【駐在員の本音】“出張という逃げ道”──会社の経費で帰省する人たち
第61話
アメリカ拠点で働くようになって3年目。
現地チームの業務や出張申請を見ていると、
気づけば“別の動き”が生まれていることに気づく。
それは現場の改善でも、売上拡大でもない。
「どうやって日本に帰るか」という戦いだ。
出張という名の帰省
アメリカに駐在しているのに、
月に一度は日本に出張している人がいる。
理由は「本社との調整」「報告会への出席」。
けれど実際は、数時間の会議と旧友との飲み会だけで終わる。
空港で「今月もハードだった」と言うその表情には、
どこか誇らしげな色が混じっている。
経費で帰る国
航空券もホテルも会社負担。
休暇をうまく挟めば、日本で家族と過ごすこともできる。
マイルも貯まり、出張は“無料の一時帰国”になる。
それを「効率的」と言う人もいるが、
実際には、制度の隙を突いただけの小さな逃避だ。
忙しさの演出
現地にいる時間は減っていくのに、
口を開けば「今月も日本出張でバタバタでさ」と笑う。
報告書には“対面での協議が必要”と書かれているが、
実際はオンラインでも済む内容ばかりだ。
忙しさは、努力ではなくステータスになっている。
出張報告書の行間に
出張報告書を見れば、また同じスケジュール。
3日間の会議、週末を挟んでの帰国便。
それが繰り返されるうちに、誰も何も言わなくなった。
彼らを見ていると、ときどき考える。
忙しさを口実に、日本へ帰ることが“目的”になっていないかと。
それを指摘できない自分にも、少し苦いものが残る。
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