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心と言葉の翻訳(23)文体(4)英文和訳/和文英訳は「音楽性」を翻訳していない(1)

(↑のつづき)

「リズムがない文章は読めない」という指摘は、従来の翻訳にとって非常に重要な意味を持つものである。

一般的に、従来の英文和訳モデル/和文英訳モデルは、原文の持つ英文としての音楽性を考慮せず、訳文の日本語の音楽性も考慮しない。

このため、英文和訳モデルによる日本語は、音楽的にみて非常にレベルの低い文章になるケースが多く、その結果、翻訳の日本語は、小澤征爾や村上春樹がいうように、「読めない」のである。

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その欠点を埋めあわせるために、出版翻訳などでは、日本語のリズムを付け足すための編集作業が行われる。

このプロセスを採用した翻訳モデルが「英文和訳+編集」モデルであるが、ここで行われる作業は、本当の意味の「翻訳」ではなく、たんなる日本語から日本語への移す替えであるために、原文英語のリズムが考慮されることは、まずない。

そのために、原文のリズムとはまったく異なるリズムの訳文となっているケースが、多々みられる。

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「心と言葉の翻訳」では、従来の英文和訳モデル/英文和訳+編集モデルとは異なり、音楽性を翻訳することを重視する。文章のリズムやハーモニーを、積極的に翻訳していく。

その一方で、文体の音楽性の翻訳から生み出される価値については過大評価はしない。

文体の音楽性の翻訳にこだわるあまりに「思考」「情報構造」「モダリティ」といったその他の要素の翻訳の価値を下げてはいけない。

ただそれでも、決して忘れてならないのは、

文章の音楽性をきちんと考慮しなければ、その文章は「読めない」ものとなり、その価値は大きく下がるという厳然たる事実である。

したがって、英文和訳モデルのように音楽性の翻訳を無視することは、翻訳としての自殺行為といって過言ではない。

(つづきは↓)

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