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四角いやつを、全部読んだ

ちょっとだけ、
苦言めいたことを
書いてもいいでしょうか。

叔母は、
裁判が今どうなっているのかを、
ほとんど理解できていませんでした。

なぜなら、

弁護士先生から送られてくる
メールの添付ファイルが、
そもそも読めなかった。

例の、
四角いやつです。

叔母は70代。

デスクワークの経験もなく、
パソコンとはほぼ無縁の生活。

しかも、
人一倍“気遣いの人”です。

「先生に迷惑をかけちゃいけない」

「こんなこと聞いたら悪いわよね」

そうやって、
わからないことを
わからないと言えずにきたようです。

結果。

弁護士先生が
何をしてくださっているのか。

裁判が今、
どこまで進んでいるのか。

よくわからないまま、
メールにくっついてくる

“四角いやつ”

だけが、
どんどん増えていった。




しかも叔母にとって、
デジタルというものは
ちょっと怖いらしい。

テレビでは、

「SNSは危険」

「知らないものは開かない」

「個人情報が抜かれる」

なんて話をよく耳にする。

叔母の中では、

添付ファイル=危険物。

下手に触ったら、
ウイルス感染。

情報漏洩。

下手すると、
スマホ爆発。

……くらいの勢いだったのかもしれません。

そりゃ、

四角いやつも
開けませんわ。




でも、
裁判の内容がわからなければ、

「あの人なら知っているかも」

「あのとき、こんなことがあった」

という記憶も、
なかなか出てこない。

こちらから
出せるかもしれない資料や証言も、
何が必要なのかわからなければ、
思いつきようがありません。

そこで、
私も腹をくくりました。

弁護士先生と面談して、
これまでの書類を読み、
さらに開示で出てきた、
約3,000ページ。

……。

3,000ページ。

読むんかい。

読みました。

全部。





そして、
内容をひとつずつ叔母に説明しました。

すると。

さっきまで、

「もういいのよ……」

なんて弱気になっていた叔母の目が、
突然、
ギラッ。

「私、証人になってくれる人、
探してみるわ」

え。

今!?

そこからの叔母は早かった。

本当に、
自分で証人になってくれそうな方を
見つけてきたのです。

おお。

ロボコン、
ここにきて急成長。

70代の本気、
なかなか侮れません。




私はその方にお話を聞くため、
質問事項をまとめ、
実際に面談し、
回答を整理。

ついでに、
弁護士先生に確認していただくための
陳述書のたたき台まで作ってみました。

で。

やっている途中で、
ふと気づいたんです。

……私、

こういう作業、
けっこう好きかもしれない。

バラバラに散らばっている事実を集めて、
順番に並べて、
ひとつずつつなげていく。

なんだか、
数学の証明問題みたい。

ちなみに私は、
数学は得意ではありませんでした。

公式を覚えず、
毎回ものすごく回りくどい説明を書いて、
先生からもらうのは、
だいたい三角。

今回も、
やってることは
あまり変わってない気がする(笑)

ただし、
今回は三角をもらっても
終われません。

テストじゃないので。




松本清張から始まり、
火曜サスペンスになり、

気がつけば、
ちょっと半沢直樹。

……いや。

百倍返しはしません(笑)

私たちがやるのは、
書類を読んで、
話を聞いて、
事実をひとつずつ整理すること。

それだけです。

でも、
叔母ひとりでは止まっていたものが、
少しずつ、
また動き始めました。

例の“四角いやつ”も、
今ではちゃんと
読める人間がついております。

そんなわけで、
叔母と私の裁判騒動、
現在も続行中。

さて。

この先、
どうなりますやら。




これまでの裁判のお話はこちら




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