【第355回】 Marketing Cloud Next : 同意管理の「無効化」設定
Marketing Cloud Next Growth & Advanced Edition には、同意管理(Consent Management) の仕組みが標準で備わっており、プロモーションメールでは 事前にオプトインしている連絡先のみに対して、メールや SMS を配信 することが可能です。
同意管理の基本的な考え方や全体像については、以下の記事をご参照ください。
同意管理の無効化
「同意管理」は、セットアップ画面から無効化することが可能です。
ただし、ここで注意すべき点があります。
無効化したからといって、
アカウント全体のすべてのメールで、同意管理が完全に停止するという機能ではありません。
無効化後の挙動には、以下のような注意点があります。
注意点
無効化設定を行っても、すでにアクティブなフロー内のメールに設定されている同意管理が自動的に解除されることはありません。
無効化後であっても、メール送信時に「コミュニケーション登録」を設定した場合は、送信時に同意状況が確認されます。
トランザクショナル送信の場合
メール本文内に「プリファレンスマネージャー」のリンク差し込み項目
{!$link.PreferenceCenterUrl}
を 含めない限り、同意管理は適用されません。
つまり、このリンクを含めない場合は 常に送信されます。
※ これは製品仕様による挙動であり、不具合ではありません。
これらを理解したうえで、設定を行う必要があります。
設定手順
1. 同意管理設定画面へ移動
「設定」>「支援付き設定」>「チャネル」>「メール」から 「同意検証を管理」セクション に移動します。

2. デフォルト状態の確認
デフォルトでは、以下の状態になっています。
商用メール:有効
トランザクションメール:無効

3. 無効化の実行
トグルをクリックするとポップアップが表示されます。
ここで 「無効化」ボタン を押すと、メール送信設定時に 「コミュニケーション登録」の選択が必須ではなくなります。

※ この設定は、一度無効化しても 後から再び有効化することが可能です。
フロー上での設定
フロー上での設定はシンプルです。
コミュニケーション登録を「未設定」(何も選択しない)にしてください。

重要な注意点
何らかのコミュニケーション登録を設定した場合は、
セットアップで「同意管理」を無効化していても、
そのメールは必ず同意状況を確認したうえで送信されます。
いかがでしたでしょうか。
最後に、このテーマを以下のようにまとめます。
「無効化」の正しい意味合い
この「無効化」とは、
各メール要素でコミュニケーション登録を選択せず(未設定のまま)保存してもエラーにならなくするための仕組み
と理解すると分かりやすいです。
コミュニケーション登録を 未設定
→ 同意管理は参照されないコミュニケーション登録を 設定
→ その登録に対する同意管理が有効化され、同意状況が確認される
同意管理の無効化に対する考え方
同意管理の無効化については、いくつかの考え方がありますが、
私は基本的に無効化すべきではないと考えています。
これは、Marketing Cloud Engagement に置き換えると
「すべての購読者ステータス管理を放棄する」 のに近い状態だからです。
List-Unsubscribe ヘッダーとの関係
例えば、List-Unsubscribe ヘッダーによるワンクリック購読解除を考えてみてください。
この購読解除の意向を正しく受信するためには、コミュニケーション登録が必須です。
コミュニケーション登録を設定していない場合、
ユーザーが購読解除ボタンを押しても その意向は無視されてしまいます。
推奨する運用例
企業側で管理している独自の購読フラグを使いたい場合は、次のような運用が現実的です。
同意管理は有効化したままにする
レコードトリガーフローで 全連絡先を一旦オプトイン状態にする
(= Marketing Cloud Engagement の「すべての購読者」と同等の状態)セグメントやデータスペースフィルターで
購読フラグがオプトアウトの連絡先には送信しない 制御を別途行う
この方法であれば、
List-Unsubscribe ヘッダーによるワンクリック購読解除も正しく受信可能
同意管理は 「List-Unsubscribe ワンクリック購読解除を受け取るための仕組み」 として活用できる
というメリットがあります。
ちなみに補足ですが・・・
List-Unsubscribe ヘッダーによるワンクリック購読解除は、挙動としては標準の購読解除リンクと基本的に同じ仕組みで動作します。
具体的な動作ルールは次のとおりです。
コミュニケーション登録が指定されている場合
→ 指定されたコミュニケーション登録のみがオプトアウトされます。コミュニケーション登録が未指定の場合
→ 処理は無視され、実質的に何も起こりません。
ここで注意したいのは、表示される条件の違いです。
標準の購読解除リンクはトランザクションメールには配置できないため、この点が問題になることはほとんどありません。
一方、List-Unsubscribe ヘッダーによるワンクリック購読解除ボタンは、プロモーションメールかトランザクションメールかを問わず、メーラー側の判断で表示される可能性があります。
この場合、トランザクションメールは通常、コミュニケーション登録を設定せずに送信されるため、受信者がワンクリック購読解除ボタンを押しても、その操作は結果的に無視されます。
特に重要なのは、顧客自身はその操作が「無視された」ことに気づけないという点です。
この挙動を理解しておくと、「購読解除したはずなのに解除されていない」といった問い合わせが発生した際のトラブルシューティングに役立つ場合があります。
まとめ
「同意管理の無効化」は 完全な停止ではない
無効化の本質は 「未設定で保存できるようにするための設定」
長期的・健全な運用を考えるなら、同意管理は有効化したままの運用が推奨
今回は以上です。
