【幕間】 リオコレクション①

【幕間】リオコレクション・ランキングセレクション

「さあ皆様、お待たせいたしました!」

レオンハルトが、妙に張り切った声を上げた。

「本日は特別企画——」

「リオコレクション・ランキングセレクションをお届けいたします!」

「何それ楽しそう」

クラリスが即座に乗る。

「やめろ」

ヴィクトルが、即座に止めた。

「その響き、嫌な予感しかしない」



「第3位!」

レオンハルトが勢いよく手を掲げる。

「伸縮式・雷撃指示棒!」

「それもう嫌な記憶があるんだけど!?」

真琴が間髪入れずにツッコむ。

「特徴は!」

クラリスが元気よく続けた。

「近距離でしか当たらないのに威力だけは一級品です!」

「最悪だな!?」



「第2位!」

「自動追尾型・魔力増幅リング!」

「ちょっと待て、それ何だ」

ヴィクトルの声が低くなる。

「使用者の魔力を勝手に吸い上げて——」

「やめろ」

「最大出力で放出します!」

「やめろと言っている!!」



「そして——栄えある第1位は!」

一瞬の間。

レオンハルトとクラリスが、満面の笑みで声を揃える。

「未完成型・多重属性連鎖魔導装置!」



「……リオ」

ヴィクトルが、ゆっくりと口を開いた。

「これは」

「国家転覆レベル兵器じゃないか」



リオは、肩をすくめる。

「まだ未完成だよ?」

「完成させるな」



「……それ、元はどこから持ってきたの?」

真琴が、ぼそりと聞いた。

リオは、少しだけ笑う。

「さあね」



「まあ、本体(オルフェウス)が見たら怒るだろうね」
真琴がしみじみと言った。

「軽く言うな」

ヴィクトルが即座に返す。

「怒られるレベルで済むのか、それは」



——その時だった。

「……皆さん?」

背後から、柔らかな声が響く。



「……フィオナ」

真琴が、小さく呟く。



にこり。



ヴィクトルが、すぐに姿勢を正した。

その目は、完全に“現場指揮官”のそれだった。

「フィオナ」

「出動を要請する」

「対象は『リオ及び真琴』出力最大」

一拍。

ヴィクトルは、静かに言い切った。

「怪獣聖女案件だ」



「——了解しました」

フィオナが、穏やかに頷く。



「全て、回収します」



「えっ」

「えっ」

「えっ」



その瞬間。

店の奥で、魔力反応が一斉に跳ね上がった。

バチッ——

ギィン——

ゴォォォ……

「……ちょっと待て、同時起動してないか?」

ヴィクトルの声が、わずかに引きつる。

「してるね」

リオが軽く答える。

「なんで!?」



「——下がってください」

フィオナの声が、静かに響いた。



光が満ちる。



次の瞬間——

すべての魔力が、強制的に沈黙した。



「……終わりました」



「…………」

誰も、言葉を発さなかった。



その日、王都の一角で観測された異常魔力反応は——

原因不明のまま、完全に消失したという。



「……で、これ何位まであるの?」

真琴が、ぽつりと聞いた。

「まだ続くよ?」

レオンハルトが笑う。

「やめろ」

ヴィクトルが即答した。



——数日後。

「店主〜、ちょっといい?」

「……懲りねぇな、お前」

カウンターの下で。

新しい隠し場所のマジックボックスが光った。

「もう、コレクションは見つからないからね💕」
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