【第6章】 幕間
【第6章】幕間 いつのまにか…
「一つ気になることがあるのだが」
と、アレクシス王子が聞いてきた。
「一つで大丈夫?」
真琴も最近は慣れたもので、こんな変事になっている。
「多分な。私の目がおかしくなければなのだが」
「はい。」
「蜘蛛増えてないか?」
「ああ」と真琴は、納得した風に答えた。
「間違いないですよ。増えてます。ダンジョンや遺跡、はたまた王宮もそうですけど、蜘蛛がいる所で仲間増やしてるらしいです。もう最近は、軍隊並みらしいですよ」
「隊長がしっかりしてるから、統率取れてますしね〜」って
クラリスも当たり前に言ってくる。
「蜘蛛だぞ?」
「蜘蛛ちゃんズです。訓練受けてない蜘蛛と一緒にしないでください」
クラリスに王子がまた怒られた。
「でもさ、実際に有能だぞ。見てみろよ、斥候してるし、トラップや罠の仕組みも調べてくるし、最近はレディーの接待もお手のもの」っとクラリスやフィオナに花を差し出す個体も。
「どこかの王子より使えるね」
リオの容赦ない言葉責めは、王子を膝まつかせるにいたった。
クラリスがダンジョンの調査書を書いている。
「ペンがない……」
すると横から蜘蛛ちゃんズが魔石ペンを持ってくる。
「ありがとう」
「……」
アレクシス。
「今、意思疎通したのか?」
「なんとなく分かりますよ」
「なんとなく?」
さらに、
紙を押さえる蜘蛛。
資料を運ぶ蜘蛛。
地図タブレットを持つ蜘蛛。
王子。
「……お前、召喚獣でも契約獣でもないよな?」
真琴いわく。
「私もよく分からない」
アレクシス王子がこの後、
「……私は魔物について、少し考えを改める必要があるようだ」
って言った。
蜘蛛ちゃんズが王子の肩に乗って、ポンポンと叩くが
「いや、そこはまだ早い」
って真琴がツッコミを入れた。
レオンハルトが冗談めかして言った。
「そのうち蜘蛛ちゃんズの帝国とか出来たりしてな。隊長が帝王だ。」
すると、隊長蜘蛛がゆっくり前へ出る。
そして――
胸を張った。
「……」
「え?」
真琴が固まる。
「今、絶対ちょっと乗ったよね?」
クラリスが眼鏡を押し上げる。
「否定できませんわね。」
リオが笑う。
「ほら、野心が芽生えた。」
「やめて。ほんとにやめて。」
「有能なのにね。それこそアレクシス王子が王様になった頃に王宮相手に『蜘蛛ちゃんズの逆襲』とか面白そうじゃん?」
「リオ、それ冗談にならないから」
みんな何故か納得の頷きが続いた。
そして、アレクシス王子が真顔で反論した。
「私は、逆襲されるような王政を敷くつもりはないぞー」
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