【第304回】 Marketing Cloud Next : 「Einstein 決定」要素の登場
新機能 Summer '25 リリースで、Flow Builder に新たな AI(Einstein)活用型の決定要素「Einstein Decision」(Einstein 決定)が追加されました。この機能により、Einstein Engagement Scoring と Einstein Engagement Frequency の 2 つの AI 分析を活用した分岐を簡単に構築できます。

Einstein Decision の特徴
Marketing Cloud Engagement を利用中の方には、馴染みのあるインターフェースですが、これまで面倒だった設定が大幅に簡略化されています。
これまでは手動でパスを 1 つずつ設定する必要がありましたが、Einstein Decision を使えば、ボタン操作だけでパスが自動生成されます。
例えば、Einstein Engagement Scoring の ペルソナ分岐 を選択すると以下のようになります。

不要なパスは簡単に削除可能です。不要な選択肢に悩まされることはありません。

ペルソナ分類の活用例
以前の記事で触れた購読者のペルソナ分類を再掲し、各タイプに応じた戦略例を改めて紹介します。
Loyalist(ロイヤリスト)
開封・クリックの可能性が共に高い
最もパフォーマンスのよい受信者に似たオーディエンスを作成する
送信頻度を上げる
限定オファーを送信する
Selective Subscriber(選択的購読者)
開封は少ないが、クリックの可能性が高い
件名行の最適化をテストする
過去の購入に基づいてパーソナライズする
Window Shopper(ウィンドウショッパー)
開封は多いが、クリックの可能性が少ない
パーソナライズとレコメンデーションを加えて送信する
異なる CTA をテストする
対象を絞ったインセンティブを試す
Winback/Dormant(離脱/休眠)
開封・クリックの可能性が共に低い
Yes / No 系の簡単なアンケートを送信する
異なるチャネル(SMS や WhatsAppなど)を試す
オファーを含むウィンバックキャンペーンを実行する
注意:
データが存在しない連絡先は「デフォルトの結果」のパスに流れます。
Einstein Engagement Frequency の場合も同様に対応されます。

不要なパスの削除もワンクリックで簡単に実行できます。

Einstein Engagement Frequency の分類の仕組みも大事ですので、こちらも再掲しておきます。
頻度分類の活用例
Einsteinは、過去 28 日間の Promotional 分類のメールエンゲージメントデータを分析し、配信頻度を以下の 4 つに分類します。
Saturated - 飽和(配信回数が多すぎる場合)
開封率やクリック数を基に最適な配信回数を提案。購読者のストレスを軽減。
Almost Saturated - ほぼ飽和(飽和に近い場合)
配信頻度が「飽和」には達していないが、やや高い状態。
On Target - 達成(配信回数が妥当な場合)
現状維持で成果を最大化。
Undersaturated - 未達(配信回数が少なすぎる場合)
配信頻度を増やして売上拡大の機会を広げる。
注意:
データが存在しない連絡先は「デフォルトの結果」のパスに流れます。
機能の有効化 - データグラフの設定
最後に、データグラフの設定方法について説明しておきます。以下のデータグラフの設定が完了していないと、フローで「Einstein Decision」が有効化しません。⚠️
Unified Individual を「プライマリーデータモデルオブジェクト」として設定します。
まず、Unified Link Individual をブリッジとして設定し、Individual を接続します。
さらに、Contact Point Email を接続すると、以下の指標を利用できる環境が整います。
Email Engagement Frequency
Email Engagement Score

※ これらの指標はメールアドレスをキーとしてデータが蓄積される仕組みを採用しているため Contact Point Email との接続が重要なポイントです。
Email Engagement Frequency の設定
Email Engagement Frequency を使用する場合は、以下の項目を選択します。
Email Engagement Classification
この項目に、評価された後の「配信頻度分類」のデータが格納されます。

Email Engagement Scoring の設定
Email Engagement Scoring を使用する場合は、以下の項目を選択します。
Email Engagement Persona
Email Open Likelihood
Email Click Likelihood
Email Subscribe Likelihood
これらの項目に、評価された後の「ペルソナ分類」や「エンゲージメント可能性(Likelihood)分類」のデータが格納されます。

いかがでしたでしょうか。
これらの AI 機能(Einstein Engagement Scoring や Einstein Engagement Frequency)は、一度データグラフを設定すれば、必要なときにすぐ活用できる便利なツールです。ぜひ積極的に活用して、効率的なマーケティング活動に役立ててください。
なお、今回の機能は Advanced Edition 限定の機能 になりますので、注意してください。
今回は以上です。
