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"忙しすぎて戦略に手が回らない"人事が、優先順位を間違えている本当のところ

「毎日忙しすぎて、戦略まで手が回りません」
「採用も、研修も、労務も、全部回しています」
「気がつくと、夜の8時、9時になっています」

人事担当者の方から、本当によくいただくご相談です。

人事コンサルタントとして、5,000人を超える面接、数十社の組織支援、4名から100名超への垂直立ち上げを経験してきました。

その経験から、断言できることがあります。

ただし、最初に正直に告白させてください。

私自身も、人事執行役員時代、なんでも引き受ける人事でした。
事業運営まで兼任していた時期もあります。
「全部やります」「全部巻き取ります」が、私の口癖だった時代があるんです。

だから、今、忙しすぎる人事の方の気持ちが、痛いほどわかります。

そして、当時の自分に伝えてあげたいことを、今日は言語化したいと思います。

人事が「全部対応」してしまう、本当の理由

少し、深い話をします。

人事が「全部対応」を抱え込んでしまうのは、能力の問題ではありません。
スキルの問題でもありません。
時間管理の問題でもありません。

人事は、構造的に、断れない人が多い職種なんです。

私自身を振り返っても、そうでした。
顧問先の人事責任者の方を見ても、そうです。

人事に向いている方の多くは、こんな性質を持っています。

人から頼られると、断れない。
他人の幸せが、自分の幸せ。
個人の損得で考えずに、動いてしまう。
お世話好きで、誰かのために走れる。

これは、欠点ではありません。
むしろ、人事という仕事に求められる、最も尊い資質です。

だからこそ、人事は仕事を抱え込みます。
「あの部署が困っている」「あの社員が悩んでいる」と聞けば、走ってしまう。
誰よりも、組織のために、動こうとする。

その優しさが、結果として、自分自身を、ぼろぼろにしていきます。

忙しい人事には、二種類ある

ここで、一つ大切な前提をお伝えします。

忙しい人事には、二種類あります。

一つ目は、運用だけの人事。
二つ目は、戦略を持った人事。

両方とも、客観的に見れば、同じくらい忙しい。
退社時間も、似たり寄ったりです。

でも、組織にもたらしている価値は、まったく違います。

そして、ここからが重要なのですが、本人が"どちらの忙しさを生きているか"は、自分では、なかなか気づけません。

なぜなら、目の前のタスクをこなしている時、人は皆、自分は仕事をしていると感じるからです。

運用だけの人事とは、どういう状態か

正直に言葉にします。

運用だけの人事とは、こういう状態です。

採用するために、求人を作成しました。
研修するために、研修プログラムを発注しました。
評価面談するために、面談シートを準備しました。
退職対応するために、退職届を処理しました。

すべてが、「ために」という言葉で繋がっています。

そして、その先にある「なぜ」を、誰も問うていません。

なぜ、その人材像で採るのか。
なぜ、その研修内容なのか。
なぜ、その評価項目なのか。
なぜ、その人は辞めたのか。

ここを問わずに、目の前のタスクだけを処理し続ける。
これが、運用だけの人事の正体です。

厳しい言い方になりますが、敢えて書きます。
それは、「脳死の状態で、言われたことをやっているだけ」の状態です。

そして、多くの人事の方は、無意識のうちに、ここに落ちていきます。


戦略を持った人事とは、何が違うのか

では、戦略を持った人事は、何が違うのか。

たとえば、採用一つを取っても、こんな思考が走っています。

ペルソナは、誰か?
競合他社は、どこか?
競合の強み、弱みは、何か?
私たちは、言葉で、どうポジショニングを取るのか?
ペルソナに刺さるキャッチコピーは、何か?
入社後に活躍する人材の、定義は何か?
採用後のオンボーディングは、どう設計するか?

