🔴エスカレーションばかり増える会社は、何を間違えているのか
「決裁権は渡したはずなのに、誰も判断しない。」
そんな状態が続く会社は少なくありません。
制度上は権限委譲が進んでいる。役職も上がっている。それでも現場では、「これ、上に確認します」が繰り返される。
気づけば、あらゆる案件が上位者へ上がる前提で動くようになります。
No.2や経営者の立場であれば、「なぜ権限を渡しているのに、全部上に戻ってくるのか」と感じたことがあるはずです。
もし問題が判断力の不足にあるなら、経験を積めば解決するはずです。教育を増やせば、現場は自走するはずです。
それでも現実には、エスカレーションは減らず、むしろ増えていきます。
私は400社以上の組織と向き合ってきましたが、この現象には明確な共通点があります。
それは、「組織の中に位階構造としてのエスカレーション前提が埋め込まれている」ということです。
エスカレーションが増える会社の構造
※エスカレーションとは、現場で判断できない案件を上位者へ判断依頼として持ち上げることを指します。
多くの会社では、エスカレーションはこう説明されます。
・経験不足
・判断力不足
・責任感の問題
しかし実際には違います。
問題は個人ではなく、「判断の位階」が曖昧なことです。
つまり、
・どの階層がどこまで決めるのか
・どのレイヤーで止めるべきか
・どの判断が上位に上がるべきか
この階層設計がないまま、権限だけが配られている状態です。
その結果、現場はこう動きます。
「これは上に上げた方が安全だ」
上位側もこうなります。
「結局、自分が見ないと危ない」
こうしてエスカレーションは自然に増えていきます。
エスカレーションはミスではなく設計通りの動き
多くの会社はこう捉えます。
・現場が弱い
・幹部が育っていない
・判断ができない
しかし本質は逆です。
「上に戻るように設計された構造」があるだけです。
つまりエスカレーションは異常ではなく、正常動作です。
問題は止まる場所が設計されていないことです。
No.2が詰まる理由
この構造の中で最も負荷を受けるのはNo.2です。
・現場から判断が上がる
・社長に確認が集まる
・全部が中継される
結果としてNo.2は「判断する人」ではなく、「判断を集める人」になります。
本来は前に進める役割なのに、組織の通過点になってしまう。
これが慢性的な停滞を生みます。
なぜエスカレーションは止まらないのか
多くの会社は改善策としてこう動きます。
・もっと任せる
・もっと権限を広げる
・もっと自立させる
しかしそれでは止まりません。
必要なのは「権限の拡大」ではなく「位階ごとの判断境界の設計」です。
・現場で決めていい領域
・No.2で止める領域
・経営判断に上げる領域
この線がない限り、組織は永遠に上に上がり続けます。
最後に
エスカレーションが増える会社は、個人の問題ではありません。
「上に上げることが正解になる構造」が存在しているだけです。
だから見るべきポイントは明確です。
誰が悪いかではなく、どこで止める設計になっているか。
その違いに気づいた瞬間から、組織の動きは変わり始めます。
組織は、人ではなく構造で動いています。
■メンバーシップ「No.2経営ラボ」

この問題は単体では存在しません。
権限委譲、評価制度、会議設計、意思決定、教育制度。一見すると別々の課題ですが、実はすべて組織の構造でつながっています。
メンバーシップ「No.2経営ラボ」では、「組織のバグ」を一つずつ分解しながら、No.2が組織全体をどう見立て、どの順番で改善していくのかという判断軸をお伝えしています。
社長へ仕事を戻すNo.2ではなく、組織を前に進めるNo.2になるために。
▼二宮誠悟プロフィール
現役取締役。400社以上の組織と向き合い、組織を構造から読み解く。
▼No.2経営支援サービス
組織課題を可視化し、意思決定・権限設計・実行プロセスを再構築する。
▼組織のバグ100本Q&A(有料記事)
組織のバグを言語化し、組織を動かす判断軸へ体系化する。
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