【駐在員の本音】“Benefit”という名の自由─ルールを緩める上司たち
第62話
アメリカ拠点のHR会議で、
ローカル社員の出張規定を初めて見たとき、思わず手が止まった。
2週間を超える出張なら、
週末に自宅へ戻る航空券が会社負担。
「Work-life balanceの一環です」とHRは穏やかに言う。
それが制度として、当然のように運用されていた。
週末帰省も、家族同伴も「Benefit」
さらに驚いたのは、海外出張の帯同ルールだった。
休暇を組み合わせて家族を連れて行くことも、
ホテル代をシェアすれば問題なし。
日本なら“公私混同”とされることが、
ここでは**“社員の幸福を守る仕組み”**として認められている。
本来ストッパーであるべき人たち
制度を見れば、細部には明らかにグレーがある。
本来なら上司がそれを管理するはずだ。
だが、実際には「OK」と言ってしまう上司が多い。
なぜなら、自分もいつかその制度を使いたいから。
ルールを守る側が、ルールを緩める側に回っている。
その柔らかさこそが、アメリカ式の「守り方」なのかもしれない。
冷たさの裏にある温かさ
確かに、レイオフという言葉が飛び交う国だ。
でも、日常では驚くほど社員が守られている。
家庭を優先する人にも、病気で休む人にも、
誰も眉をひそめない。
日本のような“無言の圧力”は、ここにはない。
自由の線引き
僕も同じようにしてみたいと思う。
けれど、どこかでブレーキがかかる。
「それは会社のお金じゃないか」という感覚が抜けない。
会社に守られているのは、
日本企業なのか、外資系企業なのか。
それとも、日本人の中にある見えないストッパーなのかもしれない。
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