ここまで考えて、初めて求人票を書き始めます。

研修も、評価も、退職対応も、すべて同じ構造です。

目の前のタスクを処理するのではなく、目的から逆算して、タスクを設計する。

これが、戦略を持った人事の、唯一の違いです。

そして、この思考の差が、3年後、5年後、組織にとんでもない差を生んでいきます。

ここで、私自身の告白

ここで、もう一度、私自身の告白に戻らせてください。

私自身、人事執行役員時代、なんでも引き受けていました。
事業運営も兼任していました。

正直、当時の自分は、「全部やれる自分」が、誇らしくもありました。

でも、振り返ると、運用と戦略が、ぐちゃぐちゃに混ざっていたんです。

戦略を考えるための時間が、運用タスクで埋まり、
運用タスクをこなす中で、ふと「これは何のためにやっているんだろう」と思っても、立ち止まる余裕がない。

結果として、私が当時の組織で本当に成すべきだった戦略人事の仕事は、3割もできていなかったと思います。

体調を崩して、執行役員を退任した経験があります。
あの時、本当の意味で、自分が""運用に飲まれていた""ことに、初めて気づきました。

今、戻れるなら、当時の自分に、こう伝えたい。

「全部やらなくていい」
「あなたが本当にやるべき仕事は、もっと少ない」
「"やらないこと"を、先に決めなさい」

人事の本当の役割は、「やらないことを決める」こと

ここから、本題です。

人事の本当の役割は、全部やることではありません。

人事の本当の役割は、やらないことを決めることです。

これは、戦略の本質と、まったく同じです。
戦略とは、「やることを決めること」ではなく、「やらないことを決めること」だ、と言われます。

人事の仕事も、同じです。

何でも引き受けてしまう人事は、戦略を持てません。
「私はこれをやる、これはやらない」を、自分の言葉で語れる人事だけが、戦略人事になっていきます。


やらないを決めるための、二つの問い

では、何を基準にやらないを決めるのか。

私が、顧問先の人事責任者に必ず投げる、二つの問いを共有させてください。

一つ目。
「その仕事は、事業の未来に直結していますか?」

人事の業務は、突き詰めると、二つに分かれます。
事業の未来を作る仕事と、今日の組織を回す仕事です。

未来を作る仕事は、戦略人事のコアです。
組織を回す仕事は、運用です。

両方とも必要です。
でも、人事責任者であるあなたが、自分の時間の何割を"未来を作る仕事"に使えているか。

ここを、まず可視化してください。

二つ目。
「その仕事は、あなたでなければできませんか?」

人事責任者の方の業務を見ていると、その6〜7割は、他の方でもできる仕事です。

採用の日程調整、研修会場の手配、評価シートの取りまとめ、入退社の事務処理。
これらは、人事アシスタント、外部委託、人事システムでも、十分に回ります。

でも、人事責任者の方が、これらに時間を取られている限り、
本当に「あなたでなければできない仕事」に、時間を使えません。

人事責任者の方にしかできない仕事は、こういうものです。

経営者と、組織の未来の方向性を握る。
事業部の責任者と、要員計画を作り込む。
組織全体の人事ポリシーを言語化する。
採用ペルソナの定義と、ポジショニングの設計。
活躍人材の言語化と、評価制度への接続。

ここに、人事責任者の時間の8割を、注ぐべきです。


「断る」のではなく、「役割を再定義する」

ここで、優しい人事の方ほど、こう感じるかもしれません。

「でも、頼まれたら、断れません」

わかります。
私自身も、ずっとそうでした。

だから、こう考えていただきたいんです。

これは、「断ること」ではありません。
「役割を、再定義すること」です。

「私の役割は、こうです」
「だから、これは、別の方にお任せします」
「私は、こちらに集中させてください」

この一文を、経営者と握ること。
それが、人事責任者が、戦略人事に向かう、最初の一歩です。


人事責任者の方へ、最後の三つの問い

最後に、三つだけ、問いを残します。

・あなたの今日の業務は、事業の未来に、どれくらい直結していましたか?

・あなたの今日の業務のうち、あなたでなければできない仕事は、何割でしたか?

・あなたは、自分の役割を、経営者と、自分の言葉で握れていますか?

この三つに、自信を持って答えられないなら、忙しさの原因は、業務量ではなく、優先順位の不在の中にあります。



人事は、お世話する人ではなく、組織の未来を設計する人

最後に、もう一度。

人事は、お世話する人ではありません。
人事は、組織の未来を、設計する人です。

優しさは、人事の最大の資質です。
でも、その優しさを、目の前のタスクを引き受けることではなく、
「組織の未来に向けて、本当に大切な仕事を選び抜くこと」に、使ってください。

あなたの優しさは、運用に消費されるためにあるのではありません。
あなたの優しさは、組織全体を、より良い未来に連れていくためにあります。

明日の朝、出社したら、まず、こう自問してみてください。

「今日、私が本当にやるべき仕事は、何か」
「そして、やらないと決めるべき仕事は、何か」

その問いから、あなたの人事の仕事は、静かに、確実に、変わり始めます。


ーーー


ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

最初はみんな、副業は未経験です。
そこから挑戦して、成果を出す人と、出せない人に分かれます。

成果が出ない人の理由は明確です。
断片的な知識だけで動いているからです。

「どんな課題を解決できるか」の見つけ方も、
「どんな手段が最適か」の設計も、
すべて、構造で理解しなければ、再現性は生まれません。

私はこれまで、

・大手総合人材グループ企業でエリア統括・営業
・Webソリューション企業でマーケティング立ち上げ、採用責任者
・医療ヘルスケア領域で経営コンサル、執行役員
・現在は事業成長×人事戦略の伴走型コンサル

として、企業の採用と評価を、現場で見てきました。

だから断言できます。

副業未経験から月10万円が可能なのは、
「企業側が何を評価しているか」という構造を理解している場合のみです。

ただし、ブログでは、すべてはお伝えしません。
なぜなら、これは断片的に読むものではなく、構造で理解すべき内容だからです。

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