ヌープ(24)石の行方
◆(24)石の行方
とにかく、このままでは、彼も、自分も、この子も死んでしまう。
私は、ある朝、鏡を見ながら、顔を叩き、覚悟を決めました。とにかく、進まなければいけない。
まず、問題は、居場所でした。ジョンは、不可抗力であっても、警官を死なせました。警察としては、どうあっても取り調べをしなくてはならならない事態です。私も彼を匿ったので、取り調べを受けるに違いありません。
しかし、身柄を何日も拘束されていたら、この生物が、成長して私も彼も死んでしまう恐れがある。私たちが、人と接触すると、ほかの人にこの寄生生物を感染させてしまう事も考えられました。
まず、アパートメントを離れて、モーテルに移動しました。そして、彼と一緒に情報を整理しながら、話し合いました。
ジョンは、男が「石を手放してから化け物が成長した。自分が乗っ取られないために石を返せ」というような意味の事を言っていたと話してくれました。その謎の男が言っていた事が正しければ、その石を身近に置くことで、この生物の成長が止まるのかもしれない。今の所、それに賭けるしかない。
ここで突然、気づきました。石を謎の男に返す事ができれば、少なくともジョンは男ともみ合って感染する事態は避けられたはずです。しかし、返そうにも、石は車から無くなっていた。なぜ、石は車から無くなっていたのか。そもそも、遺跡から盗まれたという、あの石は何なのか。
■第2部 子守歌
(21)寄生/(22)土と潜伏期間/(23)遺跡の異変/(24)石の行方/(25) スマートキー
