停電時のトイレ対策|困る前に備える基本
災害時に困ることはいろいろあります。
水。
食料。
明かり。
スマホの充電。
暑さや寒さ。
その中でも、実際に起きるとすぐに困るのが「トイレ」です。
トイレは、我慢し続けることができません。
家族がいれば、使う回数も人数分だけ増えます。
高齢の親や子どもがいる家庭では、なおさら不安が大きくなります。
防災というと、水や食料の備蓄が先に思い浮かびます。
でも、在宅避難を考えるなら、トイレの備えは水や食料と同じくらい大切です。
※在宅避難では、トイレだけでなく、水・明かり・スマホ充電・暑さ対策などもあわせて考えておくと安心です。全体の備えについては、こちらの記事でまとめています。
今回は、停電時や断水時にトイレで困らないために、家庭でできる基本の備えをまとめます。
停電時でもトイレが使えるとは限らない
「停電」と聞くと、明かりやスマホ充電の心配をする人が多いと思います。
もちろん、それも大切です。
ただ、停電や災害の状況によっては、トイレにも影響が出ることがあります。
戸建てでも、断水すれば水洗トイレはいつも通り使えません。
集合住宅では、停電で給水ポンプが止まることがあります。
地震のあとには、排水管や下水管が傷んでいる可能性もあります。
つまり、便器が壊れていなくても、いつも通り水を流せるとは限らないということです。
特に集合住宅では、排水管の損傷に気づかず水を流すと、下の階で汚水があふれるおそれがあります。
災害時は、
「水があるから流せる」
ではなく、
「流してよい状況か確認する」
ことが大切です。
※断水時は、トイレだけでなく、飲み水や生活用水の備えも大切です。水の保存量や使い方については、こちらの記事で詳しくまとめています。
トイレを我慢すると体調にも影響する
トイレが使えないと、人は水分を控えたくなります。
「トイレに行きたくならないように、あまり飲まないでおこう」
そう考えてしまうのは自然です。
でも、水分を控えると、脱水や体調不良の原因になります。
特に夏場は、熱中症のリスクもあります。
高齢者は、のどの渇きを感じにくいこともあります。
子どもも、うまく体調不良を伝えられないことがあります。
トイレの備えがないと、水分を控える。
水分を控えると、体調を崩す。
体調を崩すと、在宅避難そのものがつらくなる。
こうした悪循環を防ぐためにも、トイレの備えは大切です。
「食べる・飲む」と同じように、
「出す」ことも、避難生活に必要な備えです。
携帯トイレと簡易トイレの違い
災害時のトイレ用品には、いくつか種類があります。
よく聞くのが、携帯トイレと簡易トイレです。
ざっくり分けると、携帯トイレは袋や凝固剤などを使って、便器や専用容器にセットして使うものです。
簡易トイレは、便座や本体が付いたもの、折りたたみ式のもの、屋外や車中泊でも使いやすいものなどがあります。
家庭の在宅避難でまず用意しやすいのは、今ある便器に袋をかぶせて使うタイプです。
便器そのものは使えるけれど、水が流せない。
そんな時に役立ちます。
一方で、便器が使えない場所や、車中泊、屋外での一時使用を考えるなら、簡易トイレ本体があると安心です。
大切なのは、名前だけで選ばないことです。
家のトイレで使うのか。
車にも置くのか。
高齢者でも使いやすいか。
子どもがいる家庭で使いやすいか。
使用後の処理はしやすいか。
防臭袋や凝固剤は付いているか。
こうした点を見て選ぶと、実際に使う場面を想像しやすくなります。
備蓄の目安は「1人1日5回」

トイレ用品は、どのくらい用意すればよいのでしょうか。
目安としては、1人1日5回です。
3日分なら、
5回 × 3日 = 15回分。
1週間分なら、
5回 × 7日 = 35回分。
4人家族なら、1週間分で
5回 × 4人 × 7日 = 140回分。
数字で見ると、多いと感じるかもしれません。
でも、トイレは毎日必ず使います。
食料や水は数日分を備える人でも、トイレは数回分しか用意していないことがあります。
それでは、在宅避難が長引いた時に足りなくなるかもしれません。
最初から完璧を目指さなくても大丈夫です。
まずは家族の人数で3日分。
できれば7日分。
この考え方で、少しずつ買い足していくのが現実的です。
使った後のにおい対策まで考える
携帯トイレや簡易トイレは、用意して終わりではありません。
大切なのは、使った後です。
排泄物を固める。
袋の口をしっかり閉じる。
防臭袋に入れる。
子どもやペットが触れない場所に保管する。
ゴミ収集まで一時保管する。
ここまで考えておく必要があります。
特に夏場は、においが出やすくなります。
使った袋をそのまま置いておくと、家の中のストレスが大きくなります。
防臭袋、厚手のゴミ袋、フタ付き収納ボックス、使い捨て手袋、除菌シートなどを一緒に用意しておくと安心です。
トイレ用品だけでなく、衛生用品もセットで考える。
これが、在宅避難を少しでも快適にするポイントです。
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トイレ用品はトイレの近くに置く
