音読 『感受体のおどり』 第158番
第158番を音読します。
(前半は略) 一人のまま子を知っていた. (以下は略)
第158番: ともだち(夢霧(・霧根))
この章で語られる人物は、「私」の子ども時代の同級生・夢霧。美しい名前です。周囲が勝手に夢想する「まぶしいまま子性(本文より)」のおかげで、ある程度の年齢までは同級生にリスペクトされて過ごせた夢霧。
「まぶしいまま子性」って、そもそも何でしょう?
子どもの頃のことを私自身思い出してみると、親から怒られた後に一人でぶーたれてるとき、「私は実の子供じゃないんだ、きっと違う家からもらわれてきたんだっ」とひねくれてると、本来あったはずの別の人生、もっと恵まれてる、怒られない人生があったのではないかという空想に助けられて、なんか落ち着いた気がします。そんな気分を同級生が夢霧に当てはめてる・・という感じかなと思いました。
不思議な文章の作りなのを、そもそも承知で読み続けている『感受体のおどり』ですが、夢霧についての語りが終わる、ここもおもしろい。
静かな,いわば余生に入っていった.
これでこの段落は終わっても良さそうですが、あと一文、
夜のゆめでだけあるいはふふくな.
どのような情景を思い浮かべるか、どんなトーンで音読するか、ちょっととまどいました。
夢霧という人の過去・現在・未来を余さず書き記したいと工夫した末の、このような文章なのだろうなあ、と思いました。
実は夢霧のエピソードは、同じく「霧」の字がつく、自らの意思と才能で上昇してゆく人・霧根のエピソードにはさまれています。
霧根はたけりつづけていた.
「霧」に包まれている人物たちのエピソードに紛れていますが、主人公の「私」、実は忘れ物の常習犯らしい。
数千びょうをどうやってごまかしてすごそうかとおもいわずらうのにも馴れていたのだが,
どうして「うわのそら(本文より)」で過ごしているのでしょう? 例えば第147番にその内面が。
第147番と関連したエピソードは、第29番にも。こちらは「ためし読み」できます。
漢字は
血族(けつぞく) 中傷(ちゅうしょう) 脆(もろ)さ
養家(ようか) 極上(ごくじょう) 馴(な)れて
精確(せいかく) 嗅(か)ぎあう 推(お)された
養(やしな)い 零落(れいらく) 凡庸(ぼんよう)
など。
