【駐在員の本音】静かに消える朝——レイオフを見送る日
第58話
朝9時のSlack通知
出社して10分後、チャンネルに「We’ll miss you」の絵文字が並び始めた。
名前の横に「アカウント無効」。
それが、別れのサインだった。
昨日まで普通にミーティングをしていた同僚が、今日の午前にはもういない。
たった2時間で
上司が呼ばれ、彼女は静かに席を立つ。
ランチの約束をしていたのに、もう彼女のPCはロックされていた。
社員証も回収され、オフィスのドアが開かない。
こんなにも急に、人は消えるのか。
その速さに、感情が追いつかない。
駐在員の立場から
僕は契約上、守られている。
でも守られている分だけ、何も言えない。
「大丈夫?」と声をかけることもできず、
ただそのデスクを横目に、コーヒーを飲むしかなかった。
静まり返ったオフィスで、キーボードを叩く音だけが響く。
夕暮れのガラス越しに
街の灯りがともり始める。
モニターに映る空席。
明日もその椅子は、誰も座らないまま。
光と影の境目に、今日の出来事だけが滲んでいた。
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