【子育て 親子関係】 その欠点、私譲りです
先日、息子に注意をした。
親の言うことを聞かないからだ。
「なんで、言った通りやらないんだ。」
息子が言った。
「パパだって、ママの言うこと聞いてないじゃん。」
急所を突かれた。
妻から注意されると、癪に触ってすぐには言うことを聞かないことがある。それは事実だ。
それでも私は子どもを諭そうとした。
「お父さんはママのいうことを聞かないことがあるけど、お前は子供だから親の言うことを聞くものだ。」
支離滅裂が炸裂。
息子は、一応は話を聞いていた。当然、行動は変わるわけがない。
なぜ私は、息子に腹が立つのだろうか。
問題を後回しにするからか。都合のいい言い訳をするからか。もちろん、それもある。でも、それだけじゃない。
そもそも、息子がやることは、私もいつもやっている。
妻のアドバイスには従った方がいいことはわかっている。でも、聞かない。素直になった方がいいとうすうす感じながら、今日もそうしなかった。
私は、子どもに見えていた欠点の一部を、自分も持っている。
人は、自分と同じ欠点を見つけると腹が立つのだろうか。
ただ、私の中の思いはそんなに単純ではない。
自分に似た欠点だから腹が立つ。それは確かだ。でも、自分に似ているから愛着が湧くこともある。
子どもが妙な理屈を並べている。苦しい言い訳をしている。見ていて呆れる。それなのに、結局笑ってしまう。自分も、妻に対して同じような言い訳をしているからだ。
妻と息子についてこんな会話をすることも多い。
「その頑固なところは私譲りだね」
「その先延ばし癖はあなたでしょ」
責任の押し付け合いのようでいて、そうでもない。子どもの中に、自分たちの一部を見つけているのだ。良いところも、困ったところも。
親は、子どもの欠点を見ると直したくなる。そのままだと苦労するかもしれないからだ。
でも、その欠点がどこから来たのかも知っている。その考え方も、その言い訳も、その弱さも。自分にも覚えがあるからだ。
だから余計に腹が立つし、心配にもなる。そして、矛盾しているようだが、嫌いになれない。
今日は、息子に怒りながら、途中で気がついた。
これは息子への怒りではなく、妻への怒りだったかもしれない、と。
なんで息子はそんなに神経質なんだ——と思った瞬間、それが妻の顔と重なった。
息子の中には、私もいるし、妻もいる。
子どもは親の鏡だと言う。たぶん本当なのだろう。
ただ、その鏡が映しているのは欠点だけではない。欠点を見て腹を立てる自分も、それでも愛着を感じてしまう自分も、一緒に映しているのだと思う。
だから私は、今日も子どもに注意をする。そして心のどこかで思う。
その欠点、私譲りです。
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