【笑える英文法物語】代名詞戦隊ワタシーズ ⑤ S怪人が友達を連れてやってきた 前編
こちらの続編です♪
「eとかいらな〜い」
マイが眉をしかめて紙切れを見た。
それはS怪人が残したものだった。
「 y を i に変えてes?何これ! i もいらない!」
アイが叫ぶと、ミーが首を横に振った。
「アイさん……そんな、自分をいらないだなんて。何があったんですか?相談に乗りますよ」
「そういう意味じゃねーし!」
アイが吹き出しながらツッコんだ。

「ミーちゃん、小テスト満点だったんでしょ?このsh とかch とか全部覚えたの?」
マイは驚きの顔でミーを見る。
「はい、テスト前に。でも忘れました」
ミーの返答にアイとマイは爆笑した。
「だよねー!ずっと覚えてるなんてムリムリ!」
マイが笑いながら言ったとき、周りの景色が暗転した。
「グ……グラマーワールド?なんで?暗記するだけでしょ?」
周囲の変化にアイが驚きの声を上げる。
例によって三人はワタシーズコスチュームになっていた。
「ヒーッヒッヒッヒ!まだつまずいていたとはなぁ」
聞き覚えのある声。
「S怪人!」
アイが不安定なS型フォルムを睨むと、そこにはe型とi 型の怪人もいた。
「つまずいたんじゃないよー。ただちょっとだけ書き方をミスっただけだもーん」
マイがベーっと舌を出す。
「違うな。英語を『書ければいい』と思っているから間違えたんだよ」
S怪人はニヤニヤ笑った。i 怪人、e 怪人も不敵な笑みを浮かべている。
「どういう意味ですか?」
ミーが疑問を口にした。
「スペルと発音は連動しているということだ!キェェェェ!」
S怪人が問題を飛ばしてきた!
問題
次の動詞に三単現の「 s 」を付けよ。
1. go
2. like
3. play
4. wash
5. come
「ただ s を付ければいいだけじゃないかぁ!」
アイが叫んで答える。
1. gos
2. likes
3. plays
4. washs
5. comes
「どうだぁ!」
アイの解答にe怪人の目が光る。
「イーッヒヒヒ!」
素早い動きでアイを2回刺した!
「うわぁぁぁ!」
崩れ落ちるアイ。
「アイちゃん!」
マイがアイに駆け寄る。

「だ……大丈夫。まだ……やれる」
ふらつきながら立ち上がるアイ。
「S怪人さんからもらった紙切れがありません!」
ミーが慌てて周囲を探す。
「ヒヒヒ。これのことか?」
S怪人の手に、その紙切れがあった。
「い……いつの間に?」
「元々オレの紙だからな。戻しただけの話」
うろたえるミーに、S怪人はニヤリと口元を歪めた。
「一回くれたものを奪うなんて!詐欺!泥棒!引っかけ問題ぃぃ〜!」
マイが涙を浮かべながら文句を言う。
——引っかけ問題?
アイとミーには、その叫びこそが引っかかった。
「何とでも言え!全問正解しないとその問題たちは消えないぞ。さあ、どうする?」
S怪人の周りを飛び交う5問の問題を睨む三人。
「くそっ!あの紙さえあれば……」
奥歯を強く噛みしめるアイ。
「また勘で答えてみる!」
マイが前に立とうとするのをミーが止めた。
「待ってください。先ほど怪人さんは『スペルと発音は連動している』と言ってましたよ」
「発音?」
アイがミーに訊いた。
「それぞれの単語の書き方だけでなく発音をしてみましょう」
ミーが小声で二人に囁く。
「何をコソコソと言っている?攻撃しちゃうぞ?」
S怪人が手を振るおうとした瞬間……
「ちょっと待ってて!」
マイの鋭い視線が怪人を刺す。
「よ……よし。ちょっとだけ待ってやる」
S怪人は気おされて攻撃の手を止めた。
go ゴー
like ライク
play プレイ
wash ウォッシュ
come カム
「『 s 』は『ス』か『ズ』だよね?」
アイが眉をしかめながら発音してみる。
「『gos』だと『ゴズ』? なんか『ゴーズ』って言いたいよね?」
マイは空中にgosと書きながら考える。
マイの言葉にミーはハッとした。
「もしかしてesの『e』は余韻ではないですか?」
「余韻?」
アイとマイがミーに目を向ける。
「『gos』では『ゴズ』と読めてしまう。『ゴーズ』って伸ばして読んでいいよ、っていう意味ではないでしょうか」
ミーの解説にアイはポンと手を打った。
「なるほど!そこでeの登場か!じゃあ他は?」
アイの疑問にマイが口を開く。
「likesライクス……言いやすい。playsプレイズ……言いやすい。でもwashsウォッシュズって言いづらい!」
マイの発見にミーが眉を開いた。
「そうです!単語の最後が『sh(シュ)』とか『ch(チ)』とか息が抜ける音だと『ス』や『ズ』は言いづらいんです!」
その時、S怪人の叫びが聞こえた。
「もう時間切れだ!この攻撃を受けてみろぉぉぉ!」
問題が再度飛んできた!
「私に任せてください!」
ミーが前に立つ。
「答え、行きます!」
1.goes
2.likes
3.plays
4.washes
5.comes
ピンポ〜ン
大きな赤丸と共に問題は砕け散った。
「や……やりました!」
二人を振り向いて喜ぶミー。
「ミーちゃん!やったー!」
ミーに抱きつくマイ。
「よしっ!」
ガッツポーズをとるアイ。
「ふふふ。少しは分かったようだな。しかし、これはどうだぁ!」
問題
次の動詞に三単現の「 s 」を付けよ。
enjoy
study
「わたしに任せて!」
マイが自信満々で前に出た。
「enjoysエンジョイズは言いやすいけど、studysスタディズはスタディーズって伸ばしたい!だから……」
6. enjoys
7. studyes
「どうだぁぁぁ!」
叫ぶマイに、今度は i 怪人が押し寄せる。
「ど……どうして?」
目に見えないほどの鋭い攻撃がマイを襲った!
「キャァァァ!」

後ろに飛ばされるマイ。
「マイ!」
「マイさん!」
アイとミーがマイのもとへ走る。
「キッキッキ。バカめ!また行くぞぉぉ!」
S怪人の目が光った。
「アイさん!マイさん!」
ミーが必殺技スティックを二人の前に差し出した。
アイが希望を目に宿して杖を掴む。
マイも力を振り絞って何とか掴もうと手を伸ばす。
そこへ問題が飛んできて必殺技スティックを弾き飛ばした。
「あっ!」
ミーの声が悲痛に響く。
アイが取りに行こうと走るが、i 怪人が行く手を阻んだ。
「どけぇ!」
アイは i 怪人を振り払おうと手を振る。
しかし怪人は嘲笑うようにヒラリとかわした。
「その手は食わないよ~ん。前はその杖でやられたからね」
S怪人の笑いがグラマーワールドに響いた。
e 怪人が笑いながら必殺技スティックを拾う。
「そ……そんな」
ミーは愕然として膝をついた。
「返せぇ!」
e 怪人に飛びつこうとするアイ。
「必殺技などに頼らず、自分たちの頭で考えるんだな!イーッヒッヒ!」
e 怪人は難なくかわして距離をとる。
そこへ、二手に分かれた問題が三人をめがけてうなりを上げて襲ってきた。
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