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地域の物産館は、「今しかない」が来る理由になる。

南小国町総合物産館きよらカァサに、春が来ています。
花わさび、タラの芽、ふきのとう、わらび、こごみ。

棚に並ぶものが、先週と今週で変わっています。
昨日なかったものが、今日ある。明日にはもうないかもしれない。

これが、地域の物産館の本質だと思っています。


季節感は、地域にしか出せない。

スーパーに行けば、一年中同じ野菜が並んでいます。

トマトもきゅうりも、季節を問わず手に入ります。便利です。でも何かが薄い。

きよらカァサの棚は、季節によって顔が変わります。

春は山菜。夏はトマト、なす、きゅうり。秋はきのこ、さつまいも、栗。冬は根菜と白菜。

「今しかないもの」が並んでいる。
それだけで、ここに来る理由になります。

旅先のスーパーに行きたくなる、という話を以前書きました。

地元の人が日常的に使う場所に、その土地の暮らしが見える。きよらカァサはそういう場所でありたいと思っています。

旅行者にとって「南小国の今」がわかる場所。
今この季節に、この土地で何が採れているのかが、棚を見るだけで伝わる場所。

季節感は、アルゴリズムには作れません。Amazonにも、大型スーパーにも出せない価値です。地域の農家さんが、その日の朝に収穫してきたものが並ぶ。

その鮮度と季節感は、ここにしかありません。

山菜を出荷してくれる人がいる、ということ。

きよらカァサに山菜が並ぶのは、早朝から山に入って採ってきてくれる方がいるからです。

タラの芽の旬は短い。少し時期を逃すと、もう開いてしまう。だから採れるときに採る。

その判断と行動が、棚に並ぶ一パックになっています。

値段にすると数百円のものが多い。
でもその数百円の裏に、その人の経験と、季節を読む力と、早起きして山に入る体力があります。

以前「値段をつけて初めて商品になる」という記事を書きました。山菜もそうです。

採ってきて、洗って、袋に入れて、値札をつけて棚に並べる。
その一連のプロセスを経て初めて、それは誰かの手に届く商品になります。

出荷してくれる方々の高齢化は、きよらカァサの課題の一つです。
10年後、この春の棚が今と同じように賑わっているかどうかは、今の私たちの取り組みにかかっています。

だからこそ、今年の春の山菜が並んでいることを、当たり前と思わずにいたい。

「今しかない」が、旅の動機になる。

旅行者が「また来たい」と思う理由の一つに、季節があります。
「春の山菜の時期にまた来よう」「秋のきのこが出たら行こう」季節ごとの楽しみが、リピートの動機を作ります。

一度来た人が、季節を変えてまた来てくれる。
その積み重ねが、観光地の底力になります。

きよらカァサに並ぶ春の山菜は、観光コンテンツです。

旅館の料理に地元の山菜が使われているとき、「これは今朝きよらカァサから届いたものです」という一言が、その料理の価値を変えます。
食材の背景が見える体験は、旅の記憶に残ります。

観光と農業は本当に相性が良いという記事を以前書きました。
きよらカァサはその接点です。

農家さんが育てたものが、旅行者の手に届く場所。
その橋渡しを、これからも丁寧にやっていきたいと思っています。

春の棚を、見に来てください。
今、きよらカァサの棚は春です。

ふきのとうは、もう少しで終わります。タラの芽は旬の盛りです。わらびはこれから増えてきます。今年はたけのこもたくさんあります。

一週間後には、また棚の顔が変わっているかもしれない。

「今しかない」ものが、今あります。

南小国に来たら、ぜひきよらカァサに寄ってください。
棚を見るだけで、この季節の南小国がわかります。
そしてできれば、何か一つ手に取ってみてください。

その一つが、出荷してくれた誰かの朝の仕事に、ちゃんと報いることになります。​​​​​​​​​​​​​​​​

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