英語・翻訳講座】日本語編(29)文のつながり
(↑のつづき)
日本語には、文と文の接続機能をはたす語句が数多くある。
具体的には、以下の「~ば」「~と」「~ても」「~けれど(も)」「~が」「~のに」「~ので」「~から」などだ。
雨がふれば、ピクニックにはいかない。
雨がふると、ピクニックにはいかない
雨がふっても、ピクニックにいく。
雨がふりそうだけれど(も)、ピクニックにいく。
雨がふりそうだが、ピクニックにいく。
雨がふりそうなのに、ピクニックにいく?
雨がふりそうなので、ピクニックにいかない。
雨がふりそうだから、ピクニックにいかない。
日本語では、文末にこうしたつなぎの表現をつけてどんどん続けていく方法がよく用いられる。
いくら続けてもかまわないといってもよく、とくに話し言葉ではどんどんと続けるやり方が逆に自然と感じる人も多い。

☆☆☆
英語とは異なり、日本語の文の区切りは絶対的なものではない。
たとえば、前回挙げた「入れ子」をはずした文は、次のように一文で書くこともできる。
この場合、株主は以下のような方法で、より高い収益を獲得できるのであり、その方法とは、保有株式を売却して得た手取り額を、新しいポートフォリオに投資することであるが、ただし、それには以下の条件があって、この新しいポートフォリオでは、上記の手取り額を、負債を利用している企業の株式と任意の企業の社債とに分けて投資するのであるが、その際に、それぞれが総資本に占める割合に等しい比率で投資をしなければならないのである。
このようにして文をつなげると、やわらかくて口語的な文体になる。

翻訳の観点からいえば、英語の複文を訳す場合、こうした接続表現がよく出てくる。
1. If it rains tomorrow, we don’t go for a picnic.
2. When the old woman walked the clothes, a big peach came floating down the river.
1のセンテンス(If it rains tomorrow, we don’t go for a picnic.)は
もし明日雨がふれば、ピクニックにはいかない。
とよく訳される。しかし
明日、雨がふると、ピクニックにはいかない。
明日、雨の場合には、ピクニックにはいかない。
のように訳してもかまわない。

2のセンテンス(When the old woman walked the clothes, a big peach came floating down the river.)は
おばあさんが洗濯をしているとき、大きな桃が川上から流れてきました。
と訳せるが、
おばあさんが洗濯をしていると、大きな桃が川上から流れてきました。
おばあさんは洗濯をしていました。すると大きな桃が川上から流れてきました。
と訳してもよい。ようするに
英語の接続詞を日本語の接続助詞とを一対一で対応させる必要性はまったくない。
(つづきは↓)
☆☆☆
☆☆☆
「ことさきく|成瀬由紀雄の日英文章・翻訳教室」では、このほかにも日本と日本人、英語・日本語・翻訳その他に関するコンテンツを数多くアップしてあります。総数は1900本を超えています。
いくつものマガジンを設定していますのでぜひチェックしてみてください。
