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社会保険適用拡大はチャンス!短時間労働者の戦力化と助成金活用法

こんにちは、日本綜合社会保険労務士法人の山田です。

人手不足が深刻化する中、「優秀なパート社員にもっと活躍してほしいのに、『扶養の範囲で』と就業調整されてしまう……」と、こうした「年収の壁」問題は、多くの企業様にとって共通の悩みではないでしょうか。

特に2024年10月の社会保険適用拡大により、この課題はより一層深刻化しています。

しかし、ご安心ください。この状況を打開し、むしろパート社員の戦力化と定着を図るチャンスに変えるための、新しい助成金「短時間労働者の労働時間延長支援助成金」が始まっています。

本助成金は中小企業事業主であれば一人当たり40万円、常時労働者30人未満の小規模事業者の場合は50万円となり、社会保険加入から1年経過後に昇給や、さらに所定労働時間を延長するなど要件に合致すれば追加の助成金も申請が可能になとなる助成金です。

小規模事業者や中小企業にとっては長らく雇用していたパートタイマーを労働時間を延長して社会保険に加入させる場合に本助成金が活用できるので、大変活用しやすい助成金となっています。

そこで今回は、この助成金を最大限に活用し、企業の成長につなげるための具体的な方法を、最新情報を交えて解説します。


「短時間労働者の労働時間延長支援助成金」とは?

この助成金は、いわゆる「年収の壁」を意識せずに働ける環境づくりを後押しするために新設された制度です。

パート・アルバイトといった短時間労働者が、手取りの減少を気にすることなく労働時間を延長し、社会保険に加入できるよう、事業主を支援することを目的としています。

助成金のポイント:時給アップは不要!

この助成金の最大のポイントは、賃金の引き上げ(時給アップ)が必須ではない場合もあるという点です。

従来のキャリアアップ助成金の多くのコースでは賃上げが要件でしたが、この制度はより活用しやすくなっています。

具体的には、以下の要件を満たすことで助成金の対象となります。

  1. 対象者:同じ事業所で6ヶ月以上継続して雇用されている非正規雇用の労働者(パートタイマー等)

  2. 取り組み:週の所定労働時間を5時間以上延長し、新たに社会保険(健康保険・厚生年金保険)に加入させる

  3. 申請タイミング:労働時間を延長し社会保険に加入後、さらに6ヶ月間継続して雇用した後に申請が可能

つまり、既に半年以上勤務しているパートの方に「週5時間以上長く働きませんか?」と提案し、社会保険に加入してもらう。

そして半年後、助成金が支給されるという流れです。

【重要】2025年度の特例措置について

「うちはキャリアアップ助成金の計画を既に出しているけれど…」という企業様、必見です。

本助成金は新しい制度ですが、経過措置として、2025年度のキャリアアップ計画で「社会保険適用時処遇改善コース」の実施を届け出ている場合、その計画をもって本助成金の対象とすることができます。

改めて計画を出し直す必要はありませんので、既存の計画を活かしてぜひ活用をご検討ください。

実務上の影響・確認ポイント

助成金の申請を円滑に進めるために、以下の点は必ず確認しましょう。

対象となる「短時間労働者」の確認
貴社で6ヶ月以上雇用しているパート・アルバイトの方が対象です。該当者をリストアップしてみましょう。

就業規則・雇用契約書の整備
労働時間の延長は、従業員との合意の上で雇用契約書を適切に更新する必要があります。口約束ではなく、必ず書面で残しましょう。

労働時間管理の徹底
「週5時間以上の延長」を客観的に証明するため、タイムカードや勤怠管理システムによる正確な労働時間の記録は不可欠です。

社会保険加入手続き
従業員が新たに社会保険に加入する際の事務手続き(日本年金機構への届出など)を、漏れなく正確に行いましょう。

従業員との丁寧な合意形成
最も重要なのが、従業員本人とのコミュニケーションです。

労働時間を延長するメリット(収入増、将来の年金額増など)を丁寧に説明し、納得してもらった上で合意することが、後のトラブルを防ぎ、従業員のモチベーション向上にも繋がります。

自社で今すぐ行うべき対応ステップ

「この助成金、うちでも活用できそう!」と感じたら、今すぐ以下のステップで準備を始めましょう。

ステップ①社内の短時間労働者の洗い出し

勤務期間、現在の勤務時間、社会保険の加入状況、そして「本当はもっと働きたいか」という本人の意向を確認・整理します。
入社から時間が経っている人ほど、例えばお子さんの状況変化によりもっと働きたいと思っておられても、機会がないと申し出できないケースもあり得ます。

ステップ②労働時間延長のシミュレーション

対象となりそうな従業員について、週5時間以上労働時間を延長した場合のシフトや業務内容を具体的にシミュレーションしてみましょう。

ステップ③キャリアアップ計画の確認

既に提出済みのキャリアアップ計画に「社会保険適用時処遇改善コース」が含まれているか確認します。含まれていない場合は、労働局へ変更届を提出しましょう。

ステップ④厚生労働省の最新情報をチェック

公式サイトで最新のパンフレットやQ&Aを確認し、制度の詳細な要件を把握しておくことが重要です。

助成金活用の鍵は「計画的な準備」にあり

この助成金は、人手不足に悩む企業にとって、まさに渡りに船の制度です。

就業調整によって失われていた労働力を確保し、意欲ある従業員の定着を促進することで、組織全体の生産性向上に直結します。

まずは、あなたの会社の事業計画や人材育成の方針に照らし合わせ、「この助成金で何を達成したいのか」という目標を明確にすることから始めてみてはいかがでしょうか。

▼厚生労働省「キャリアアップ助成金」情報はこちら

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