未来は自分で選び取るもの
スーパーカブ(6)
高校生活最後の日、卒業式。ぎこちなく厳かな式典のあと、私はポケットに忍ばせていたカブの鍵を手に、礼子と椎と3人で外に出た。私たちに残されたのは、「高校生」と「大人」のはざまの、わずかな猶予期間。その短い時間を余すことなく使って、これから新たに暮らす東京の街をカブで走り出した。
東京は私の知らないものばかり。有料の駐輪場、びっしりと並ぶ高層ビル、夜でもまぶしいほど明るい街路。山梨で走っていた頃とは全く違う景色に、私も友達もただただ圧倒されっぱなしだった。それでも、「道は走りながら決めればいい。だってそのほうが面白いから」という思いが、私の背中をそっと押してくれた。
新しい生活のはじまりを前に、進む道は一人ひとり違うかもしれない。それでも、カブとカブを通して繋がったかけがえのない2人の友達と一緒に、東京という未知の街を走る“卒業旅行”は、きっと一生忘れられない時間になる。
私は今、分かれ道の手前で、未来への期待と少しの不安を抱きながら、自分だけの道を走り出そうとしている。
スーパーカブ(6)
トネ・コーケン (著)
博 (著)
高校生最後の日、卒業式。小熊、礼子、椎の3人は窮屈な式典の終わりを合図に、ポケットからカブのキーを取り出した。
高校生から大人になるまでの、短い猶予。それを目いっぱい使って、自分たちがこれから暮らす街・東京を知るために3人はバイクを走らせる。有料の駐輪場、密度の高い建物群、夜になっても明るい道。東京の街は刺激的でなにもかもに圧倒されそう。
「道は走りながら決めればいい。だってそのほうが面白いから」
自分たちが見つけた、それぞれの未来。その分岐点はきっとすぐそこ。分かれ道までほんのひと時を、カブとカブで繋がる誰より近い2人の友達と走る、小熊の卒業旅行。
トネ・コーケン (著)
博 (著)
Amazonより
✻登場人物✻
小熊(こぐま)物語の主人公。山梨から東京への進学を決めたばかりの元高校生。孤独だった少女だが、スーパーカブや仲間たちとの出会いで人間関係が広がり、卒業を迎え大きく成長する。
礼子(れいこ)小熊の親友であり、同じくカブ乗りの少女。成績優秀・美形・スポーツ万能で裕福な家庭に育つ。芯が強く、時に小熊を引っ張る存在。東京での新生活にも意欲を見せる。
恵庭椎(えにわ しい)小熊・礼子の友人で、実家はカフェ経営。明るく社交的。「リトルカブ」乗り。卒業旅行でも小熊たちと行動を共にし、変化の多い日々のなかで支え、彩りを添える。
その他の登場人物 必要に応じて椎の両親(カフェ経営者)、高校の教師陣なども登場するが、第6巻では主に卒業直後の小熊・礼子・椎の三人旅が中心に描かれています。
★読むポイント★
卒業の「節目」と新たな挑戦
高校生活の終わりという大きな転換点と、東京という未知の都市へ飛び込むワクワクと不安。その“はざま”で揺れる心に共感しながら読むと、成長や決断の重みをより深く味わえます。友情と自立の旅
小熊、礼子、椎の3人が最後の時間を惜しむようにカブで東京を巡る姿は、単なる旅行ではなく、友情の絆とそれぞれの「将来への一歩」を象徴します。共に走りながらも、やがて訪れる“分かれ道”を思う切なさも見逃せません。東京という街のリアルな描写
地方出身の目線ならではの、東京に対する驚きや圧倒感。「有料駐輪場」「夜でも明るい道」など、発見の一つ一つに自分を投影すると、より物語が身近に感じられます。
★印象的な一言★
「道は走りながら決めればいい。だってそのほうが面白いから」
この小熊たちのセリフには、「迷いながらでも進んでみよう」「未来は自分で選び取るもの」という前向きなメッセージが詰まっていると感じました。
まとめ
この巻で自分の未来について考える勇気をもらいました。高校生活が終わる寂しさと、新しい世界への期待と不安が交錯する中、カブという“相棒”と親友たちと一緒に東京を走る卒業旅行が、小熊にとってかけがえのない財産であると強く感じたのです。
地方から東京に出てきた私も、初めて見る高層ビルやまぶしい夜道に圧倒されながら、「道は走りながら決めればいい」という気持ちで、一歩一歩進んできました。この物語は、環境や立場が変わっても、“行動してみること”の大切さ、新たな景色に目を向ける勇気を改めて教えてくれます。
今、「これからの道」を模索している人や、自分の進路に悩んでいる同世代こそ、『スーパーカブ(6)』を手に取ってほしいです。
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自己紹介
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