口封じ①──現「被害者団体」の「報道ガイドライン」
全ての取材は事前に報告せよ/方針に反することは述べてはならない/報道機関には学習テキストを理解させろ/立場が違う場合、あるいは曖昧な場合も取材は受けない…
以下は、現在の被害者団体「森永ひ素ミルク中毒の被害者を守る会」の機関紙「ひかり」に掲載された記事である。
なお、この号では異例といえるカラー印刷で「新春対談」として1面に森永乳業副社長・片岡伸好氏と、守る会理事長・小畑芳三氏の対談が掲載されている。
「報道関係者への対応のガイドライン(抄)
2007年11月18日第4回常任委員会」
「守る会各級組織及び会員への新聞社・テレビ局・ラジオ局等報道関係者による取材に対する対応のガイドライン(指針)を次のとおり定めたので、取材があった場合はこの内容に沿って対応してください。
(1)報道にたいする基本姿勢
森永ひ素ミルク中毒事件の風化を防ぎ、食の安全について社会に警鐘を鳴らすという守る会の使命からすれば、報道されることは望ましいことである。しかし報道の側に正確な知識と公正で節度ある姿勢がなければ、かえって社会に間違った情報を流して誤解を招いたり、被害者をはじめ関係者に多大な迷惑をかけたりしてしまう恐れもある。われわれ自身が直接原稿を作ったりテープを編集するわけではなく、報道する側が独自の方針で作成したものが報道されるのである。そのような認識をもつならば、積極的な対応とともにそれ以上の慎重な対応が求められる。
(2)具体的な対応
①守る会組織への取材・・(組織及び組織の長への取材)(略)
②個人への取材
原則としてすべての取材について、事前に(取材を受ける前に)都府県本部に報告をする。都府県本部は全国本部に報告をする。
個人への取材は原則として統制しないが、明らかに守る会方針に反することを述べてはならない。
③2つ以上の組織が関係する取材(略)
(3)取材を受ける場合の留意点
①報道側の意図などを把握する。どういう切り口で報道しようとしているのか、またどのような立場に立った報道を企画しているのかを十分に把握する。守る会と相容れない立場に立っている場合や、あいまいな場合には受けない。
②記者(報道側)は、事件や事業についての正確な知識や理解がない場合がほとんどである。まず、歴史学習版などに基づいて説明し基本の理解を求める。
③撮影に際しては個々人の事情があるので、個々に了承を得ること。
④その他、不明な点や不安な点があれば、すみやかに全国本部事務局に連絡すること。」
太文字化は岡崎による
このガイドライン、「各級組織」という不自然な表現が登場する。
また「自由に意見を提示すると、被害者全体に害を及ぼす」という論理構造となっている。これが、個々の被害者にまで、心理的圧力を生じさせ、結果として委縮効果(自己検閲効果)をもたらす可能性は否定できない。
また、森永乳業との円満、協調を自ら演出している組織が、被害者の自由な意見で悪影響を被るとは、一体どういうケースを想定しているのだろうか?
被害者としての素直な苦しみ、救済がなおざりになっている現状、貧困な生活水準、加害企業への憤りを表明することが、仮に「守る会方針」に反するとしたら、それは、いったいどういうことだろうか?
「各級」の統制に違反して異論を口にすると…
では、具体的に、これに違反するとどうなるか?
以下のような「口撃」となるようだ。とくに、相手が自由な行動が困難な全身麻痺の重症被害者になると、容赦がない。
もちろん弁護士会に訴えられたため、今では学習して、やり方を変えているはずだが…。
以上
(口封じ②へつづく)
