決裁権を渡したのに誰も判断できない会社の問題
「決裁権は渡したはずなのに、誰も判断しない。」
そんな状態が続く会社は少なくありません。
制度上は権限委譲が進んでいる。役職も上がっている。
それでも実際の現場では、「これ、決めていいですか?」が繰り返される。
No.2や経営者の立場であれば、「なぜ権限を渡しているのに動かないのか」と感じたことがあるはずです。
もし問題が判断できない人材にあるなら、経験を積めば解決するはずです。
教育を増やせば、意思決定できるようになるはずです。
それでも現実には、決裁権を渡しても判断できる人は増えず、むしろ「上に戻る仕事」が増えていきます。
私は400社以上の組織と向き合ってきましたが、この現象にも共通点があります。
それは、「決裁権だけが渡されていて、判断の前提条件が渡されていない」ということです。
決裁権が機能しない会社で起きていること
多くの会社では、権限移譲はこう理解されています。
・役職を上げる
・決裁権を渡す
・現場に任せる
しかし実際の現場では、判断の基準が曖昧なままになっています。
その結果、現場はこうなります。
「これはOKなのかNGなのか分からない」
「前例がないから止める」
「念のため上に確認する」
一方で上司側もこうなります。
「判断基準がバラバラで怖い」
「一度見ないとリスクがある」
こうして、決裁権は存在していても判断できない組織が出来上がります。
「任せたのに決められない」の正体
この状態を多くの会社はこう捉えます。
・経験不足
・責任感不足
・能力不足
しかし実際には違います。問題は「決裁権の有無」ではなく、
「何を基準に決めていいか」が共有されていないことです。
つまり、
決めていい範囲がないまま権限だけ渡されている状態です。
これでは、どれだけ経験を積んでも判断は育ちません。
判断できない組織で起きる連鎖
この状態が続くと、組織は次のように動きます。
・判断が怖くなる
・確認が増える
・上司に戻る
・さらに基準が曖昧になる
・ますます判断できなくなる
最終的にこうなります。
「決裁権はあるのに、誰も決めない組織」
これは権限の問題ではなく、構造の問題です。
本当の論点は「権限の量」ではない
多くの会社は、権限委譲をこう改善しようとします。
・もっと任せる
・もっと裁量を広げる
・もっと自由にする
しかし本質はそこではありません。
重要なのは量ではなく設計です。
・何を基準に判断するのか
・どこまでが現場判断か
・どこから上位判断か
この線がない限り、権限は機能しません。
最後に
決裁権を渡したのに誰も判断できない会社は、
人の問題ではありません。
「決められない人がいる組織」ではなく、
「決められない構造の組織」です。
だから見るべきポイントは明確です。
権限を渡したかどうかではなく、判断の基準が渡されているかどうか。
その違いに気づいた瞬間から、組織は変わり始めます。
組織は、人ではなく構造で動いています。
■メンバーシップ「No.2経営ラボ」

この問題は単体では存在しません。
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▼二宮誠悟プロフィール
現役取締役。400社以上の組織と向き合い、組織を構造から読み解く。
▼No.2経営支援サービス
組織課題を可視化し、意思決定・権限設計・実行プロセスを再構築する。
▼組織のバグ100本Q&A(有料記事)
組織のバグを言語化し、組織を動かす判断軸へ体系化する。
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