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「休職」と「休業」はどう違う?人事担当者が押さえるべき定義と対応

こんにちは、日本綜合社会保険労務士法人の山田です。

人事担当者の皆さま、従業員から「病気で休職したい」「育児休業を取りたい」といった相談を受けたとき、「あれ、休職と休業ってどう違うんだっけ?」と、一瞬戸惑ったことはありませんか?

これらの言葉は似ていますが、実は法的な根拠や会社の対応義務が全く異なります。

この違いを理解しないまま対応してしまうと、思わぬ労務トラブルに発展する可能性があるので注意が必要。

そこで今回は「休職」と「休業」の明確な違いと、それぞれの人事担当者が押さえるべきポイントを解説します。


「休職」は会社のルール、「休業」は法律のルール

一番大きな違いは、その法的根拠にあります。

「休職」は、法律上の定めはありません。企業が労働者の個人的な事情(私傷病、留学、自己啓発など)に応じて、就業規則で任意に設ける制度です。

会社が従業員との雇用契約を維持したまま、一時的に労働義務を免除します。

一方、「休業」とは、労働基準法や育児・介護休業法など、法律で定められた制度です。

企業には、法律で定められた要件を満たす従業員からの申請があった場合、休業を認めなければならない義務があります。

違いのポイント:原因と対応義務

人事担当者が押さえるべき具体的な対応

「休職」と「休業」では、企業が取るべき対応も異なります。以下に、人事担当者が押さえるべき対応をまとめました。

1. 休職対応のポイント

休職制度を設けるかどうか、またその内容は、すべて就業規則で定めます。トラブルを防ぐために、以下の点を明確にしておくことが重要です。

休職事由:どのような場合に休職を認めるか(例:私傷病、留学、刑事事件による勾留など)
休職期間:休職できる期間の上限(例:勤続年数に応じて最長2年までなど)
休職中の給与・賞与:通常は無給としますが、その旨を明記する
復職条件:復職の可否を判断するためのルール(例:主治医の診断書、産業医の面談など)
期間満了時の扱い:休職期間が満了しても復職できない場合の扱い(例:自然退職とするなど)

特に私傷病休職の場合、従業員の体調回復を最優先に考え、主治医と連携し、復職に向けたサポートを丁寧に行うことが、円滑な復職につながります。

2. 休業対応のポイント

休業は従業員の法律上の権利です。適切な対応を怠ると、法令違反となるので気を付けましょう。

育児休業・介護休業
対象となる従業員から申し出があった場合、原則として拒否できません。給与は無給ですが、雇用保険から「育児休業給付金」や「介護休業給付金」が支給されることを案内し、手続きをサポートします。

また、社会保険料は被保険者分・事業主分ともに免除されます。

産前産後休業
出産予定の女性従業員から請求があれば、産前6週間(多胎妊娠の場合は14週間)、産後8週間は就業させてはなりません。

この期間も給与は無給ですが、健康保険から「出産手当金」が支給されることを案内します。

業務災害・通勤災害による休業
業務中や通勤中のケガ・病気により休む場合です。これは従業員の私傷病による「休職」とは全く異なり、法律で手厚く保護された「休業」です。

業務災害の場合は賃金の代わりに、休業開始から最初の3日間は、会社が労働基準法に基づき平均賃金の60%を「休業補償」として支払う義務があります。

4日目以降は、労働基準監督署(労災保険)から給与のおおむね8割に相当する「休業(補償)給付」が支給されます。

会社都合休業
会社の都合(経営悪化、設備の不具合など)で従業員を休ませる場合、労働基準法第26条に基づき、平均賃金の60%以上の「休業手当」を支払う義務があります。

正確な知識で安心の人事労務へ

「休職」と「休業」は、言葉は似ていても全く異なる制度です。

この違いを正しく理解し、就業規則を整備することは、会社が法的なリスクを回避し、従業員との信頼関係を築く上で不可欠です。

特に、育児や介護は多くの従業員にとって身近な問題であり、企業として適切な休業制度を提供し、手続きをスムーズに進めることは、従業員のエンゲージメント向上にも繋がります。

自社の休職・休業制度の運用に不安を感じたり、個別具体的なケースの対応にお困りの場合は、いつでも専門家にご相談ください。

正確な知識と適切な対応で、人事担当者の皆さまが安心して業務に取り組めるようサポートさせていただきます。

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