防災用品は、買っただけでは役に立ちません。
必要な時にすぐ使える場所に置いておくことが大切です。
携帯トイレや凝固剤、防臭袋は、できればトイレの近くに置いておきましょう。
押し入れの奥や、物置の奥にしまい込むと、停電時や夜間に取り出せないことがあります。
おすすめは、トイレ内やトイレ近くに、小さな収納ケースを置くことです。
中には、
携帯トイレ。
凝固剤。
防臭袋。
厚手のゴミ袋。
使い捨て手袋。
除菌シート。
トイレットペーパー。
小さなLEDライト。
このあたりをまとめておくと安心です。
停電している時は、暗い中で作業することになります。
トイレ用品と一緒に小さなライトを置いておくと、夜でも使いやすくなります。

一度は家族で使い方を確認しておく
携帯トイレや簡易トイレは、いざという時に初めて使うと戸惑います。
袋をどう付けるのか。
凝固剤はいつ入れるのか。
使った後はどう縛るのか。
どこに保管するのか。
子どもにはどう説明するのか。
災害時は、ただでさえ不安が大きくなります。
その時に説明書を読みながら使うのは大変です。
できれば、平常時に一度、家族で使い方を確認しておきましょう。
実際に排泄する必要はありません。
便器に袋をかぶせてみる。
凝固剤の袋を確認する。
使用後の袋をどこに置くか決める。
家族に置き場所を伝える。
これだけでも十分です。
子どもがいる家庭では、「水が流れない時はこの袋を使うんだよ」と伝えておくだけでも違います。
高齢の家族がいる場合は、座りやすさや立ち上がりやすさも確認しておくと安心です。
断水時は水の備えとセットで考える
トイレ対策は、水の備えともつながっています。
断水時に水があれば、トイレを流せると思うかもしれません。
でも、先ほども書いたように、排水管や下水管が傷んでいる場合は、流すことでトラブルになる可能性があります。
そのため、災害時は無理に水を流す前に、自治体や管理会社などの情報を確認することが大切です。
一方で、水は手洗い、片付け、体を拭く、衛生管理にも必要です。
トイレを使った後に手をきれいにするためにも、水やウェットシート、除菌用品は必要になります。
つまり、トイレ対策と水の備えは別々ではありません。
携帯トイレを用意する。
飲料水を備える。
生活用水も考える。
ウェットシートや除菌用品もまとめる。
このセットで考えると、断水時の不安を減らせます。
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車やキャンプにもトイレ用品を置いておく
防災用トイレは、自宅だけでなく、車にも少し置いておくと安心です。
渋滞。
車中泊。
避難途中。
キャンプ場でのトイレ不足。
子どもの急なトイレ。
こうした場面でも役立ちます。
キャンプをする人なら、トイレの不便さは想像しやすいと思います。
夜のトイレが遠い。
雨の日に外へ出るのがつらい。
子どもが急に行きたがる。
混雑していてすぐ使えない。
こうした経験は、防災にもつながります。
車に置くなら、コンパクトな携帯トイレ、防臭袋、ウェットシート、ポリ袋、小さなライトをセットにしておくと便利です。
ただし、夏の車内は高温になります。
保管できる温度や劣化しやすいものについては、商品の説明を確認しておくと安心です。
高齢者や子どもがいる家庭は多めに考える
家族構成によって、トイレの備え方は変わります。
高齢者がいる家庭では、夜間のトイレ回数が多くなることがあります。
子どもがいる家庭では、失敗や使い方の不安も考えておきたいところです。
ペットがいる家庭では、ペットシートや防臭袋も必要になります。
目安は1人1日5回ですが、これはあくまで目安です。
家族の体調や年齢、生活リズムに合わせて、少し多めに考える方が安心です。
また、トイレに行きやすい環境も大切です。
暗くないか。
足元は安全か。
座りやすいか。
手すりが必要か。
使った後の袋を置く場所は安全か。
トイレ用品の数だけでなく、使いやすさまで考えておくと、災害時の負担を減らせます。
まとめ:トイレ対策は在宅避難の基本
停電や断水の時、トイレはすぐに困る問題です。
水や食料の備えはしていても、トイレの備えが足りないと、在宅避難は一気につらくなります。
大切なのは、次の5つです。
1人1日5回を目安に、家族分を考える。
まずは3日分、できれば7日分を備える。
携帯トイレや簡易トイレを用意する。
使った後のにおい対策まで考える。
トイレの近くに置き、家族で使い方を確認する。
トイレは、毎日必ず使うものです。
だからこそ、防災用品の中でも優先度は高いです。
携帯トイレ、防臭袋、凝固剤、使い捨て手袋、ウェットシート。
これらをまとめておくだけでも、停電や断水時の安心感はかなり変わります。
防災は、特別なことを一気にやる必要はありません。
まずは家族の人数分、数日分からで大丈夫です。
困ってからでは、トイレの備えは間に合いません。
普段の暮らしの中で、少しずつ整えておきたいですね。
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